東洋新聞社会部デスクの安芸。彼のまわりには安芸組という記者たちが集まる。親会社アーバンテレビがIT企業に買収をかけられる。IT企業、イナクティブはアーバンテレビが持つ東洋新聞の株を買い取ることを条件に買収から手を引くという。自分たちの新聞社が買収される。紙の新聞は時代遅れとするIT企業からの買収に動揺が走る。時代は確実に新聞の力を奪いつつある。最近では週刊誌の方がよほど権力の監視機能を持っている。即時性でテレビに、そしてネットに負けた新聞に未来はあるのか。新聞記者に期待するというのは著者の心情であろうが、読んでいて、どうしても新聞の未来を描くことができなくなった。☆☆☆☆。