![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/34/d6d7e96ab5f3421241f7baf94accebaa.jpg)
映画を見ようと思っていたら,図書館で原作を見つけちゃったので,こっちを先に読んじゃえ,ということで読み始めたら...止められない,止まらない.
って,いっき読みでした.
映画の予告編は,テレビやネットの動画サイトで散々見たけど,あまり原作には忠実ではないみたいですね.
別にそれはそれでいいんですけど.
両方見ようっていう気になるから興行的に有利だし.
まず,主人公が,原作では万年講師の中年男.
でも,映画では,ちょっとゆるそうだけど,女医さんの竹内結子.
バチスタ手術は,難病中の難病,拡張性心筋症という心臓移植でしか助からないと言われていた病気を,ある画期的な手術法で治すというもの.
そのバチスタ手術の天才的な名医がアメリカから凱旋帰国し,日本の病院で連続成功数の記録を打ち立てる.
ところで,最近なぜか3例続けて失敗する.
単なる偶然か,それとも???
病院長命令でその原因調査(内部調査)を,主人公の田口が開始するところから物語りは始まります.
大学病院という我々一般人からは象牙の塔にしか見えない聖域が,実に人間くさいドロドロした場所であることを暴いてくれながら,物語は進行します.
田口のとぼけた味わいと事件の深刻さとが妙にミスマッチで面白い.
とにかくテンポがいいですね.
ページがトントンと進んでいく感じ.
でも,前半は,軽い感じ.
中盤に厚生労働省のお役人白鳥が現れてから,物語の空気ががらっと変わる.
背中に冷水を浴びせられるような,切れ味鋭いセリフが飛び出します.
たぶん,田口キャラと白鳥キャラの対比がこの小説の真髄なんです.
白鳥の調査方法は,田口と全然違う.
会話の内容より,相手のプライドをずたずたにするようなセリフを浴びせかけ,その反応で,相手の真意を探る...みたいなね.
ただ,ここまでストーリーが面白いと,結末のどんでん返しも期待しちゃいますよね.
もうちょっと捻って欲しかったなあ.
正直,犯人にはがっかり.
「これだけ世間を騒がせたんだから,もうちょっと気取ってろよ.」
みたいな.
そこだけが残念.
映画も見てみたいと思います.
結末が違うらしいので.
ホントかなあ?