聖書あれこれ:ダニエルの夢解き(続々)

 
 さて、ネブカドネザル王は、夢のとおりに巨大な金の像を作り、諸種の楽器の音とともにその像を拝むよう命ずる。拝まぬ場合、ただちに火の燃える炉へと投げ込まれる、と。
 で、金の像を拝まないシャデラク、メシャク、アベデネゴら三人を、カルデア人らが悪しざまに王に訴える。

 王は憤怒して、金の像を拝むよう三人に迫り、拒んだ彼らを縛らせ、7倍熱くした火炎の炉へと投げ込ませる。
 が、三人は天使とともに火のなかを歩く。王が呼ぶと三人は炉から出てくるが、焼け死ぬどころか、髪も焦げず、火の匂いさえしなかった。

 そこで王は三人の神を讃え、彼らにさらに高位を与える。

 To be continued...

 画像は、シメオン・ソロモン「シャデラク、メシャク、アベデネゴ」。
  シメオン・ソロモン(Simeon Solomon, 1840-1905, British)

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聖書あれこれ:ダニエルの夢解き(続)

 
 あるとき、一つの夢に悩まされるようになったネブカドネザル王は、博士、法術士、魔術士、占師ら、カルデアの賢者・知者を呼集し、自分の夢を示すよう、そしてその謎を解くよう命じる。が、いずれも王の夢を示すことができない。王は憤怒し、バビロンの一切の知者を滅ぼすよう命じる。王前のカルデアの賢者・知者らは殺されてしまう。
 処刑命令を受けた王の侍衛長に事情を聞いたダニエルは、しばしの猶予を乞い、神に祈ったところ、夜の幻にて王の夢の謎が示される。

 そこで、ダニエルは王前に出、王の夢を示してそれを解く。……

 王が見たものは、巨大な、光り輝く怖ろしい像で、頭は純金、胸と腕は銀、腹と腿は青銅、脛は鉄、足の一部は鉄で一部は粘土。すると、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の足を打ち砕き、鉄、粘土、青銅、銀、金みな籾殻のように砕け、跡形なく風に吹き払われた。一方、石は大山となって全地に広がる。
 この夢の意味はこうだ。バビロニア王は諸王の王であり、金の頭だ。その後に、より劣る国が立つ。次に、第三の青銅の国が全世界を統べる。第四の国は鉄のように強く、破壊を重ねる。その国は一部は強く、一部は脆い。これら王たちの世に、神は一つの国を興す。この国は永遠に滅びることなく、諸国を打ち滅ぼす。

 (金はバビロニア、銀はペルシャ、青銅はマケドニア(ギリシャ)、鉄と粘土はローマの各帝国を指すと言われる)

 王はダニエルに伏拝し、彼をバビロン全州の総督および神官長とする。ダニエルはシャデラク、メシャク、アベデネゴを行政官にしてもらい、自らは王宮にとどまる。

 To be continued...

 画像は、作者不詳「預言者ダニエル」(部分)。

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聖書あれこれ:ダニエルの夢解き

 
 「聖なる予言」の出だしが「ダニエル書」の引用だったので、調べ直してみた。

 ダニエルは、旧約聖書「ダニエル書」に登場するユダヤの預言者。紀元前6世紀、ユダ王国の都エルサレムがバビロニア王ネブカドネザルによって陥落した際、捕囚としてバビロンに移った。
 夢を解くことができ、バビロニア、メディア、ペルシャの王宮に次々と仕えて重用された。また、自身も幻を見、終わりの時(=キリスト再臨に先立つ苦難の時期)についての啓示を得た。バビロンでの名はベルテシャザル。

 古典画において、裸婦を描くための格好の主題として取り上げられた「スザンナの水浴」。このスザンナの無実を晴らしたのもダニエルで、このため彼は裁判の守護聖人とされている。

 以下、備忘録。

 バビロニアの王ネブカドネザルは、エルサレムを陥落させた際、神殿の祭具とともに、王族・貴族のうち、健康で美しく、知恵、知識、思慮のある若者を選び、都バビロンへと連れ帰る。カルデアの文学・言語を学ばせて、王宮に仕えさせるためだった(「バビロン捕囚」)。
 そのなかに、ダニエル(ベルテシャザル)、シャデラク(ハナンヤ)、メシャク(ミシャエル)、アベデネゴ(アザルヤ)がいた。

 バビロニア王の分け与える 肉と酒とをもって己を汚すまいと誓った4人は、野菜と水だけをくれるよう侍従長に頼む。お前たちだけ粗末な食事で衰えさせては、こちらの首が飛ぶ、と躊躇する侍従長に試させたところ、野菜と水だけを取る4人は、王の肉と酒を取る他の若者らよりも血色も良く、肥え太りもしたので、その食事が許される。
 3年後、王が宮廷にユダの若者たちを召し入れたところ、ダニエルら4人が抜きん出て優れていたため、彼らは王に仕えることとなる。彼らは知恵と知識においてバビロニア全土の博士、法術士よりも優れ、特にダニエルは、幻と夢とを理解することもできた。

 To be continued...

 画像は、ティソ「捕囚の群れ」。
  ジェームズ・ティソ(James Tissot, 1836-1902, French)

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