※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(原題:Grace is Gone)
----この映画、クリント・イーストウッドが音楽を担当しているんだって?
「うん。ただ、最初にサンダンス映画祭で公開されていたときは
新進作曲家による別スコアが当てられていたらしい。
で、一般上映に向けてイーストウッドに作曲の話がきたとのこと。
オリジナルの作曲家が少し可愛そうな気もするな」
----そういうことってあるんだ。
アメリカらしいというか、ドライな話だね。
「そうだね。
でも、この音楽がしっくりと映画に寄り添っているんだから、
まあ、文句の付けようもない」
----ニャるほどね。
音楽のお話はさておき、
映画はどうだったの?
「主人公はシカゴのホームセンターで働くスタンレー。
彼には12歳の長女ハイディと、8歳の次女ドーン。
そして陸軍の軍曹でイラクに赴任中の妻グレイシーがいる。
彼は母親を恋しがる子供たちと
なかなかうまく接することができない。
そんなある日、グレイスが亡くなったという知らせが
スタンレーの元に届く。
途方に暮れるスタンレー。
幼い娘たちにどう伝えたらいいか分からないまま2人を外食に連れ出すが、
どうしても真実を告げることができない。
そんな中、彼は衝動的にドーンが生きたがっていたフロリダの遊園地まで
車で行くことにするが…」
----ははあ。ロードムービーにニャるんだニャ。
「うん。
物語はほとんど、この3人の中で進んでゆく。
この話を聞いてだれもが想像つくように
映画のクライマックス、
それは父親が娘たちに真実を告げる瞬間に設定されている。
そしてこのシーンの描き方が
もう信じられないくらいに巧い。
これから観る人のために詳しくは言えないけど、
セリフに頼っていないんだね。
まさに<画>で見せるんだ」
----それって意味あるの?
「娘たちに真実を告げる。
それは父親としても言いたくないことであり、
観る方としても聞きたくない言葉。
つまりここでは、映画が観客の気持ちをも代弁して
一体化しているんだ」
----う~ん。分かったような分からないような。
でも、そういう映画だと俳優の力量が要求されるよね。
「うん。主演は自らプロデューサーも務めているジョン・キューザック。
彼が演じるスタンレーは退役兵という設定。
妻に比べて精神的にも弱いという夫婦の関係を、
妻不在の中、一人演技で観客に伝えているところがスゴい。
訃報を聞いて心が真っ白に陥るところも、
大パニックではなく、
さもありなんという“混乱”のカタチを見せてくれる。
そして、さらに圧倒されるのが二人の子役。
父親の突然の行動を訝しがる姉ハイディにシェラン・オキーフ、
無邪気な妹ドーンにグレイシー・ベドナルジク。
たった一年で大きく変わるこの年齢層の少女を
デビュー作というのが信じられないくらいに
それぞれ見事に演じていた」
----いまちょっと思ったんだけど、
こういうときって子役たちに
最後まで脚本を読ませない方がよくないのかニャあ。
母親が実は亡くなっているなんてのを知らない方が
それらしく演じられそうだし、
父親の告白のときの衝撃も大きいんじゃないかニャあ。
「うん。ぼくもチラリ
そんなことを思ったけど、
実はキューザックは真逆のアプローチをしている。
2人に感情移入させるため、
事前に撮っていた告白シーンの映像を見せてから
本番に臨んだらしい」
----2人は完璧な役者ってことだね。
アメリカの子役はスゴいニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「いわゆるひとつの静かな反戦映画だニャ」
※オープニングから引き込まれる度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
「キタ顔」キャンペーン参加中!※フォーンを探せ!
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(原題:Grace is Gone)
----この映画、クリント・イーストウッドが音楽を担当しているんだって?
