この熊野大社方面が見える
見晴らし台は
和歌山朝日夕日100選ですね。
見晴らしのいいところに
座って食事にしましょう。
まずは湯を沸かしてとやってますと、
ベンチに座っているお姉さんから
声がかかりました。
そこのキムタクに似たかっこいいお兄さん、
「どっから来られたんですか?」
「あ、はい今日は車で来て伏拝王子からです」
「どこまで歩かれるんですか」
「え~っとねえ、今日は大社に行って
熊野古道結願なんです」
「全部歩かれたんですか」
「あ、そうですねえ。
経路をたしたら琵琶湖から
歩いていることになります」
「そうですかあ」
「お宅はどこから?」
「私は千葉から来ています。
昨日は湯の峰に泊まって、
今日はこの古道を歩いてます」
おお~、千葉からとは
遠いところからですねえ。
千葉と和歌山がよく似た地名であることに
驚いたでしょうねえ。
この道が世界遺産なんで
きっと味わいに来はったんでしょうねえ。
外国人といい、関東からの人といい、
すっかり熊野も有名に
なりましたねえ。
途中、山道を誰にも会わずに
一日かけて超えてきた日も
あったりしたので、
まさかここがこんなに大勢の
人でにぎわっているなんて
全く予想もできませんでしたね。
おっ、湯が沸きました。
今日のご飯はおにぎり二個とみそ汁です。
う~ん、外で食べる飯は最高ですねえ。
幸せにしてたら、
さっきのお姉さんが出発していきはりました。
「気を付けて~」
さあ、ではdoironも片づけて
最後の坂道を下っていきましょう。
階段になった急な坂を下っていきますと、
元の道に合流します。
道標の数値も「74」まで来ました。
この道標もあと一つですねえ。
古い石像があったり、
昔の石畳の道があったり、
紅葉が輝く道を下っていくと
やっと住宅地に出てきました。
この住宅地の先に見えてきた山が、
もう熊野大社の敷地内です。
でも待てよ、
もう一つ王子があったはずです。
どこかなあと思いつつ歩いていくと、
おお~滝尻王子から続いてきた
番号道標の最後の一つ、
75番の道標がありました。
そしてその前にあったのが
「祓殿王子跡」です。
資料によっては「祓所王子跡」
とも言われています。
熊野大社のすぐ横で、
昔は古道を歩いてきた人が
ここで旅の汚れを払い、
心身をきわめたところですね。
doironもここにしっかりお参りをして、
服装を祓い、
さあいよいよ熊野大社の中へと
入っていくことにしましょう。
古道を歩いている間に
4人の親と愛犬を亡くし、
いまは夫婦二人でひっそりと
家を守っています。
でも4人の親は最後の最後まで
看取ることができましたし、
愛犬も腕の中で静かに
なくなっていきました。
なので、寂しいということもありますが、
やるべきことを
ちゃんとし終えたという
気持ちもあります。
熊野を歩いているときは、
自分が命の縁を歩いたという記憶も相まって、
人生の中で命の重さを
しっかりと感じた年月でもありました。
それが僕にとっては
熊野の再生信仰につながる
出来事だったんでしょう。
熊野大社には祈る場所が5カ所あり、
それとなく順番が決められています。
まずは中央にある
スサノオノミコトの第3殿
これは来世をつかさどります。
そこから左にハヤタマノオオカミの第2殿
(前世をつかさどります)、
そして左端のフスミノミコト第1殿
(現世をつかさどります)、
そして右へ移り
アマテラスオオミカミのあと
右端の結びの神・払いの神を
お参りします。
しっかりと祈った後です。
その時にまた不思議な出来事があったんです。
こういうことはたまにあります。
親父の葬式の時に流れた天女のような雲、
伊勢神宮に参ったときに
急に吹いた突風で幕が
跳ね上がったこと。
なんか不思議な力を感じる出来事でした。
今回起こったそれは、
それぞれに順番通りに参って、
山門のところで社殿全体を
見渡した時に起こったのでした。
とても不思議な雲が突然表れていました。
それがこれです。
一本の線の両側に、
羽のように舞う雲の姿。
神々の石が空に浮かんで
漂っているようでした。
あんな羽根のような雲は
初めて見るものでした。
今も、そしてこれから先も
doironは変わらず一生懸命
生きていくでしょう。
それをまるで励まして
くれているような素晴らしい雲が、
この熊野の答えなんだと
教えられたような
気がした結願の日なのでした。
今回はこんなコースを歩きました。
ここまでdoironの
熊野古道シリーズを読み続けてくれた皆さん、
といってもこんな邪魔臭いブログを
全部読んだ人はいるかなあ。
まあ、そんな皆さんのご健康を祝し、
このシリーズを一旦終えましょう。
でもこの後も速玉大社、
那智さんも行く予定ですし、
湯の峰温泉にも絶対入りに
行きたいと考えてますので
その都度紹介していきましょう。
熊野のご愛読、ありがとうございました。