ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『悪いやつら』

2013-08-07 23:54:47 | 新作映画
(英語題:Nameless Gangstar:Rules of the Time)

----最近、観る映画、観る映画、
全部あたりって感じだね。
「いやあ。
実は日本で公開される映画があまりに多すぎて、
かなりセレクトして観ているからね。
それでも、まだフォーンに話していないの、
こんなにもたまっちゃった。
さて、どれから行こうかな…」

----夜も遅いから、
分かりやすいのがいいニャ。
そうだ、あの韓国映画。
ほら、チェ・ミンシクハ・ジョンウが出ているの…。
「えっ、『悪いやつら』のこと?
これ、かなり変な映画だよ。
思っていたのとはかなり違う」

----そういえば『仁義なき戦い』にたとえていなかった?
「うん。
それはね。
“悪いやつ”の意味が
“犯罪を犯す”はもちろんだけど、
“卑屈で狡猾”、
つまり人間として最低最悪…の意味をも持っているからなんだ」

----??
「じゃあ、簡単に物語を…。
主人公は、
密輸や賄賂を重ねる悪徳税関職員のチェ・イクヒョン(チェ・ミンシク)。
ある日、検察から査察が入り、
汚職の責任をひとり負うことになるだが、
彼はそのまますんなりと仕事を辞めるようなタマではない。
夜間の巡察中に発見した覚せい剤でひと儲けしようと、
釜山の裏社会を牛耳るボス、
チェ・ヒョンペ(ハ・ジョンウ)に接近。
偶然にもそのヒョンペが同じ家系の一員であることを知ったイクヒョンは、
“大伯父”として彼と手を組むことになる…
と、こういう流れだね」

----ニャるほど。
その“家計”を盾にヒョンペを操るってワケだニャ。
「そう。
もとより公務員のイクヒョンには
税関職員時代に培ったコネがある。
その交際術とヒョンペの拳があれば鬼に金棒。
あっという間に釜山を掌握。
ところが、1990年にノ・テウ大統領が
組織犯罪を一掃する“犯罪との戦争”を宣言。
イクヒョンは自身の生き残りのため、
裏切りを何度も重ねながら、
それでもその場その場を巧みに切り抜けていく…。
まあ、男の風上にも置けないヤツだね」

----あっち行ったりこっち行ったりか…。
途中でこんがらがりそう。
「うん。
あまり有名じゃない俳優も数多く出ているしね。
実を言うと、ぼくもちょっと混乱。
イクヒョンの真意がどこにあるのか分からなくなって…。
でも、次第に、
あっ、これは
“その場逃れの積み重ね”だなって(笑)。
つまり、そのときどっちに付いていようと
もう、どうでもよくなってくる。
やっていることがすべて
彼の“生き残りのための方便”、
映画はそれを描いているんだってね

----だから『仁義なき戦い』が出てきたわけか…。
「うん。
あの映画は菅原文太演じる広能昌三が主人公ではあるけど、
部下たちを口先だけでいいように使う薄汚いクズ、
山守義雄(金子信雄)組長のドラマとして見てもオモシロい。
ぼくは、あのシリーズを始めてみたとき、
山守親分を主人公にした映画を作ればオモシロいのでは?と、
そう思ったけど、
それを韓国映画がチェ・ミンシクでやっちゃった…」

----欲望丸出しの人間喜劇ってヤツだニャ。
「そうだね。
ここでは誇張されてはいるけど、
案外、会社の中でも
これに似たような生き残りのための抗争ってのは
行なわれているんだろうな。
でも会社だと、、
即クビになっちゃうから、みんな知らないふりをしている」

----そりゃまた厄介だニャ。



                    (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「変な男の話。かえって眠れなくなったニャ」ぱっちり

※ラストもなかなかだ度

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2 コメント

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あれ? (rose_chocolat)
2013-08-29 17:14:50
最初途中で送信してしまったので、ヘンなコメントがあったらお手数ですが消して下さい。

「なりふり構わず」って言葉がピッタリでしたね。
何でもいいから、仁義なんてなくてもいいから・・・という、一般社会だってどうかしたらルール違反に問われそうですが、人間の本質なんでしょうね。
返信する
■rose_chocolatさん (えい)
2013-09-09 22:46:49
「悪」を描くのは、
映画の楽しさのひとつかと思います。
「善」は倫理として覚えちゃうし、
「悪」の心理って
実際には目にしたくないし、
でも、スクリーンという中では
観てもいいかな…と。
返信する

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