「うん。ただ、最初にサンダンス映画祭で公開されていたときは
新進作曲家による別スコアが当てられていたらしい。
で、一般上映に向けてイーストウッドに作曲の話がきたとのこと。
オリジナルの作曲家が少し可愛そうな気もするな」
----そういうことってあるんだ。
アメリカらしいというか、ドライな話だね。
「そうだね。
でも、この音楽がしっくりと映画に寄り添っているんだから、
まあ、文句の付けようもない」
----ニャるほどね。
音楽のお話はさておき、
映画はどうだったの?
「主人公はシカゴのホームセンターで働くスタンレー。
彼には12歳の長女ハイディと、8歳の次女ドーン。
そして陸軍の軍曹でイラクに赴任中の妻グレイシーがいる。
彼は母親を恋しがる子供たちと
なかなかうまく接することができない。
そんなある日、グレイスが亡くなったという知らせが
スタンレーの元に届く。
途方に暮れるスタンレー。
幼い娘たちにどう伝えたらいいか分からないまま2人を外食に連れ出すが、
どうしても真実を告げることができない。
そんな中、彼は衝動的にドーンが生きたがっていたフロリダの遊園地まで
車で行くことにするが…」
----ははあ。ロードムービーにニャるんだニャ。
「うん。
物語はほとんど、この3人の中で進んでゆく。
この話を聞いてだれもが想像つくように
映画のクライマックス、
それは父親が娘たちに真実を告げる瞬間に設定されている。
そしてこのシーンの描き方が
もう信じられないくらいに巧い。
これから観る人のために詳しくは言えないけど、
セリフに頼っていないんだね。
まさに<画>で見せるんだ」
----それって意味あるの?
「娘たちに真実を告げる。
それは父親としても言いたくないことであり、
観る方としても聞きたくない言葉。
つまりここでは、映画が観客の気持ちをも代弁して
一体化しているんだ」
----う~ん。分かったような分からないような。
でも、そういう映画だと俳優の力量が要求されるよね。
「うん。主演は自らプロデューサーも務めているジョン・キューザック。
彼が演じるスタンレーは退役兵という設定。
妻に比べて精神的にも弱いという夫婦の関係を、
妻不在の中、一人演技で観客に伝えているところがスゴい。
訃報を聞いて心が真っ白に陥るところも、
大パニックではなく、
さもありなんという“混乱”のカタチを見せてくれる。
そして、さらに圧倒されるのが二人の子役。
父親の突然の行動を訝しがる姉ハイディにシェラン・オキーフ、
無邪気な妹ドーンにグレイシー・ベドナルジク。
たった一年で大きく変わるこの年齢層の少女を
デビュー作というのが信じられないくらいに
それぞれ見事に演じていた」
----いまちょっと思ったんだけど、
こういうときって子役たちに
最後まで脚本を読ませない方がよくないのかニャあ。
母親が実は亡くなっているなんてのを知らない方が
それらしく演じられそうだし、
父親の告白のときの衝撃も大きいんじゃないかニャあ。
「うん。ぼくもチラリ
そんなことを思ったけど、
実はキューザックは真逆のアプローチをしている。
2人に感情移入させるため、
事前に撮っていた告白シーンの映像を見せてから
本番に臨んだらしい」
----2人は完璧な役者ってことだね。
アメリカの子役はスゴいニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「いわゆるひとつの静かな反戦映画だニャ」
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あの瞬間の映画的な詩情あふれる演出は見事でした。
イーストウッドの前に別の楽曲がついていたというのは驚きました。
どんな曲がついていたのでしょう。
イーストウッドの曲があまりにもピッタリとはまっていたので、確かに文句のつけようも無いのですけど、前のバージョンもちょっと観てみたいですね。
DVDのサブ音源として入れてくれないかな。
なるほど。
DVDのサブ音源。
それはいいですね。ぜひ観てみたいモノです。
この映画、確かにイーストウッドの監督作といっても
おかしくない感じ。
『センチメンタル・アドベンチャー』あたりを
少し思い出しました。