書く仕事

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「キケン」有川浩

2017年01月14日 17時49分01秒 | 読書
「キケン」有川浩



ある電気系大学の,男ばかりの「機械制御研究部」略してキケン,というクラブ活動でのエピソード集.

熱くて男臭くて,なおかつ切ない青春の日々.

この部活のOBである元山君が,10年後に,結婚した妻に思い出話として語る形式になってます.
まあ,ライトノベルという範疇でくくってしまう人もいるだろうけど,それでは余りにもったいないほど面白い小説でした.

女子にはちょっと分かりづらい面もあるとは思うが,おそらく理系男子の99%はこんなもんですよ.

彼には,思い出を熱く語りつつも,ある理由があって母校を訪問することは躊躇していたのですが,思い出話が終わった後,妻から背中を押されて,二人で学園祭に行ってみることになります.あることを恐れながら...

そしてなじみの教室の黒板で,ある「落書き」を発見するのです.
それを見て,泣きそうになる.
私も読んでいて,ん,これはまずいと思いました.涙がこぼれたらどうしよう.電車の中でしたのでね.

青春は90%の「夢中」と10%の「涙」でできています.

理系男子のカレシが欲しい女子学生の皆さんにはお勧めの一冊です.

読み終わって気付いた,
有川浩(ありかわひろ)さんは女性ですので,もしかしたら,小説中の妻が有川浩さん自身で,夫から聞いた話からヒントを得て小説にしちゃったのかも.