ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ローン・サバイバー』

2014-03-18 14:57:35 | 新作映画

(原題:Lone Survivior)


----『ローン・サバイバー』って、
タイトルがネタバレ。
ひとりだけ生き残るってこと、
最初から分っちゃうじゃニャい。
「う~ん。
でもこれって2005年6月に
アフガニスタンの山岳地帯で展開されたレッドウィング作戦を基にした実話だし、
その作戦で唯一生還した兵士の回顧録が原作となっている。
映画のポイントは、
『さあ、だれが生き延びるでしょうか?』
じゃないんだよね」

----ふうん。
じゃあ、見どころはどこ?
「いわゆる “戦闘”そのもの。
逃げ場なしの極限状況をとことん再現し、
その臨場感から生じる生身の恐怖を
観る方にもリアルに味わってもらう…
一方、物語自体はシンプル。
アフガニスタンの山岳地帯。
そこである特殊任務に就いていた4人のネイビーシールズ。
彼らは200人を超えるタリバン兵に追われ、猛攻撃を浴びてしまう。
この絶望的な状況の中、
果たして“彼”、マーカスは、いかにして生還できたのか?”――」

----ニャるほど。
そのマーカスに、
マーク・ウォ-ルバーグが扮しているワケだニャ。
「そういうこと。
もちろん、映画は、
なぜ、4人が敵に見つかってしまったか?など、
その原因となったできごとについても説明はする。
実は、彼らは最初からタリバン兵と遭遇したわけではない。
子どもを含む現地の山羊飼いたちに見つかってしまうんだ。
もしそのまま解放すれば、
タリバンに連絡がいくのは間違いない。
だが、口封じのために殺せば、
丸腰の民間人を殺したと、
世界中から非難を浴び、大問題になってしまう」

----ニャるほど。
でも、襲われたということは、
釈放したってことだニャ。
「うん。
苦渋の決断が裏目に出たワケだ。
しかも無線は繋がらず、
彼らは大勢のタリバン兵に包囲され、
文字どおり崖っぷちに立たされ、
一斉に銃火を浴びる…というわけだ」

----ニャるほど。
まさに絶体絶命。
あれっ?
キャッチコピーに
『ひとりでは、生き残れなかった』とあるよ。
どういう意味?
「さあ、ここなんだ。
この映画の特異性、
というか評価が分かれるところは…。
この後に続く銃撃戦、それは
“録音賞”“音響編集賞”の2部門で
アカデミー賞にノミネート
されたことからも分かるように、
まさに、凄まじいの一言。
自分がその戦闘の真っただ中に放り出されたかのよう」

----あっ、だから
『プライベート・ライアン』が引き合いに出されるんだニャ。
「そうだね。
ある意味、体験型映画とも言える。
さて、もはやここまで…かと思ったときに、
ある“奇跡”とも思えるできごとが起こる。
う~ん、ここからが説明しづらいんだけど、
彼は、村人たちにかくまわれるんだ」

----えっ、なぜ?
もともとは民間人の密告でこんな事態になっているんだよね?
「なぜ、村人が彼をかくまったか?
その理由は、映画の最後に<字幕>で明かされる。
この映画を一緒に観た、某イラストレーター氏は
そこが納得いかないと言っていた。
あまりにもその“助け”が唐突すぎるというんだね。
なぜ、村人が彼を助けるのか?
その説明が提示されないから、
観る方は疑問を抱えたままとなり、
映画の急な展開についていけないというワケだ。
あの<字幕>は、むしろ冒頭に出すべきだと…。
そこからピーター・バーグ監督の演出の甘さなど、
この映画を肯定できかねるという意見が続いていった」

----えいもそうニャの?
「いや、ぼくは逆の意見。
そのとき、マーカスも
なぜ、村人が彼を救出したのか、
その理由は分ってはいない。
もしかしたら、
自分は売られてしまうのでは?という恐怖…。
もし、ここで観客が
村人が彼を助ける理由を知っていたら、
映画を冷静に客観的立場から観ることになり、
その“恐怖”を共有することにはならない。
兼ねてから話しているように、
ぼくは映画を観るときは劇中に自分が入り込みたい方。
その観点から言っても、
この手法は納得がいったな」

----う~ん。
それでも理由が知りたいニャあ。


フォーンの一言「映画の観方はひとそれぞれなのニャ」身を乗り出す

※映画の最後に、ピーター・ガブリエルがカバーしたデビッド・ボウイの名曲「ヒーローズ」が流れる度
コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

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