カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『生、なお恐るべし』アーバン・ウェイト 新潮文庫

2012-02-10 23:12:29 | 洋物
 「どえらい小説だ。仮借なきテンポと流麗な語り。…」スティーヴン・キングと帯にあった。シアトル生れのウェイトのデビュー長編。主人公は54歳のハント。牧場で馬の飼育をしつつ麻薬の運び屋としてカナダとの国境を行き来する。若い頃に殺人で刑務所に。刑務所を出たての若者を連れて馬で山中へ麻薬の受け取りに。保安官補のドレイク。父は保安官であったが、麻薬の運び屋で服役中。道に止められていた車を見つけて山に入る。調理師という男グレイディ。狂気の男。ナイフセットを持ち歩き、自動小銃AR15、仕込みナイフを駆使する。そしてベトナム人。視点がころころ変わり、場面は加速度を増す。主人公と保安官補の内面が興味深い。題名がちょっとなですが、確かに「仮借なきテンポ」で後味は悪くない。☆☆☆☆