カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『旧友は春に帰る』東 直己 ハヤカワ文庫

2012-05-14 22:12:42 | 和物
 ススキノ探偵シリーズ第九作、なのかな。暁の次。あのモンローが帰ってきた。かつて20代の頃、ススキノで同じ時代を生きたモンロー。かつての事件の後、沖縄に行った。それが帰ってきた。四半世紀という時はいろいろな意味を持つ。東直己はうまく作品の時代を持ってきたな。ユーミンがいつまでも「若者」の歌を歌っても、それはそれでかまわない。でも、50代の人生を絵画的に描いてもいいじゃないか。「俺」はデブになり、それでも便利屋で、それでもって不思議なこだわりを持ち続け、ケータイは持たないがネットカフェでネット検索から情報を取る。それでもススキノの同じ時代を生きた女のために、動く。沖縄ヤクザが絡み、桜庭に代わって越前という新たなキャラが登場した。警察官も元のつく種谷に加えて、茂木というキャラも登場。じーんと来て、それと新たな展開の香りが出てきて、何だか楽しみだ。☆☆☆☆☆。