※注意。※映画の核に触れる部分もあります。
「いやあ。驚いたね。
まさか21世紀になって
イングマール・ベルイマンの新作が観られるとは思わなかった」
----誰よ、そのベルイマンって人?
「スウェーデンのフォール島に住む巨匠中の巨匠。
かのゴダールをして
『誰よりもオリジナリティがある作家』と
言わしめているんだから、
その偉大さは推して量るべしだ
もう88歳になるベルイマンだけど、
この映画は彼が84歳のときに
しかもHDマスターで撮った作品。
82年の『ファニーとアレクサンデル』を撮り終えて
引退宣言をしていただけに約20年ぶりということになる」
----ふうん。それでこれはどういう映画ニャの??
「81年に発表した『ある結婚の風景』の後日談となっている。
簡単に言えば、そこで離婚した夫婦が30年ぶりに再会すると言う話。
全体はプロローグとエピローグ、
そしてそれに挟まれた10章から成り立っている。
オモシロいのは、
その10章すべてが、いずれも登場人物ふたりだけという会話劇スタイル。
リヴ・ウルマン演じるマリアンとエルランド・ヨセフソンの元夫ヨハン。
そしてヨハンの息子ヘンリックと、ヘンリックの娘カーリンの4人が、
それぞれふたりずつペアとなって、
話が進んでゆく」
----で、どうだったの?映画としては?
「いやいや、これはぼくなんかが
レビューをするのはおこがましい作品。
そこで見どころだけ紹介しておこうと思う。
30年ぶりに会う元夫婦。
夫のたび重なる不倫と言う、
過去のわだかまりも溶けて
年輪を重ねた老人の穏やかな日々が綴られる……
と思いきや、『決定的瞬間』と題された第9章で
元夫の傲慢さが爆発。
そしてそれを受けた形で
感動の第10章『夜明け前』が立ち上がる」
---どういうこと??
「それでは久々に※ネタバレ注。
言いようのない不安にブルブル震える元夫を、
元妻がやさしくベッドに迎え入れる。
しかもふたりとも真っ裸だ」
---えっ、ふたりとも老人だよね??
「ヨハンは80歳を超え、マリアンもすでに63歳。
このときの映像処理の巧みさ。
日本映画『死に花』で描かれた
老齢のセックスシーンの生々しさとは大違いだ」
----それは比較しちゃ悪いよ(笑)。
でも、それって男はダメ人間ということなのかニャ。
なんとなく底に女性へのリスペクトがあるように見えるけど……。
「そうなんだね。
亡くなった妻のことを思い出し、
娘カーリンもいなくなるのではと言う不安に駆られ、
その娘に情けなく自分の心情を吐露するヘンリック、
そして、そのヘンリックが50年前に自分にした仕打ちを
いまだに根に持つ父ヨハンと、
この映画に出てくる男たちはいずれも醜い。
それに比較して女性たちの何と魅力的なことか。
ベルイマンの映画を評して批評家時代のトリュフォーはこう言っている。
『ベルイマンの映画は、まさしく、女性に捧げられた映画だ。
ベルイマンの映画の女たちは、
男の視点から一方的に見られた存在ではなく、
ベルイマンと女たちの完璧な共謀となれあいのなかで
とらえられたイメージなのである。
男の人物たちが型にはまったキャラクターばかりなのに対して、
女たちが無限のニュアンスに彩られていきいきとしているのも、
そのためだ』と。けだし名言だね」
(byえいwithフォーン)
叫びとささやき BBBF-1996
※ベルイマンではこの映画が好きでした。
※21世紀のベルイマンだ度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
「いやあ。驚いたね。
まさか21世紀になって
イングマール・ベルイマンの新作が観られるとは思わなかった」
----誰よ、そのベルイマンって人?
「スウェーデンのフォール島に住む巨匠中の巨匠。
かのゴダールをして
『誰よりもオリジナリティがある作家』と
言わしめているんだから、
その偉大さは推して量るべしだ
もう88歳になるベルイマンだけど、
この映画は彼が84歳のときに
しかもHDマスターで撮った作品。
82年の『ファニーとアレクサンデル』を撮り終えて
引退宣言をしていただけに約20年ぶりということになる」
----ふうん。それでこれはどういう映画ニャの??
「81年に発表した『ある結婚の風景』の後日談となっている。
簡単に言えば、そこで離婚した夫婦が30年ぶりに再会すると言う話。
全体はプロローグとエピローグ、
そしてそれに挟まれた10章から成り立っている。
オモシロいのは、
その10章すべてが、いずれも登場人物ふたりだけという会話劇スタイル。
リヴ・ウルマン演じるマリアンとエルランド・ヨセフソンの元夫ヨハン。
そしてヨハンの息子ヘンリックと、ヘンリックの娘カーリンの4人が、
それぞれふたりずつペアとなって、
話が進んでゆく」
----で、どうだったの?映画としては?
