書く仕事

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2019年に読んだ本

2020年02月08日 18時36分23秒 | 読書
2019年に読んだ本は下記の21冊です.

1 「ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~」三上延
2 「レアケース」大門剛明
3 「QJKJQ」佐藤究
4 「感情的にならない本」和田秀樹
5 「猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷」小路幸也
6 「よろずのことに気をつけよ」川瀬七緒
7 「真犯人」翔田寛
8 「あわせ鏡に飛び込んで」井上夢人
9 「ときどき旅に出るカフェ」近藤史恵
10 「モップの精は旅に出る」近藤史恵
11 「チェインギャングは忘れない」横関大
12 「たまさか人形堂それから」津原 泰水
13 「襲名犯」竹吉優輔
14 「臨床真理」柚月裕子
15 「偽りのラストパス」生熊直樹
16 「ダンデライオン」中田栄一
17 「合理的にあり得ない」柚月裕子
18 「嫌な女」桂望実
19 「マツリカ・マトリョシカ」相沢沙呼
20 「はじまらないティータイム」原田ひ香
21 「任務の終わり」上・下 スティーブン・キング[著] 白石朗[訳]

例年に比べて,大作・話題作が影を潜め,小粒というか山椒もピリリ的な佳作が多い気がしました.
それにしても,定年退職して,自由時間が増えたはずなのに読書量は全く増えてないですな.
人間,そんなものかもしれません.
amazonプライムで映画やドラマを見る時間に取られちゃった感あり.ははは.

「向田理髪店」奥田英朗

2020年02月08日 10時53分05秒 | 読書
「向田理髪店」奥田英朗


北海道中央部,今はさびれてしまった炭鉱町,苫沢町が舞台.
そこで理髪店を営む,向田康彦53歳.

若い頃は札幌の広告会社で頑張った時期もあったが,理髪業を営む父親がヘルニアで店に立てなくなったことを機に実家を継いだ.
康彦の視点から,過疎が進み活気を失っていく地方の日常と時々訪れる事件が描かれる.

康彦は理髪店は自分の代でおしまいと思っていたら,札幌で働いていた23歳の長男,和昌が突然店を継ぐと言い出した.
どうせ,仕事が面白くないとか,出世の見込みがないとかの理由で,家でも継いでやれという魂胆ではないかと,康彦としては面白くない.
そんな,康彦と和昌の父子関係を軸に,様々な事件や困難を通して,過疎地の課題と希望をほのぼのと描いた作品.
和昌君の若さと勢いが,保守的な康彦としばしばぶつかるが,事件を通して逆に絆が深まっていく過程に心がほっこりする.

他の奥田作品とは一線を画するテイストだ.これも良い.