聖書あれこれ:ダニエルの夢解き(続々々)

 
 さらに王は夢を見る。バビロンの知者らにはそれが解けない。王はダニエルに夢を語る。

 大地の真ん中に一本の木があり、天に達するほど高く、強くなった。地の果てまでも見渡せ、葉は美しく実は豊かで、人はその実を得、獣はその陰に宿り、鳥はその枝に棲んだ。
 だが、一人の天使が天から降り、声高く叫ぶ。
「この木を切り倒せ。だが、根株は残して、鉄と青銅の箍をかけよ。それに獣の心を与え、七つの時を過ごさせよ。人間の王国を統べるのは神であり、意のままにこれを人に与えるのだ」

 王の夢を聞いたダニエルはしばし驚き、思い悩んだ後、夢を解く。
 大木は王自身だ。が、神の命令により、王は追われ、獣のように野で暮らすだろう。こうして七つの時が過ぎて後、王は、人間の王国を統べているのが神であることを悟るだろう。もし王がこのまま回心しなければ。と。

 一年後、王宮の屋上を歩いていた王は、この大いなるバビロンは、我が大いなる力を示すものだ、とつい口にする。
 言い終わらぬうちに、天から声が轟く。王よ、王国はお前を離れ去った、と。

 天の言葉はただちに王に成就する。王は追われ、野獣のように暮らし、ついにその毛は鷲の羽のように、爪は鳥の爪のようになる。
 七つの時が過ぎたとき、王が眼を上げて天を仰ぐと、王の理性が戻り、王国も戻る。王は神を讃美する。

 To be continued...

 画像は、ブレイク「ネブカドネザル王」。
  ウィリアム・ブレイク(Wlliam Blake, 1757-1827, British)

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