----また、三池崇史監督?
ほんとに精力的だね。
でも、これってどういう映画?
「うん。ぼくもよくは知らなかったんだけど、
実は『月刊少年チャンピオン』に連載された漫画が原作。
でも、プレスによると
登場人物はオリジナルで、
漫画の主人公・坊屋春道が登場する以前の話らしい」
----それじゃあ、ほとんど原作とは関係ないんじゃニャいの?
「いや、設定だけは受け継がれているようだ。
舞台は超不良校・鈴蘭男子高校。
そこにはいくつかの派閥や一匹狼が存在していて、
全校をまとめる番長はいまだかつて生まれていない。
で、だれもがこの高校のトップを狙おうとする。
映画では教師の姿はほとんど出てこないし、
授業風景もなく、
ただただ喧嘩に明け暮れている。
これは原作もそうらしい」
----じゃあ、一種の群像劇だ。
だれが出ているの?
「主演は滝谷源治を演じる小栗旬ということになるかな。
彼は同じ三池監督の 『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』では
平和主義者だったけど、
こちらはヤクザの親分の息子。
鈴蘭男子高校のトップに立つことで親(岸谷五朗)に自分を認めさせ、
組の跡目を継ごうとしている。
その最大のライバルを演じるのが山田孝之演じる芹沢多摩雄。
他にも高岡蒼甫や桐谷健太、果ては波岡一喜など
『パッチギ!』組もたくさん出ている。
でも、ぼくはどちらかというと『青い春』を思い出したね」
----ということはバイオレンスシーンがスゴいんだ。
「うん。まあ、生半可なもんじゃないね。
後半は土砂降りの中での大バトル。
ここはおそらく監督の頭の中に
『けんかえれじい』があったと思うな。
それほど激しかった」
----ふうむ。
でもなかなかアレは超えられないよね。
「うん。
撮ってみて監督もそう思ったのか、
不思議なことにこの喧嘩のクライマックスで
黒木メイサのライブシーンがカットバックされる。
これは監督の照れ隠しかも。
でも、この映画はおそらく、やべきょうすけの映画として
長く記憶されるんじゃないかな」
----えっ、それってどういうこと?
「やべきょうすけが演じているのは、
この鈴蘭男子高校の卒業生にして
滝谷源治の父とは敵対する組に属している構成員・片桐拳。
拳は、まっすぐに生きている彼ら高校生が眩しい。
そこで源治と友情を深めていくんだ」
----えっ、組同士で敵対しているのに?
「もちろん、最初彼はそのことを知らないからね。
さて、この片桐拳はとても寂しい男として描かれる。
かつて一緒に暴れた連中は、
みんな堅気になって家族のために働いているのに、
自分だけこんなヤクザになっている。
その置いてきぼり感といった感じが実によく出ているんだ。
このスパイスがあったからこそ、
本作『クローズZERO』は
他の高校生愚連隊映画とは一線を画する上がりとなった。
やべきょうすけが演じたのは
『仁義なき戦い』の川谷拓三にあたる。
ぼくはそう思ったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「クローズは『閉める』じゃなく『カラス』ニャ」
※やべきょうすけがホントいい度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
ほんとに精力的だね。
でも、これってどういう映画?
「うん。ぼくもよくは知らなかったんだけど、
実は『月刊少年チャンピオン』に連載された漫画が原作。
でも、プレスによると
登場人物はオリジナルで、
漫画の主人公・坊屋春道が登場する以前の話らしい」
----それじゃあ、ほとんど原作とは関係ないんじゃニャいの?
「いや、設定だけは受け継がれているようだ。
舞台は超不良校・鈴蘭男子高校。
そこにはいくつかの派閥や一匹狼が存在していて、
全校をまとめる番長はいまだかつて生まれていない。
で、だれもがこの高校のトップを狙おうとする。
映画では教師の姿はほとんど出てこないし、
授業風景もなく、
ただただ喧嘩に明け暮れている。
これは原作もそうらしい」
----じゃあ、一種の群像劇だ。
だれが出ているの?
「主演は滝谷源治を演じる小栗旬ということになるかな。
彼は同じ三池監督の 『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』では
平和主義者だったけど、
こちらはヤクザの親分の息子。
鈴蘭男子高校のトップに立つことで親(岸谷五朗)に自分を認めさせ、
組の跡目を継ごうとしている。
その最大のライバルを演じるのが山田孝之演じる芹沢多摩雄。
他にも高岡蒼甫や桐谷健太、果ては波岡一喜など
『パッチギ!』組もたくさん出ている。
でも、ぼくはどちらかというと『青い春』を思い出したね」
----ということはバイオレンスシーンがスゴいんだ。
「うん。まあ、生半可なもんじゃないね。
後半は土砂降りの中での大バトル。
ここはおそらく監督の頭の中に
『けんかえれじい』があったと思うな。
それほど激しかった」
----ふうむ。
でもなかなかアレは超えられないよね。
「うん。
撮ってみて監督もそう思ったのか、
不思議なことにこの喧嘩のクライマックスで
黒木メイサのライブシーンがカットバックされる。
これは監督の照れ隠しかも。
でも、この映画はおそらく、やべきょうすけの映画として
長く記憶されるんじゃないかな」
----えっ、それってどういうこと?
