書く仕事

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「真夜中のマーチ」奥田英朗

2020年02月01日 22時28分21秒 | 読書
「真夜中のマーチ」奥田英朗


奥田英朗さんの小説は結構読んでるなあ.
「町長選挙」「インザプール」「空中ブランコ」の伊良部医師シリーズ3部作の他,「マドンナ」「サウスバウンド」「沈黙の町で」の計6冊読んでます.

この「真夜中のマーチ」の主人公はヨコケンこと,横山健司クン25歳.一応イベント会社の社長ということになっているが,実態は出会い系パーティの元締めと,金に困った女の子にアダルトビデオの出演を斡旋するような汚い仕事で食つないでいる.
ある程度の収入はあるが,一生遊んで暮らせるほどの儲けはなく,やくざとの付き合いもあって,余計な金もかかる.
そんな健司クンに,ひょんなことから一獲千金のチャンスが訪れる.
偶然,知り合いのやくざが密かに開いている賭場を目撃し,しかもその部屋の金庫に売上の数千万円が納められていることを知ってしまったのだ.
このお金を密に狙うのだが,犯行がばれてはやくざに殺されるので,完全犯罪にしなくてはならない.
そのために,必死に知恵を絞る健司クン.
ようやく練り上げた計画をまさに実行しようとしたとき,,,,,
あとは読んでのお楽しみ.

他の作品にも共通するのだが,奥田さんの小説は,主人公が真面目というか,一本気な性格で,それとは正反対で掴みどころのない狂言回し的かつ重要な役どころの人物が出てくる.
このお話にもそれに当たる三田総一郎クンという商社マンが出てくる.この三田君が実に面白い.
彼に加え,謎の美女クロチェ嬢が出てきて,ハチャメチャ・ドタバタの痛快犯罪ノベルとなっている.