腐乱死体で発見される故人は、やはり独居が多い。
前ブログにも載せたが、独居でない珍しいケースもあるが。
「お金持ち」とまではいかなくても、一般的には誰しもそれなりの御宝を持っているものである。生命保険証券・株券・預金通帳・現金をはじめ、新型のAV機器やブランド品などである。
普段は疎遠・不仲にしていた遺族達も、こうおう時はハイエナのように集まってきて、宝探しを始める。臭くて汚い現場でもお構いなし。ビニールの簡易カッパ・ビニール手袋・マスクを着用して、人よりも先に御宝を発見すべく、欲望を剥き出しに目の色を変えて探しまくるのである。
そうなれば、身内と言えども競争相手・ライバルである。さながら、死体に群がるハイエナのようである。遺族がハイエナなら、私はウジかもしれない?が・・・(苦笑)
その無神経さには、苛立ちを覚えるくらいである。でも、これが人間の悲しい性か。
可笑しいのは、せっかく発見した「御宝」が「汚宝」になってでてくることである。
例えば、高級ブランド品に腐敗液やウジがついていると、
内心「ざまぁ見ろ」と思ってしまう。
遺族は、そういう品物を私にきれいにして欲しそうにするが、
「壊したら責任とれないし、それは私の受けた仕事の範囲に入っていないから」
と断る。
「せっかく御宝を探しに来たんだから、汚宝でも喜んで持って行けよ!」
と思う。
生前は疎遠にしていながら、本人が死んでからそそくさとやって来て、御宝だけを頂戴して帰ろうなんて虫が良すぎる。
そういう人達は、欲が強いばかりか猜疑心も強くなっている。
「死んだ故人も悔しい思いをしているかもな」
と思いながら、私は私で特殊清掃の作業に励むのであるが、その私の動きにも注目してくる。
私は、故人の御宝を盗んだりはしないよ。汚い仕事はしていても、心までは汚したくないと思っているから。
トラックバック 2006/06/08 投稿分より
ずっと読ませて頂いてました
汚い仕事をしていても心は汚れたくないという気持ち分かります
私はぶっちゃけ風俗ですが
全然異種ですがいつもそんなふうに思っています
大変だと思いますが体に気を付けて頑張ってください
毎日とてもためになる話が聞けて感謝してます!
今回の話もいろいろと考えさせられますね。
おそらくそういう人間は一部とはいえ、
なんか悲しい気持ちになってしまいます・・・
こういう人が一人でも少なくなるといいのになぁ。
自分の周りにはそんな人間いないと思いたいけど、実際死んでみないと
わかんないすね。だれがどんな本性さらしてくるか。
少なくとも自分は故人の死を純粋に悲しむ人間でありたいと思った。
自分にはとうてい務まらん…。
死体の処理は、鳩と猫、後飛び込みをした後処理くらいでしょうか…。私もブログを作ろうかと思う今日この頃です。
ブログできたら教えてくださいね。
きっとこういう人間は、自分のことは置いといて、人のことを汚いとか言うんだよね。見てると腹がたつというより、あきれてしまいます。管理人さんも縲さんも、同じように他人にあんま理解されない仕事している自分も頑張ろう
実は、知り合いが亡くなって3ヵ月後に発見されるという事件がありました。
お線香をあげたいと思い、その部屋の前まで行く途中で、すでにかなりの腐敗臭がして…その人が身につけていたアクセサリーを警察に確認の為、見せられた知人は、変色した石や金属にショックを受けたそうです。
あれから2年程たちますが、部屋は家具等そのままなんだそうです。(市営住宅)
近くを通ると、かすかにアノ匂いがします…。
今回のはなんとも言えない人間の業みたいなものを感じ、いたたまれない思いです
何はともあれ管理人さん頑張って下さい