カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『暗殺のハムレット ファーシングⅡ』ジョー・ウォルトン 創元推理文庫

2020-12-31 21:08:00 | 洋物
 再読シリーズ。第二次世界大戦でイギリスがナチスドイツと講和したという設定の歴史改変モノ。政治派閥「ファーシング・セット」を巡る物語の第二弾。今回の語りは貴族の娘で女優のヴァイラ・ラーキン。そして第一作から続くスコットランド・ヤードの警部補カーマイケル。徐々にイギリスはファーシング・セットによる自由圧殺の中へ。大陸ではユダヤ人弾圧が進むが、イギリス人にとっては対岸の…。しかし事態はどんどん進んでいる。男女入れ替えての演劇が流行し、ヴァイラはハムレットの役のオファーを受ける。その日に、同じ舞台に上がることになっていた女優が爆死。そこから事態は回り始める。イギリス貴族の世界、アイルランドとの関わり、舞台の世界。いろいろな世界が映像のように伝わってくるのですよ。この本、今、我々が読まなければいけない本ではないか。絵空事、小説の世界の出来事と言っていていいのかなぁ。☆☆☆☆☆。