親父は部類の読書好きで、
これまで買いためていた本は、
本棚に入りきらず
衣装ケースの中に詰め込んでいます。
それをたまに引っ張り出してきては
車いすに座って読んでいるのですが、
最近はとみに目も悪くなり、
大きな虫眼鏡で読んでいるから
なかなか進まないようです。
92歳という年齢を考えると、
ためてある大量の本を
すべて読み切れるかどうか微妙なところです。
そんな親父のもう一つの趣味に
歩くことがあります。
つい3年前くらいまでは全然平気に歩いていたのですが、
ここにきて車いす生活になり、
建物の中も車いすで移動するようになっています。
そうすると一気に脚の筋肉が落ちるもので、
靴下をはかせたりするときの脚は
どんどん細くなっていき、
その衰えの速さに驚かされました。
歩けなくなる→筋肉が落ちる→ますます歩けなくなる
の悪循環です。
介護はたいてい一気にやってくるもんですね。
そんな親父の本箱を先日整理していた時に
こんな本が出てきました。
2007年の初版本だから
7年前に出版された本です。
その頃は親父も普通に歩いていたし、
友達と歩きに行ったりもしていました。
一方doironはというと
まだその頃は、ガシガシと走ったりしていたので、
歩きに一緒に行ったことはありません。
今思えばちょっぴり残念ではありますが、
最近見事に親譲りの趣味に高じているところを見ると、
歩きの趣味は知らず知らずのうちに、
遺伝伝授されていたようです。
恐るべし、DNAの陰謀です。
親父はもう普通には歩けなくなっているから
そんな本は不用だろうということで、
これはdoironが頂戴することになりました。
みると、本には付箋がいくつか張られてあります。
そのページをあけて見てみると、
あ~、たしかにここには友達と歩きに行ってたなあ
と記憶がよみがえってきました。
あちこちに折りしわもあって、
付箋のないページもきっと
歩きたかったのに違いないでしょうが、
夢をかなえるのは多分もう無理でしょう。
仕方がない、doironが引き継いで頑張りましょう。
なんてことを考えながら、
パラパラとページをめくっているときでした。
付箋が張られたあるページに目が止まりました。
そこには、巡礼街道を歩いて
宝塚に向かうコースのことが
書かれてあったのです。
宝塚と言えば、そうdoironの第二の生誕地です。
そこに向かって巡礼の道を行くとは、
よくできたコースではあります。
それを読んでいるうちに、
親父も歩いた中山寺、売布神社、清荒神をめぐって
宝塚にいたる約10キロのそのコースを
ぜひとも歩いてみたくなったので、
世間でいうGW最終日に
歩きに行くことにしました。
中山さんは、安産祈願でよく聞く神社だし、
売布神社も先日のカニカニツアーの時に行った
丹後の売布神社との関連も気になるところです。
清荒神は、元気な頃両親が毎年正月に
お参りに行ってたところです。
多分子供の頃に連れ行かれたような記憶も
うっすらあるのですが、
大人になってからは、
いずれも行ったことがない神社仏閣なので、
初めていくところと言ってもいいでしょう。
今度そのあたりを歩きに行くねん
とジダンにいうと、
「中山さんの『宝乃湯』がおススメですよ。」
と教えてくれたので、
その風呂がゴールとなるように
宝塚から逆コースで歩いてみることにしました。
親父がかつて歩いた巡礼街道。
今はもう友達とそこに歩きに行ったことすら
記憶にないようです。
では、息子のdoironが歩いてみたら、
果たしてどんな歩行になるのでしょうか。
では行ってみましょう。
次回に続く。