ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

熊野古道 結願の日2

2016年12月15日 21時57分33秒 | ウォーキング

ふうふうと坂道を上がってきて
ようやく伏拝王子のところに
たどり着いたのですが、
実は前回車に乗せてもらったのは、
そこを通り過ぎてもう少し
発心門側の先のところだったので、
とりあえずは道をつなぐために
そこまで行っておきましょう。

道は高台を通っていますので
景色はなかなかのものです。
この日は天気も良かったので、
右手には果無山脈が見えています。



果無(はてなし)とは面白い名前ですねえ。



行けども行けども
果てしなく山道が続くようで、
北アルプスとかよりも
ずっと奥深い山のような気がします。

和歌山、奈良の県境の山々で、
ブナ林やシャクナゲなどの
高山植物の宝庫らしいです。

ここから見るとちょうど
中央手前にある山が、
この山脈の「地元富士」と呼ばれている



「百前森山」。

見ていなかったんですが、
案内によると連続ドラマ
「ほんまもん」に何度も出てきた
山のようです。

なおも、発心門の方へと
戻るように歩いていくと、
やがてこんな畑のところに
出てきました。



そう、ここが前回あの車に
乗せてくれた男の人が
働いていた場所です。

またいてはったらあの時の
お礼を言おうと思っていたのですが、
残念ながら無人でした。

で、ふと横を見ると、
こんな小さな地蔵さんが
立っています。



いやあ、あのとき暗くなりかけた山道で、
不安におびえるdoironを
あんなに親切に草刈り機の
のこぎりと闘いながらでも
道の駅まで送ってくれた男の人は、
もしかしたらこの地蔵さんだった
のかもしれませんよ。

たぶん、空海や役行者が
地方を錫杖した時には
こんな逸話を残していくに
違いありませんな。

そこでまあまた道がつながりましたので、
道をUターンして
大社方面に向かって
歩き始めましょう。

すると左側に「伏拝王子」へ
と向かう山道がありますので
カキの木を見ながら



入っていきます。



左手に大きな休憩所が見えてきました。
昼も近いので大勢の人が休んでいます。



いやあ、こんなにたくさんの人が
熊野古道にいてるのは初めてです。

おっ、ここでは湯の峰温泉の
温泉水で入れた
「温泉コーヒー」なるものを
売っています。



いやあ、どんな味でしょう。
めちゃ興味がわきましたが、
何となく敬遠してしまいました。

そんな休憩所の右に
「伏拝王子」への登り口がありましたので、
入っていきましょう。

これが王子の石碑。

そしてその横には
和泉式部の供養塔がありました。



あの堺に「和泉式部宮」がありましたねえ。



このとき和泉式部に関連して
こんな話があります。

伏拝王子まで来て
さあいよいよ熊野大社にお参りだ
というときに彼女は生理になったそうです。

そもそも昔はこういう血の絡む
女性は嫌われておりました。
そのため和泉式部は

「はれやらぬ 身の浮雲の たなびきて 
月のさわりと なるぞかなしき」



とうたったそうです。
こんな身では熊野に参れぬという嘆きです。

するとその夜式部の夢の中に
熊野権現が表れて
「もろともに 塵にまじわる 神なれば 
月のさわりも なにかくるしき」とうたい、
参詣が可能になったということです。

まあ、たぶん熊野比丘尼などの
熊野古道のことを歩いて
知らせまわる人々が
こういう話を織り交ぜて
熊野権現のありがたさを
解いていったんでしょうねえ。

さあ、これであと
大社までに参る王子は、
たった一つ。

「祓所王子」のみとなりました。

そこへ向かっていきましょう。

休憩所のほうへと
降りていきますと、
その道に赤い小さな花が咲いていました。



これはキチジョウソウです。

ちょっと珍しい花ですね。

で、この道ではもう一つ有名な
花が咲きます。

それが「キイジョウロウホトトギス」です。



もう季節的に花は終わっていましたが、
こんな種をつけていました。



続く。