書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

ひどくて,つらい話

2012年10月21日 18時42分49秒 | 日記
世の中,景気もよくないし,とんでもない事件が頻発するしで,「ひどい」「つらい」という言葉を使う機会が多いですね.

その時,「ひどい」は漢字で書くと「酷い」,「つらい」は「辛い」となります.

しかし,どうも「酷い」,「辛い」は違和感を感じてしまう.

というのは,「酷い」は「むごい」,「辛い」は「からい」と読んでしまうのです.
私だけかもしれませんが...

もちろん,コンテキストからは「むごい」と「ひどい」は読みわけできます.
「からい」と「つらい」も同様です.

しかし,漢字はどうしてもイメージから入ってくるので,わたくし的には「酷い」は第1位のイメージが「むごい」,第2位が「ひどい」なんですよね.
同様に,「辛い」は第1位が「からい」で,第2位が「つらい」にイメージされる.あくまで私の頭の中の話です.

ごめんなさい.
こんなこと書いても何の情報もないんだけど,前から気になっていたことなので,つい書いちゃった.

「夏の庭」湯本香樹実

2012年10月21日 16時49分06秒 | 読書




「夏の庭」湯本香樹実

同じ小学校に通う木山,山下,河辺の仲良し3人組.

いたずら心から始めた一人暮らし老人の見張り遊び.
出だしは,「子供とは残酷なものだ」,と思わせるストーリーです.

しかし,その怪しからぬ遊びを続けているうちに,老人との間の小さな接点が線となり,面となり,やがて「交流」とも呼べるやりとりが始まる.

そして,老人にも子供たちにも変化が生じてくる.

老人は見張られている事で生活の張りを取戻し,人間らしい活き活きとした暮らしが戻る.

子供たちには老人が持っている知識や経験,そしてさりげない会話を通して,老人の哀しい過去を知り,それが子供たちの心に人生の拡がりを感じさせてくれる.

同情とも共感とも言えない何かが彼らの心を満たしていく.

人が生きていくと言う事は,たいていそれ自体がつらいことなんだ.

でもつらいことと,つらいことの間に,それらの間を満たしてくれる暖かな何かがあるから生きていける.

ストーリの随所に出てくる昭和の香りも良い.(「三丁目の夕日」に通じるものがある)

これは,良い本にめぐり合えました.

今年読んだ本では「悼む人」に匹敵する宝石かもしれない.

児童文学関係の新人賞を総なめにしてますし,10カ国に翻訳され,外国でも賞をもらってます.

新人賞なんていわず,今すぐ直木賞上げちゃえば!