※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(原題:Fur: An Imaginary Portrait of Diane Arbus)
「これはのっけから唖然呆然。
まったくもって目のやり場がなかったね…」
----あらら、ちょっとネタバレチックじゃニャい?
「う~ん。だからネタバレ注違報を出したんだけどな」
----そもそもこのダイアン・アーバスってだれよ?
人名がフルで入ったおかげで
とんでもなく長いタイトルになってるけど…。
「うん。実はぼくも知らなかったんだけど、
20世紀を代表する有名な女性写真家らしい。
ダイアンの被写体となったのは、結合双生児、同性愛者、そしてヌーディスト…。
写真集のタイトルもずばり『フリークス』」
----ダイアンも、なぜそういう題材を選んだんだろう
「そう思うよね。
この映画は、ダイアンがフリークス専門の芸術写真家へと変貌したきっかけを
彼女の撮った写真の中の多毛症の男ライオネルとの出会いに求めている。
主人公ダイアンにはニコール・キッドマン。
ライオネルにはロバート・ダウニーJr.。
全身毛むくじゃら、
『美女と野獣』のビーストを思わせるこのライオネルの特殊メイクは
なんと『T2』の大御所スタン・ウインストンが担当している」
----ということはリアリズムでは描いてないんだね?
「うん。そういうこと。
この映画はあくまでダイアンへのオマージュであり、
彼女の写真集からのイマジネーションから生まれたもの。
そのため監督独自のシュールな映像が繰り返し出てくるんだ」
----たとえば?
「ダイアンが住んでいるアパートの部屋から階段を上がって行くと
そこは奇妙な電飾で飾られた、
大きな鍵穴を持つライオネルの部屋。
壁紙もパスカル系からケバケバしい色に変わり、
まるっきり別の建物としか見えない。
一方、同じアパートの地下には両手がない女性が足で掃除をしている」
----まるで大人版『不思議の国のアリス』だ。
「そうだね。
でも、この映画では
こちらと向こうの世界とが繋がっている。
ライオネルの部屋の床からダイアンの部屋の天井へ。
階段でフリークスたちが続々と現れるシーンは
まさに息を飲むほかない。
でも、こういう超現実的な描き方はありだと思うな。
彼女の撮った写真集から
その奥に横たわる精神世界を覗き見ようとしたわけだからね。
あっ、キャッチコピーの
『その下の彼自身に夢中だった』は
あまり変に捉えない方がいいと思う」
----観たら分かるってわけ?
「うん。実に巧いキャッチコピーだと思うよ。
まず、だれもが勘違いするからね(笑)」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「フォーン、観ちゃダメそうニャ」
※ニコール・キッドマン、あんたは偉いよくやった度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャルの壁紙です。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(原題:Fur: An Imaginary Portrait of Diane Arbus)
「これはのっけから唖然呆然。
まったくもって目のやり場がなかったね…」
----あらら、ちょっとネタバレチックじゃニャい?
「う~ん。だからネタバレ注違報を出したんだけどな」
----そもそもこのダイアン・アーバスってだれよ?
人名がフルで入ったおかげで
とんでもなく長いタイトルになってるけど…。
「うん。実はぼくも知らなかったんだけど、
20世紀を代表する有名な女性写真家らしい。
ダイアンの被写体となったのは、結合双生児、同性愛者、そしてヌーディスト…。
写真集のタイトルもずばり『フリークス』」
----ダイアンも、なぜそういう題材を選んだんだろう
「そう思うよね。
この映画は、ダイアンがフリークス専門の芸術写真家へと変貌したきっかけを
彼女の撮った写真の中の多毛症の男ライオネルとの出会いに求めている。
主人公ダイアンにはニコール・キッドマン。
ライオネルにはロバート・ダウニーJr.。
全身毛むくじゃら、
『美女と野獣』のビーストを思わせるこのライオネルの特殊メイクは
なんと『T2』の大御所スタン・ウインストンが担当している」
----ということはリアリズムでは描いてないんだね?
「うん。そういうこと。
この映画はあくまでダイアンへのオマージュであり、
彼女の写真集からのイマジネーションから生まれたもの。
そのため監督独自のシュールな映像が繰り返し出てくるんだ」
----たとえば?
