キャリアから大森署署長となった竜崎伸也のシリーズ第7作。帯に「最後の事件」とあって、ええって思ったが「大森署署長、最後の事件」とあったので念のため。ある朝、私鉄がシステムダウンで止まっている様子。竜崎はITに詳しい署員を所轄外の駅に走らせる。そしてさらに銀行のシステムもダウン。その情報収集も命ずる。一方で札付きのワルだった少年がリンチ殺人に。その捜査が行き詰まっていく。捜査本部にやってきた伊丹刑事部長から異動の噂を聞く。そこで自身が動揺しているのに驚く。例によって、竜崎ペースとそれに抵抗を覚える「カタキ役」。そしてかつての「カタキ役」が竜崎派として登場したりと面白い。戸高は相変わらず、再び登場の少年係の根岸はもうひと頑張り欲しいななどと思いながら読み進む。竜崎伸也の成長物語、殺人事件は少々無理筋もあるが、意外な展開を示してくれて。今作も楽しめて☆☆☆☆。最後のシーンは涙出るね。そうそう、次作、単行本はもう出てましたね。