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時悠人chosan流処世術

★企業ブランドとモラル

2006-07-17 09:54:10 | 日記・エッセイ・コラム

 パロマのガス瞬間湯沸かし器で、一酸化炭素中毒事故が相次ぎ、85年以降15人が死亡した問題は、簡単に葬り去られてはいけない。自社の製品で死者が出ているのに、「事故は、修理業者の不正改造が原因だ」と他人事のように言い、利用者に知らせようともしなかった企業姿勢に怒りをおぼえる。

 最近、トヨタの部長らがリコールを怠ったとして書類送検されたが、さきの三菱自動車のリコール事件の場合も会社ぐるみで隠蔽しようとした。いずれも、人命にかかわる事業を営む大手企業としてのモラル欠如が原因だ。

 いずれも、業界の大手だけに企業ブランドとは何かを真摯に問い直して貰いたい。ブランドに対する信頼感は、ファッション業界なら個人の趣味・嗜好で評価する要素もあるが、こと人命にかかわる商品に関しては、安全が最重要事項のはず。

 一方、石油温風機で事故が発生した松下電器産業は、昨年暮れ以降、マスコミ媒体をフル活用していまもなお回収を進めている。しかも、当該商品は、耐用年数切れの古い機種で、とっくに廃棄処分になっている可能性が高いものだ。テレビCMを観るたびに、「もういい加減に止めても良いのに」と何度思ったことか。同時に、松下電器の創業者の精神が浸透しているのだと感銘を受け、我が家の電化製品は、今後すべてナショナルに切り替えることに決めた。

 企業が事故防止に努めるのは当然だ。が、いったん事故が起きた後、どう対応するか。消費者はそれを見ている。顧客の視点を忘れた企業は確実に衰退するというマーケティングの基本姿勢を見失って欲しくないものだ。