今年の花見 ～黒鳥山公園～

信太山の山麓にあるこの公園は
子どもの頃には特別な遊び場で、
友達みんなの気持ちが一つになったら
遊びに行くという公園だった。

というのも、自転車の乗り始めたばかりの
子どもの頃は、おおよそ
半径１キロ以内が遊び場圏内で、
自転車に乗って村を出て、線路も越えて
遊びに行くというのは
ちょっとした冒険だったからだ。

それに、この公園の一角にある忠霊塔は
子供心には不気味なところで





奥の建物の小さな窓から
棚にどくろが並べられてあるのが見えた
とか、妖怪みたいな墓守がいるといった
不気味な噂に包まれたところだったから
怖いもの見たさの勇気を奮い起こして
行くようなところだったのだ。

それに、公園のところどころに
小さな横穴が掘られていて
昔の防空壕の跡とかも言われており
奥まで入ったら、迷路になってて
出てこれなくなるか
忠霊塔の建物につながっている
みたいな話もまことしやかに
ささやかれていたのでなおさらだった。

親たちも山の茂みも深く
ところどころにため池なんかもある
そんな信太山の一角にあるところへの遠出は
あまり芳しく思っておらず
僕らはみんな内緒で遊びに行った。
そう、いわば秘密の行動であり
そういう行動に参加することで
子ども同士の絆を深めあっていたという面もあった。

最近ではそんな横穴も
ふさがれたのか、とんと見かけることもなく
きれいな公園として整備され
近隣の人々の憩いの場として
親しまれているようです。
それに、今はいろいろと
安全面で配慮されている世の中だから
こどもがチャリで遊びに行くといっても
親にしてみれば全然普通なんだろう。

しかしねえ、ここでしみじみと
子どもの頃と違って
今はてくてくと運動を兼ねて
歩いて訪ねていくという世代になったんだなあと
思うと感慨深いものがあった。

さて、近隣では桜といえば黒鳥山
黒鳥山といえば桜というほど
ここにはたくさんの桜が植えられており
花見スポットとして
この時期は一段と多くの人の
注目が注がれるスポットとなっている。

ちなみに、遠くからこの山を眺めると
今の時期は山が桜色に染まっているようにみえるほどだ。



午前中の比較的早い時間に
訪れたので、人はあまりいなかったけど
すでに花見の場所取りは
しっかりとされてあった。





それに、この公園には
大勢の人出を当て込んで
出店もたくさん出るようで
行ったときには香具師の人たちが
準備で忙しそうにしていた。
でもまあ、こんな店がでるのも
どうなんでしょう。
イカ焼きくらいはいいとしても
いくつもお店が出るなんて
ｄｏｉｒｏｎ的にはそんなに俗されていない方が好きですね。

それにしても、公園の中はほんとに見事な桜で
花見の場所などいくらでも確保できそうなのに
あちこちに場所取りのシートが見られたのは
それだけいかに多くの人が
集まるかということを物語っている。

実際、花見の最盛期には
驚くような大勢の人出でにぎわいます。
なので、午前中の早いこんな時間に
訪れるのが、桜の声が聴けてよいかもしれません。



普通、花見といえばソメイヨシノですが
ここには様々な桜も植わっています。




樹に札でもつけてあったら
ありがたいのですが、残念ながら
しだれ桜、やまざくら、ボタン桜
くらいの区別しかつけられません。
草花はいささか造詣もあるのですが
樹木は、とくに品種となると全く分からない。

そして一通り鑑賞を終えて
帰り道にみかけた看板では
ここは本日からしばらく
ぼんぼりに明かりを入れて
夜桜見物のライトアップもするそうです。



夜桜にはまだかなり寒いかもしれません。
何せ、満開とはいうものの
まだ季節は４月になったばかり。
夜桜見物は、花冷えというには
あまりにも寒い日がまだまだ続くようです。