「やべきょうすけが演じているのは、
この鈴蘭男子高校の卒業生にして
滝谷源治の父とは敵対する組に属している構成員・片桐拳。
拳は、まっすぐに生きている彼ら高校生が眩しい。
そこで源治と友情を深めていくんだ」
----えっ、組同士で敵対しているのに?
「もちろん、最初彼はそのことを知らないからね。
さて、この片桐拳はとても寂しい男として描かれる。
かつて一緒に暴れた連中は、
みんな堅気になって家族のために働いているのに、
自分だけこんなヤクザになっている。
その置いてきぼり感といった感じが実によく出ているんだ。
このスパイスがあったからこそ、
本作『クローズZERO』は
他の高校生愚連隊映画とは一線を画する上がりとなった。
やべきょうすけが演じたのは
『仁義なき戦い』の川谷拓三にあたる。
ぼくはそう思ったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「クローズは『閉める』じゃなく『カラス』ニャ」
※やべきょうすけがホントいい度
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私は27日公開の作品群の中で一番楽しみにしていました。原作は全く知らないんですけどね。
『仁義なき戦い』
よく考えたらキチンと見ていないかもしれません。
やべきょうすけは、陰の主役って感じでしたね。
私は高岡蒼甫が光っていたと思いますけど、3年生の牧瀬を演じた高橋努も気になりました。ブサイク、ハゲと罵倒されていてお笑い担当な場面もありましたけど。源治の無鉄砲さを上手くサポートしていたし。肌身離さずお守りを身につけていたり。
一番感じたのは、喧嘩ばっかりしてる彼らの一種の部活動みたいな日々が、社会人の戦場と重なって見えたことです。女子には得がたい苦痛の後の達成感みたいなものも感じたりして(私だけかな)
とにかく、私には男の子が羨ましいと思わせる1本でした。
やべきょうすけは、良かったですよね。
ただ、この映画のやべきょうすけの良さが分かるのは、この映画に共感できる年代よりずっと上になるカナ?と思ったりもします
私としては、刃物や武器を使わない爽やかさが、少し嘘っぽく思えてしまったところもあります。
それを、鈴蘭高校の生徒が全員徹底できるのがどうなのかも疑問に思ったりしてしまって。
僕にはこの作品は、
原作を換骨奪胎して
三池崇史監督が自分の世界を作り上げたように感じられました。
人気監督ならではのワザかもしれませんね。
『仁義なき戦い』は少なくとも4までは
観た方がいいと思いますよ。
機会があったら是非。
>この映画のやべきょうすけの良さが分かるのは、この映画に共感できる年代よりずっと上になるカナ?と思ったりもします
なるほど、そうでしょうね。
で、その世代の人たちはこの映画を観にいかない。
なんだか『クレヨンしんちゃん』みたいですね。
>刃物や武器を使わない爽やかさ
そうでしたね。
そういう意味では一つの「理想化された喧嘩世界」なのかも…なんて、改めて思ったりしました。
やはりそこが東映じゃなくて東宝ですね。
最初知ったときには、東宝らしくない企画にビックリしましたが…。
書かれているの同感で、やべさんってゼンゼン
知らなかったですけど、この人のためにあるような
映画じゃないかと思いましたね。回りは全部
脇役というか・・・川谷拓三かぁなるほどです。
ラストの死闘に向かう前に傘さして合流する
カットがあって、「昭和残侠伝」みたいと
思ってしまいました。(笑)
嬉しいです。
ぼくも、この映画はやべきょうすけのためにあると思いました。
映画化企画の発端にも彼が関わっていたんですね。
知りませんでした。
傘さして合流に、東映任侠映画を見るとは
さすがkazuponさんです。
って言われて、
「昭和だ、バカヤロー」
って答える、やべきょうすけさん、かっちょいい。
深作の『仁義の墓場』リメイク経験のある三池さんには、いつか『県警対組織暴力』もやってもらいたいです。
そのときは、ぜひ、やべきょうすけさんにカレーを食べさせてあげてください(笑)。
てなわけで、TB&コメントありがとうございました。
にらさんの映画の知識の深さと見聞の広さに感じ入っています。
『仁義の墓場』『県警対組織暴力』。
そんなタイトルがここで聞かれるとは…。
ほんとうに嬉しいです。
今頃になってやっと観ました。
劇場で観なかったことを、深く後悔しているところです。
内容的にはやべきょうすけがあっての映画でしたね。
どちらかというと、ヤクザ映画ってかんじでした。
とにかくカッコイイので、子供には絶対見せまいと心に誓いました。
この映画、女性からの評価が高いような気がします。
三池崇史監督でバイオレンスというと、
東宝では『漂流街 THE HAZARD CITY』くらいしか
あまりその組み合わせがなく、
今回は、
やっとメインストリームに出てきたってコトなのかも…。
多くの方の目に触れる機会が持てたということを
素直に喜びたいです。