『利休にたずねよ』で直木賞をとった山本兼一の作品。最近、映画化されて話題になっている。新聞で、「小説では父と子との関係が大事だが、映画では娘…」とあった。確かに、信長、その周辺の人物として、宮大工の棟梁。番匠の岡部又右衛門が主人公。信長とともに成長する物語という部類に属す。安土城築城、その総棟梁となる又右衛門。息子には厳しく、両者の葛藤という物語もある。時代小説らしい面白さで読ませる。戦いはこの時代としてはあまり出てこない。城作りという部分で書き込まれている。素直に読めて面白いのだが、人間の葛藤とかいった部分は、そこそこかなと。☆☆☆。