団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

福井県立恐竜博物館

2023年09月26日 | Weblog

  2泊3日で福井と富山を旅してきた。友人のNさんが福井で講演するのに便乗した。N夫妻は、18日に福井入りしていた。私たち夫婦は、20日に東海道新幹線で米原まで行って、北陸本線の特急に乗り換えて、福井に行った。福井駅でN夫妻と合流した。レンタカーを借りた。

 まず改装を終えたばかりの県立恐竜博物館へ行った。平日だったが、駐車場は満車だった。予約がないと入館できないそうだ。さいわいN夫妻が事前に予約しておいてくれたので、入館することができた。午後2時に集合することにして、それぞれの夫婦で館内を回った。館内は、別世界である。人類の起源は、おおよそ200万年前だといわれている。恐竜の起源は、なんと2億4000万年前だ。6500万年前に絶滅した。今では化石しか残っていない。

  人生たかだか100年とすれば、億年、千万年は、宇宙のように深淵な時空となる。自分の存在は、空中の塵より小さく感じる。私は、その感覚が好きだ。特にこの数年、コロナ、ロシアのウクライナ侵攻、中国や北朝鮮の不気味な動き、気候変動による災害、地震、友人知人の死去、家族の病気などで、気持ちが荒んでいる。恐竜博物館の中では、恐竜の時代にいるかのような錯覚におちいる。心配や不安が消える。錯覚できるように、館内には工夫がされている。まるで恐竜が生きているかのように再現され、鳴き声や足音や歩く振動までもが、演出されている。外の現代社会から離脱できる。それが私には、嬉しい。

  私が子どもの頃、恐竜は子供たちにまだそれほど人気がなかった。私たち団塊世代のすぐあとの年代から恐竜は、子供たちの関心を集め人気化した。それ以来人気が続いて、子供たちが、難しい言いづらい恐竜の名前をいとも簡単にスラスラ言うのを聞いた。暗記力の弱い私は、それを聞くたびにいたく感心したものだ。

  Nさんによると来年度から福井県立大学に恐竜学部が新設され、学生の募集が始まるそうだ。Nさんが東京農業大学で副学長だった時の学長が現在福井県立大学の学長をしている。進士五十八学長は、恐竜博物館や恐竜学部の創設に尽力したそうだ。郷土にこれだけの貢献ができるとは、凄い人である。

  恐竜博物館の後、今度の旅の私が行きたかった平泉寺白山神社へ向かった。前回訪れた時は、私たち以外人がいなかったが、ずいぶん観光客が来ていて驚いた。相変わらず苔がきれいだった。

  Nさんが次に日本一の大仏を観に行こうと言った。私は、自分の耳を疑った。大仏といえば、鎌倉の大仏と奈良の東大寺でしょう。福井に日本一の大仏があるとは、聞いたことがなかった。

  大師山清大寺に行った。勝山市出身の多田清氏が380億円をかけて1987年に建立したという。最初に行った恐竜博物館は、総事業費140億円だという。大仏のある清大寺は、税金の滞納によって差し押さえとなった。今は、廃墟のようになっている。

  恐竜の2億4000万年、清大寺の380億円目がくらむような数字。旅を終え、帰宅した。現実の世界に戻った。

 来年3月北陸新幹線は、福井を通って敦賀まで伸びる。そうしたら。もう一度福井に行きたいと願っている。Nさん夫婦との楽しく美味しい旅がまたできたらいい。

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