散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

こんぴらさん

2012-01-07 | Weblog
いったことなくて気になってるところのひとつ、さぬきのこんぴらさんに飛んでいく。羽田から
1時間そこそこ、高松空港は山の中。こんなところに空港が隠されてたとは! いや、べつに
隠してるわけじゃないだろうけどね。


うどん県になった直後

うどん県、みかん県、くじら県、すだち県……四国いいなあ! 本州じゃ改称うまくいかないよ。
りんご県、さんま県、こまち県……やればできるかもね。

いけばなんとかなるさと、ろくに下調べもせず飛行に走ったから、高松空港でどうするか迷った。
日も暮れてきたし、高松市街で一泊するのが妥当かなと思ったところへ、琴平ゆきのバスが。

「琴平には泊まるところありますか?」
と運転手さんに聞いてみると
「まぁまぁあるから大丈夫だよ!」
なんていうからバスに乗る。

1時間近く、夕暮れの道を揺られてゆく。弘法大師が残したといわれる、満濃池が見えたような
暗くて見えなかったような、ぜんぜん通らなかったような。しかし、少なくとも気配は感じた。


JR琴平駅は大正時代の北欧風建築

運転手さんが駅の手前、何百mかのところでバスを停めて、
「お客さん、ここで降りて一の橋を渡ったら、つきあたりのホテルに泊まれるから」
と教えてくれたのでそうする。まっすぐホテルを訪ねると、フロントで
「満室なんです」
と断られてしまった。運転手さん……。

金倉川ぞいに暗い夜道を歩き、うらぶれたソープ街を抜けて駅前へ。観光会館のおじさんに
空いてる宿を探してもらい、何軒かダメで、参道の入口にある温泉宿「わだや」に泊まることが
できた。急に転がり込んだわりに、部屋で食事もできて助かったよ。


翌朝、わだやを出て左へ

そこはもう、こんぴらさんの参道。御本宮までは785段、一段下がると786段(ナヤム)だから、
悩みがとれるというんだけど、いまひとつ意味がよくわからない……。


こういうの難しく考えたら負けだと思ってる

奥社まで、1368段(イサムヤ)だから、心が勇んでも登りきるには、なかなかむずかしい……
っていうけどさ、やっぱり意味よくわかんないよ。


いま何段目なのか、よくわかるようになってる

祭神は大国主命のちに大物主神とよばれ、のちに75代崇徳天皇を一緒にまつっているという。
ちょいちょい、大国主命も悲劇的だけど、崇徳天皇も讃岐に流されて憤死した怨霊じゃん!


年の日数と同じ365段めに大門(ここから境内)

崇徳天皇は戸籍の上では鳥羽天皇の子ながら、鳥羽天皇の祖父の白河法皇が鳥羽天皇の后に
生ませた不倫の子で、鳥羽天皇から見ると子でもあり叔父でもあり、「叔父子」と呼んで崇徳天皇を
それはもう、いじめたなんてものじゃないらしい。


五人百姓が飴を売ってる(朝早いので準備中)

父が甥とは気づかない崇徳天皇は、位まで取り上げられてしまい、怒り心頭に発したのかどうか
鳥羽天皇(父で甥)の死後、天皇に返り咲こうとして「保元の乱」をおこす。

平清盛が後白河天皇について、源氏にかつがれた崇徳天皇は敗れ、処刑されないまでも讃岐に
流された。ここで反省して仏教の経典を写経して、兵を供養するため都に送ったのに、呪いと
思った後白河天皇がそのまま讃岐に送り返したから、さあ大変だ。


海の守り神ということでスクリューが奉納されてるんだけど

崇徳天皇は自分で指をかみきって、これらのお経を魔に捧げる旨を血で書きつけて海に沈め、
それからは爪も切らず髪も切らず、魔物そのものみたいな姿になって憤死したとか。そのとき
叫んだ言葉が、皇を臣とし、臣を皇となさん……国を転覆させて上下を逆転させてやると。

その言葉通り、まもなく朝廷や天皇の権威は地に落ちて、もとは下賎な武士が国の頂に立ち、
明治維新まで700年も上下が逆転したままだった。


それもこれも崇徳天皇の怨霊のなせるわざ

どれだけ皇族が恐れをなしたかというと、明治天皇は即位する前にわざわざ勅使を讃岐に遣わして、
崇徳天皇の御霊を京都へ帰還させて白峯神宮を作ったし、昭和天皇は東京オリンピック開催の年に、
崇徳天皇八百年祭として讃岐の崇徳天皇陵に勅使を遣わし、式年祭を執り行わせている。


金毘羅大権現時代の金堂、旭社

そんな由緒あるこんぴらさん。あるときは金毘羅大権現となり、またあるときは金刀比羅宮となって
長年にわたり信仰を集めてきた。

「日本国の大魔縁となり、皇を取って民とし民を皇となさん」

「この経を魔道に回向す」



まるで叫びが聞こえる

一生一度はこんぴらまいり。清水の次郎長の一の子分で、あのガッツ石松の元ネタでもある森の石松は
親分に命じられて金刀比羅宮に代参にきて、帰りに待ち伏せにあって斬り殺されたとか。


こんぴら 船 船 おいてに帆あげて シュラ シュシュシュー ♪

象頭山(ぞうずさん)の山腹のこんぴらさんから海が見晴らせるというわけでもないようだけど、
いつも海のほうから象頭山を見上げることができるのだろう。船にちなんだ奉納品がたくさん。


金毘羅 み山の 青葉の陰から キララララ~♪

「こんぴらふねふね」をうたいながら、石段を上り下りしてお参りすることに昔からなっているとか、
一概にそうでもないとか……。

金毘羅船々 追風に帆かけて
シュラシュシュシュ まわれば 四国は
讃州 那珂の郡 象頭山 
金毘羅大権現 一度まわれば

金毘羅み山の 青葉の陰から
キララララ 金の御幣の 
光がチョイさしゃ 海山雲霧
晴れわたる 一度まわれば

金毘羅石段 桜の真盛り
キララララ 振袖島田が 
サッと上る 裾には降りくる
花の雲 一度まわれば

阿波の殿様 蜂須賀さまだよ
シュラシュシュシュ 私ゃあなたの
そばそばそばだよ ほんとに
金毘羅大権現 一度まわれば

お宮は金毘羅 船神さまだよ
キララララ  時化でも無事だよ
雪洞ゃ明るい 錨を下して 
遊ばんせ 一度まわれば


「 しあわせさん こんぴらさん…… 」
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