カナリアな日々

百姓になって15年目。補習塾カナリア舎はフェードアウト中。小麦、蕎麦、大豆などを作っています。

応えられない

2008-04-22 21:38:03 | つれづれなる想い

中学時代に教えていたすぐ近所のMちゃん。(20代女性)


何度目かのバイトをやめて家にいたのは薄々知っていたけれど、数カ月ぶりに突然電話が来て、今から来たいと言う。
こいけが「今から買い物で出かけるから(→これはホント)あとでね」と言って切ったのにも関わらず、数分後にはピンポン。


結局そのまま夕方まで。
家族が出かけてから、一人で何もせずにいるのが不安だということらしい。


数年前にハイテンションな時期と、うつな時期が入り交じる病気と診断されているけれど、薬はきちんとは飲んではいない。最近は受診もしていないようだ。

今までも何度も会うたびに薬の飲み方(処方された量を守ること)を言ってるんだけど、結局聞かない。


ハイテンションな時期はバイトもし、言葉も驚くほどしゃべり、服装も派手になり、寝ずに車を運転して居眠り、横転、衝突する大事故を起こしたり(奇跡的にお互いほとんど怪我なし、車大破)。


今はうつな時期なのだろう、口も重くほとんどしゃべらないし、思考力も落ちているようだ。田んぼの準備も忙しい時期だが、ほぼ何も手伝えていない。聞くとお風呂も週一回くらいとか。



どこがこの子の普通の状態なのか、実は僕もよくわからないんだけれど、時々思いついたようにうちへ突然駆け込んで来る。



翌日も朝から電話が。(こいけ不在)
お昼までね、と言って話をしようとしても煮詰まるばかり。




料理もしたことがないと言うので(大家族の長女なのだが)にわかクッキング教室にした。



何ヶ月か前も「お味噌汁くらい作ってみよう、そうすると家族も喜ぶし、家に居やすくなるのでは?」と諭したことがあったのだが、やってないので。(ご両親は彼女に外に働きに行くことばかりを求めているようだ)




一緒におみそ汁(じゃがいもむくとこから)と厚焼き卵を作って、お昼を一緒に食べて帰ってもらおうとしたら、その段になって帰りたくないそぶりを見せる。



色々忙しいからじゃ3時までねと付き合ったが、結局その時間になっても頑として帰らない。「ここが落ち着く」とか言う。



そう言われるのは本望なのだが、僕としてもいい加減疲れて来てしまう。早く帰って欲しい。生徒が来るからとか言いながら、いつまでも来ないのを知られるのもいやだ。その葛藤に悩む。



きつい言葉や「帰りなさい」と追い立てる言葉も言ったり。
でも、今までそこまで帰らないってことはなかった。だから、この子なりに追いつめられているのではないかと、やっぱりむげには帰らせられない。


で、また気を取り直して結局また夕方まで居てやっと帰らせた。




一昨日は日曜日で、家族がいたからか来なかったが、昨日はやはり昼前に突然来た。
さすがにこいけが今日はダメよときっぱり帰らせていた。




こいけと話して、家にはもう上がらせないことにした。
そして今日、庭で一人で畑仕事をやっていると、やっぱりまた。



「毎日電話もしないで来ちゃだめよ。用事があるから」と帰宅を促し、僕は家の中へ。

しかし、玄関のあたりでずっとたたずんでいる。
そのうちピンポン。
家の中から「帰りなさい」。「はい」と言いつつ帰らない。
う~ん困ったなぁ。



で、また外に出て、「きつい言い方するようだけれど、相手の都合も考えて欲しいな。毎日いきなり来て、ずっといられたら僕らも困るんだ。」と諭してやっと帰ってくれた。


後味が悪い。




僕は以前からこの子が苦手なのだ。
自分を写す鏡のようだ。



自分は、「不登校やひきこもり~」という看板を掲げながら、こういう子を疎ましく思って、そして嘘を言ってでも早く帰らせようとしてしまう、そういう器の人間なのだという現実に向き合わされる鏡。





いろんなことを思ってしまい辛くなる。