私の幸福論（心理編）

もともと，幸福とは心で感じるものだから，幸福論(健康編)って，変でしたね．

で，本命の心理編．

クロ現で語られていたのは，幸福を感じる指標みたいなものを決めて，それを何年で何倍にする，みたいなことをやりたいわけね．政府が．

でも，ずれているんですよ．
その考え方だと，環境とか社会情勢とか景気とか，そういう外部要因が悪いから人々が幸福を感じられないんだ，ということになりますよね．

でも，本当にそうでしょうか．

今の日本の環境や体制に何か欠けているものがあって，そのせいで幸福感を得られないのでしょうか？

私は違うと思う．

逆説的かもしれませんが，今の日本の良いところを上げてみますよ．
①行き倒れになったり，飢え死する人がいない．
②徴兵制度がない．不本意に戦場に行かされることがない．
③この65年間，世界のどことも戦争をしていない．当然この間，戦争のために肉親を失った人はいない．
④言論の自由がある．新聞記者が記事の内容のせいで警察に捕まったという話を聞いたことがない．届出さえすれば，デモもできる．
⑤階級制度がなく，がんばって努力すれば，誰でも大会社の社長さんや総理大臣にもなれる可能性がある．

この他にも，水道の水をそのまま飲めるとか，夜中の12時過ぎて夜の街を酔っ払って歩いても安全だとか，数え上げればまだありそうです．

こんな国，世界中のどこにありますか？

もちろん，振り込め詐欺をやるような悪いやつがいるとか，東電がけしからんとか，総理大臣にリーダーシップがないとか，不満はありますよ．
でも，そのような不満はすべての国にあります．日本だけじゃない．
そうすると，①～⑤のようなすばらしい点があるにもかかわらず，なぜ，日本人は幸福感が味わえないのか？

もうそうなると，答えは一つですよね．

つまり，日本人には，幸福な環境を幸福と感じる能力がないのです．

幸福不感症といって良いかもしれない．

国民へのアンケート調査で「あなたは幸せですか？」という質問に，「はい」と答える人の割合が，日本人はとても少ない．


しかし，戦争があり，飢えがあり，人身売買がある国の方が，「はい」と答える人の割合が多いという．

私にはどうしても納得できない．

あなた方は，なぜ，こんなにすばらしい国に生まれていながら，幸福と思えないのか？

「不幸」と「不満」を取り違えていないか？

「幸福」＝「不満がない状態」と思っていないか？

マスコミが①～⑤のようなすばらしい点があることを一切記事にしないことも遠因になっているかもしれないし，その逆に，たいした不幸でもない，どうでも良いことを，さも世の終わりのように書き立ててしまうことも影響しているかもしれない．

マスコミ諸氏にとって大事なのは記事が売れ，自分の名前が売れることです．
考えてみたら，日本はこんなにすばらしい国なんです，なんて記事書いても誰も褒めてくれませんよね．

だから，マスコミには期待できない．

私たち自らが自分の幸福度を洞察しない限り，いくら景気が回復しても永久に日本人の幸福度は上がらないと思います．

これは日本という『国の問題』ではなく，日本人の『心の問題』だと思うのです．