「いやいや、これはぼくなんかが
レビューをするのはおこがましい作品。
そこで見どころだけ紹介しておこうと思う。
30年ぶりに会う元夫婦。
夫のたび重なる不倫と言う、
過去のわだかまりも溶けて
年輪を重ねた老人の穏やかな日々が綴られる……
と思いきや、『決定的瞬間』と題された第9章で
元夫の傲慢さが爆発。
そしてそれを受けた形で
感動の第10章『夜明け前』が立ち上がる」
---どういうこと??
「それでは久々に※ネタバレ注。
言いようのない不安にブルブル震える元夫を、
元妻がやさしくベッドに迎え入れる。
しかもふたりとも真っ裸だ」
---えっ、ふたりとも老人だよね??
「ヨハンは80歳を超え、マリアンもすでに63歳。
このときの映像処理の巧みさ。
日本映画『死に花』で描かれた
老齢のセックスシーンの生々しさとは大違いだ」
----それは比較しちゃ悪いよ(笑)。
でも、それって男はダメ人間ということなのかニャ。
なんとなく底に女性へのリスペクトがあるように見えるけど……。
「そうなんだね。
亡くなった妻のことを思い出し、
娘カーリンもいなくなるのではと言う不安に駆られ、
その娘に情けなく自分の心情を吐露するヘンリック、
そして、そのヘンリックが50年前に自分にした仕打ちを
いまだに根に持つ父ヨハンと、
この映画に出てくる男たちはいずれも醜い。
それに比較して女性たちの何と魅力的なことか。
ベルイマンの映画を評して批評家時代のトリュフォーはこう言っている。
『ベルイマンの映画は、まさしく、女性に捧げられた映画だ。
ベルイマンの映画の女たちは、
男の視点から一方的に見られた存在ではなく、
ベルイマンと女たちの完璧な共謀となれあいのなかで
とらえられたイメージなのである。
男の人物たちが型にはまったキャラクターばかりなのに対して、
女たちが無限のニュアンスに彩られていきいきとしているのも、
そのためだ』と。けだし名言だね」
(byえいwithフォーン)
叫びとささやき BBBF-1996
※ベルイマンではこの映画が好きでした。
※21世紀のベルイマンだ度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
こちらこそ光栄です。
「試写室だより 封切はこれからだ!」には
個人的に知っている人の名前もあり、
とても興味あります。
一息ついたら
改めてご連絡いたしますので、
こちらこそよろしくお願いします。
ブログのデザインは
「goo」なので……。
『叫びとささやき』は、その昔、
高田馬場パール座で観ました。
とても懐かしいです。
コメントをいただけるなんて本当に光栄でございます。
いつかお目にかかってご挨拶できる日が来ることを夢見ております。
そして、私どものメルマガにご参加をお願いだけでもしてみたいニャーと心から思います。
(大変失礼いたしました。わが「試写室だより 封切はこれからだ!」編集部の編集長はアトムという白黒猫でして。こちらもまた猫と映画の部屋なのです。お許しください)
ブログの素晴らしいデザインにもまこと感嘆いたします。
「叫びとささやき」も大好きなベルイマンの1本です。赤と白と(黒も?)美しく、そして怖い。赤いフェイドアウトが忘れられません。大好きはウソかもしれません。でも、一糸乱れぬ構成というのか、緻密ですごいベストの1本です。
『サラバンド』に『ブラック・ダリア』ですか。
なかなかチェックが早いですね。
ぼくの<74これから先公開映画>、
一番のおススメは『フラガール』です。
今年の邦画で『ゆれる』『ラブ☆コン』と並ぶ傑作です。
もしラブ☆シネマさんが、
日本映画もご覧になるのでしたら、ぜひ。
さてBOOK MARKの件。
不都合なんて全くないです。
それどころか大歓迎。\(^-^)/
これからもよろしくお願いします。
気になってます、気になってます!
今、1番観たい映画です、
えいさん、いつもながらの、一歩も二歩も先を行く、早いレビュー、参考になります☆☆☆
も~お、とってもとっても、とっても楽しみにしてる作品です、良作の予感、この作品はいいのでは!って思って、今か今かと待ってる作品です♪
えいさんの感想も、なかなか良評ではないですか~♪う~、待ち通しです♪(*^^)
えいさん、ブラックダリアも、今後の作品で期待してる作品の1つです。早く観たいよ~♪
えいさん、「ラムの大通り」BOOK MARKさせてくださいね~♪♪不都合があれば、すぐはずしますので、言ってくださいね♪(*^^)