カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『疾風ガール』・『ガール・ミーツ・ガール』誉田哲也 光文社文庫

2012-05-04 16:48:43 | 番外
『疾風ガール』・『ガール・ミーツ・ガール』誉田哲也 光文社文庫
 二冊シリーズの一挙再読。女性ミュージシャンを主人公とした青春小説。主人公の夏美はギタリスト。元ベーシストで現在は芸能プロに勤める宮原は彼女の才能に惚れ込む。スカウトしようとした所で、バンドのヴォーカリストが自殺。その故郷を二人で捜し求める旅に。そんな中で、夏美の人生も明らかになっていく…。宮原がミュージシャンを辞めるきっかけが島谷るりという女性シンガーの登場であった。後者では夏美とるりとの物語。全く違う人生、それが交錯することで生まれる物語。宮原の芸能プロの専務にして元ミュージシャンの梶原、スタディオ・ドラマーのゴンタ、ピアニストのガク。脇がしっかり固められていて、面白い。青春小説っていいよなって前にも書いた。☆☆☆☆ほ。

『オマワリの掟』鳴海 章 実業之日本社文庫

2012-05-03 14:10:26 | 番外
『オマワリの掟』鳴海 章 実業之日本社文庫
 舞台は北海道、帯紐警察署である。地域課でPCの乗務員、坊条と平の暴力と平和コンビ。彼らを始め、刑事、生活保安課など様々な警官達が登場する6つの物語からなる。警察官目線というの、不肖宮島氏の解説からも伺われるが、少々、何だか気分。☆☆☆。

『ギフト』日明 恩 双葉文庫

2012-05-02 22:09:30 | 和物
『ギフト』日明 恩 双葉文庫
 警官、消防士の日明、ここでは元刑事の登場。ある事件で刑事を辞めた須賀原。彼がバイトするビデオ店にやってくる少年。彼には何か、が見えるという。それが死者。想いを残してこの世に残る念、これを時に晴らし、時には謎を解き明かす。ちょっと不思議な物語。☆☆☆。

『おやすみラフマニノフ』中山七里 宝島社文庫

2012-05-01 21:32:46 | 和物
 ピアニスト岬洋介シリーズ第二作。シリーズの第二作というのは難しい。作者の力量がここに現れるとするならば、中山七里、大したものだ。名古屋の音楽大学。主人公はそのヴィルトゥオーソ科でヴァイオリン専攻の四年生。ヴィルトゥオーゾとはイタリア語で「音楽の名手」。プロを目指す学科。音大の学長は老齢ながら日本で最高のピアニスト。ラフマニノフの名手として知られる。定期演奏会で選抜オーケストラは学長のピアノと共演し、ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番を演奏するという。そこに事件が起こる。大学が所蔵する2億円のストラディバリウスのチェロが保管庫から消えた。学長のために作られたスタインウェイのピアノがダメにされる。さらに脅迫メールが。前作の出来事が時折、垣間見えることも面白く、そしていくつかある演奏シーンではその枝葉が見事な繁りとなっていく。実に上手い。そして謎解きも、意外性があって、人間があって、少々褒めすぎかもしれないけれど、第一作、第二作と読み進めていくべきものと痛感。☆☆☆☆☆とした。読むのを勧めてくれた人に感謝です。