「ダイアンが住んでいるアパートの部屋から階段を上がって行くと
そこは奇妙な電飾で飾られた、
大きな鍵穴を持つライオネルの部屋。
壁紙もパスカル系からケバケバしい色に変わり、
まるっきり別の建物としか見えない。
一方、同じアパートの地下には両手がない女性が足で掃除をしている」
----まるで大人版『不思議の国のアリス』だ。
「そうだね。
でも、この映画では
こちらと向こうの世界とが繋がっている。
ライオネルの部屋の床からダイアンの部屋の天井へ。
階段でフリークスたちが続々と現れるシーンは
まさに息を飲むほかない。
でも、こういう超現実的な描き方はありだと思うな。
彼女の撮った写真集から
その奥に横たわる精神世界を覗き見ようとしたわけだからね。
あっ、キャッチコピーの
『その下の彼自身に夢中だった』は
あまり変に捉えない方がいいと思う」
----観たら分かるってわけ?
「うん。実に巧いキャッチコピーだと思うよ。
まず、だれもが勘違いするからね(笑)」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「フォーン、観ちゃダメそうニャ」
※ニコール・キッドマン、あんたは偉いよくやった度
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(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャルの壁紙です。
ぼくの大切な傘も猫でいっぱい。
「大切」と言うくらいですから、
あまり遠出には使いません(笑)。
なくなったら大変なので…。
さきほどレビュー、拝見しました。
なるほど、
漫然と生きている人たちに比べて、
彼らは生きることに前向き。
そういうところから発せられる
生のエネルギーに
ダイアンは引かれたのかも知れませんね。
gooの顔文字、やっと増えました。
猫さんも多く、使い出がありそうです。
>ダイアンも、なぜそういう題材を選んだんだろう
フォーンの呟きですが。私は、この作品を見て、ダイアンはきっとフリークスと呼ばれる人たちに活き活きとした輝きを見出したんだと思いました。そもそもこの映画は実話と言う訳ではないし、相変わらずマイノリティな私が感じた事なんですけど。押し付けという訳ではありませんよ
何か、私の周りや最近の若い子達の会話を小耳に挟むと。かなり無気力な発言が多いと感じているので、フリークスと呼ばれる人達って、命の尊さを本気で理解しているのかもしれないなぁ。なんて、真面目な事まで考えていましたです。
余談ですが、私はgooの絵文字って大好きなんです。えいさんのところにコメント入れる際にも、何だか必要以上に挿入してますけど
新しい絵文字が増えたんですねっ。しかも猫さんが
レビュー拝見させていただきました。
『美女と野獣』は、
ぼくも観ていてすぐ頭をよぎったのですが、
『かえるの王子様』にはなるほどなと思いました。
「毛」って、言葉は微妙ですよね(笑)。
かなり童話的な世界観にちょっとグッときちゃいましたです。
特殊メイクも大変そうな作品ですね。笑
「毛」というと、ちょっとホラーちっくなイメージをいだきますけど、「ファー」ならファンタジーかな。笑
朝から、このエロスは濃厚すぎます(笑)。
でも、正直ってこの映画で
いちばんビクッとしたのは
冒頭のヌーディスト村。
この後、どうなるんだろうと
不謹慎にわくわくしてしまいました。
この映画、かなり不思議な雰囲気かもしてましたね。
わたしも観ながら、アリスとか美女と野獣、など思い浮かべました。
ほんとビースト実写版みたい
でも穴からのぞく目がぎょろっとしてて、おふざけみたいな感じもして笑いそうになっちゃいました。
(そんな映画じゃないのに)
なかなか面白かったです
でも、このコピーに引かれて
観たくなったのも事実です(笑)。
このニコール・キッドマンの
「なんでもやってやろう」精神は
『アイズ ワイド シャット』での
キューブリック体験が生きているのかも…。
それにしてもニコール・キッドマンの作品選びは徹底してチャレンジングというかなんというか。
かなり観る人を選びそうな作品ですが、このシュールさが意外と好きでした。ちょっと眠くなってしまったのも本当なんですが…笑