警視庁警察学校の1153期。それが題名の由来。なお警察学校ではクラスにその担当教官の名が冠して小倉教場と呼ぶという。警視庁の守村教場で担当教官である守村の死体が発見される。百合は府中署勤務の女性刑事。警視庁捜査一課の刑事を目指す。捜査一課の五味は守村と小倉教場の同期。明敏な洞察力で自殺として済まされそうだった守村の死を捜査の俎上に、立ち上がった帳場では百合を相棒として捜査を進める。現在の守村教場、そして五味、守村らがいた小倉教場の時代とを行き来しながら物語は進む。教場という特殊な世界での人間のうごめきが、大きな渦となっていく。長岡弘樹の教場小説よりも教場のどろどろ感が強く、より人間臭いのか。ミステリーとして、小説としての出来はまだまだで、☆☆☆ほ。