雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

日本橋本石町やさぐれ長屋

2014-05-27 20:03:03 | 

宇江佐真理著"日本橋本石町やさぐれ長屋"を読みました。
弥三郎店と呼ばれる長屋に住む人々を描いた話です。
弥三郎店をもじってやさぐれ長屋といわれたりします。

"時の鐘"
弥三郎店の住人の大工の鉄五郎の話です。
旭屋という莨(たばこ)屋に娘がいるようになりました。
ぽんぽんと言い返してくる娘です。
家の借金のため結婚しましたがすぐに離縁され親戚の
莨屋で働くことになりました。
鉄五郎と莨屋のおやすが結婚する顛末です。

"みそはぎ"
おすぎの話です。
居酒屋で女中をしながら今でいう認知症の母親の看病を
しています。
隣の家の左官職人の喜助も病気の母親をかかえています。
喜助が一人合点でおすぎが結婚を承知してくれたと
思い込みます。
喜助の母親もすでに嫁のつもりで洗濯を押し付けて
きます。
困ってしまったおすぎです。

"青物茹でて、お魚焼いて"
錺職人の茂吉の女房おときの話です。
茂吉は浮気をして家を出て行ってしまいました。
おときは居酒屋で女中をして子供たちと暮らすことに
なりました。
居酒屋で呉服屋の尾張屋の番頭の忠助と親しくなります。
上方の本店からやって来た男でいっしょに上方へ行か
ないかと誘われます。
すっかりその気になったおときは子供達をむりやり
奉公に出したり、弟子に出したりしました。
しかしこの話には裏があり…

"嫁が君"
駕籠舁きの六助と女房のおひさが長屋に引っ越して
きました。
六助は駕籠に乗りながら料金を払おうとしなかった
武士と争いになって人足寄せ場に送られました。
鉄五郎が仕事で長く家を空ける事になりました。
おひさは家を荒らすねずみに困り果てていました。
長屋のおかみさん達が貸してくれたねずみ捕りを
仕掛けてねずみ退治に手を貸してくれたのは六助です。

"茸屋町の旦那"
ながやの一人暮らしの年寄りのおすがの家に16歳の
若者の幸助が暮らすようになりました。
昔おすがが女中をしていた芝居茶屋の息子だといいます。
幸助の母親は妾で妻が亡くなった後、家に迎え入れ
られています。
男の子は幸助だけで跡取りですが先妻の娘たちが
嫌がらせをします。
父親はしっかり商売をしていますが態度がなよなよしく
そのことも嫌がっています。
幸助の話です。

"店立て騒動"
弥三郎店の裏は広い敷地を持つ医者の家の庭になって
います。
長屋が医者に売られ取り壊されることになります。
追い立てらればらばらになることを悲しみながら
それぞれ行き先を探します。

江戸時代の長屋に住む人たちの生活を描いた物語です。
最期がどうなるかは読んでください。

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