ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『トータル・リコール』(コリン・ファレル版)

2012-08-04 12:16:41 | 新作映画
(原題:Total Recall)


----これって、あのシュワちゃん主演のSFのリメイクだよね。
観る前まで、あまり期待していなかったようだけど…。
「うん。
予告編を見ても、前作と似たようなシーンがたくさんあるし、
おまけにナレーションの雰囲気までそっくり(な気がする)。
シュワルツェネッガーのイメージも強烈だし、
なぜ、わざわざ、
しかもアクの強い
コリン・ファレルで作りなおすのかがよく見えなかったんだ」

----でも、意外に満足しているようだけど…。
「うん。
やはり映画は観てみなくては分からない
(この言葉、このブログ始めてから何回使ったことか…)。
まず、前作の後半で舞台の中心となった火星、
これはまったく出てこない。
厳密に言うと、リコール社の人工記憶装置の話の中に、
ちらっとは、出てくるけどね」

----ええっ。じゃあ、話がまったく違ってくるよ。
「いや、それでも大筋は同じなんだ。
最近、同じような悪夢に悩まされているダグが
人工記憶センター、リコール社で諜報員の記憶を希望する。
ところが、装置が作動した瞬間、警官たちが突入して彼を襲う。
ダグの身体はなぜか勝手に反応。
警官たちを全滅させてしまう。
呆然としつつも追手を振りはらって家に帰ると、
やさしいはずの妻ローリー(ケイト・ベッキンセール)が…」

----確か、前作ではその妻を
シャロン・ストーンが演じたんだよね。
これをステップに次の『氷の微笑』で一躍スターに…。
「そうそう。
彼女の意外な正体が判明したあたりから
あの映画はオモシロくなっていくんだけど、
今回は、それ以前の警官突入シーンからノンストップで動いていく。
この映画の監督は、ケイト・ベッキンセールの夫でもあるレイ・ワイズマン
前作『ダイ・ハード4.0』に続いて、
今回も、普通の男が大きな権力の渦に巻きこまれていくさまを
実にスピーディに見せていく。
ただ、このパターンは『イーグル・アイ』でも使われたし、
そろそろ目新しさも失せてきた気がする。
ただ、それでも、以後の展開が
逃走しながら真相を明らかにしていくという
『ターミネーター』パターンなのが嬉しい。
これだと、アクションが映画の中で浮き上がることがないからね」

----ニャるほど。
「あと、
やはり未来都市の造形だね。
これは物語の主軸にも大きく関わるから、少し詳しく説明しよう。
この映画の舞台は21世紀末。
地球は最終戦争により大部分が居住不能に。
いまでは、富裕層が暮らすブリテン連邦“UFB”と、
その支配下にある“コロニー”のみ。
UFBは、かつてのヨーロッパのエリア。
コロニーは、同じくかつてのオーストラリア大陸にある。
そして、ここが画期的なんだけど、
その二つを地球のコアを貫くエレベーター“フォール”が行き来しているんだ」

----ぷっ。アを通り抜けるってありえないよ。
「だから、そこがSF。
いわゆる空想科学の世界だからね。
で、このコロニーは
あの『ブレードランナー』にも出てきたような
猥雑に満ちた香港のイメージ。
おまけに、ひっきりなしに雨が降っている。
この監督、
『ブレードランナー』がほんとうに好きなんだろうね。
映画最大の山場とも言えるカーチェイス、
それはスピナーを思わせるホバーカーで行なわれるし…。
SFへのオマージュはこの『ブレードランナー』だけでなく、
他にもいっぱい。
UFBの移動手段のひとつ、
エレベーターは前後左右ばかりか上下にも移動。
これは、あのホラー『CUBE キューブ』の高速バージョン。
もちろんポール・ヴァーホーヴェン監督の前作への目くばせもあって、
乳房が3つの女性が問う女子足り、
シュワちゃんが中に入っていた巨大女性そっくりの女性が
前回とは違う形で出てきて
観る者をミスリードしたり…」

----ふうん。それはオモシロそう。
「もちろんオマージュばかりじゃない。
この映画独自のものも…。
たとえば
主人公の手の中にはセル状の携帯電話が埋め込まれていて、
ガラス面に押し付けることで映像が現われる。
かと思えば、銀行の貸金庫は
レトロフューチャーと言えば聞こえはいいけど、
いつの年代のモノ?と言いたくなるほど古い。
もっともこれはコロニーにあるからとも言えるけど…」

----あれっ。
コロニーって貧困層の居住区域。
貸金庫があるのって少し変?
「まあ、そこはツッコミなし(汗)。
最後に俳優だね。
この映画の最大の立役者はケイト・ベッキンセール。
『アンダーワールド』で、
彼女を有名にしたレイ・ワイズマンだけあって
その引き出しをよく知っている。
まさに鬼妻という形相で
どこまでもどこまでも執拗に主人公を追い懸ける。
そのキレのよさ。
そして彼女を取られるキャメラポジションの見事さ。
画面の奥の隅にちらっとその姿が移っただけでも、
インパクトは大きく、観る者に最大限の恐怖を与える」

----そういえば、
他にもジェシカ・ビールが出ているんだよね。
「彼女が演じるのは
主人公の夢の中に現われる謎の女性メリーナ。
彼女とケイト・ベッキンセールの対決も含め、
これは一種のヒロイン・アクション
それも究極のね。
物語の方は原作ありきで
大筋を変えるわけにはいかないから、
このようなアプローチを選んだということだろね。
ということで、ここでも物語は割愛。
あとはスクリーンで観てみてね」



                    (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「キービジュアルが『バイオハザード』っぽいのニャ」ちょっと怒るニャ


『スター・ウォーズ』トルーパー風のロボット警官も出てくる度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー