ひろポンの“わたしにも作れますぅ” 

60’sオヤジのブログへようこそ。模型、モータースポーツ、イラストなどクルマと乗り物を中心に気ままに書いていきます。

GRAND PRIX

2011-06-07 | Motorsport
ジョン・フランケンハイマーの名作“グラン・プリ”

栄光のルマンやレーサー(winning)など数々のレース映画はあれど、おそらく今後こんなモーターレーシングの映画は出来ないであろうと言われています。
この66年のMGM映画、長い間VHSの2本組みビデオが発売になっていましたが、その後待てど暮らせど日本版DVDは出ずほぼ諦めかけていたところ、DVDを飛び越していきなりブルーレイ版が発売になることに。
6/15発売だそうで現在予約受付中です。

実はアメリカ版のDVDを数ヶ月前に入手したのですが、ちょっと早まってしまったかなあ…。

私が当時観たのはロードショー公開よりすこし遅れて1年後くらい後。
京都の映画館でマカロニウェスタンと2本立てでした。通しで5時間弱。
グラン・プリは長いので途中で休憩が入ったと記憶しています。

イントロのモナコからラストのモンツアまで、ストーリーは別に大したことないけれど安易なCGとは違うレースシーンのリアリティーと迫力は、今観ても凄いと言わざるを得ません。
完璧主義のフランケンハイマー、当時のハリウッドはたっぷり予算も採ってくれてあれだけの映画を作れたと言えるでしょう。
モンツァのバンクやスパの旧コースの映像にノックアウトされました。



映画は66年の実際のシーズンの映像と映画用に撮影したシーンを巧みに組み合わせています。
著名なジャーナリストでカメラマンでもあるベルナール・カイエをアドバイザー/コーディネーターとして迎え、完璧に再現された複製F1は非常に良くできていました。

映画用にマシンを何台も購入したという記述がありますが、本当は改造F1。
当時のチームはスペアカーなど無かったので、映画用にマシンを貸し出すことは出来ませんでした。
そのため全部で15台以上のマシンをF3を改造して作ったのですが、その出来は映画を観ても判るとおりなかなかのもの。
とくにBRMやフェラーリは一見本物みたいに見えます。
ただし良く見るとエキパイや吸気マニフォールドとかに作り物っぽいところが垣間見えるのはご愛敬でしょう。

ただ本物のF1も映画用に使用していてフェラーリに仕立てた赤いロータス33が、マイク・スペンスのドライブでイギリスGPのシーンに出てきます。
ヤムラのエンジンからオイルが漏れ始めた後のシーン、一瞬赤いマシンのノーズのアップが映りますがはっきりロータス33とわかるノーズ。
一緒に観た友人とあれはロータスだ、いやそんなはずはないと言い争いましたが(笑)後にF1全史の66年のところに写真があるのを発見しました。

前後カウルを外しカメラを積んだGT40はフィル・ヒルがドライブ。
リヤエンドにトレーラーのようなフックを付けて、ここに前輪を外したマシンを連結して撮影しています。
正面からの映像はそうやって撮っていたんですね。ドライブしていた俳優はさぞ恐かったと思います。



映画の冒頭のモナコGPでヘリからの空撮で、サーティーズがポルティエで海に出てきたのを捉えたシーン。
あそこにある橋の取り払われた鉄道線路の所に、映画用のマシンがずらりと並べられているのが見えます。
GT40のトランクやコブラもあります。




スパのホテルのドライバーが集まっているシーンでは、シュレッサーやスペンス、シファートやリントらの顔も見えます。
生き残れたのは何人いるんだろう…。
日本のヤムラの監督役の三船敏郎氏もハマり役でしたね。
アントニオ・サバトの恋人役のフランソワーズ・アルディーも新鮮だったしエンツォ役の俳優もなかなか似ていた。
またきれいな画面で見直してみると,新しい発見があるかもしれませんね。



なおこの映画のメイキングシーンがYou tubeにありますよ。
非常に興味深いです、この動画DVDで欲しいかも。

YouTube - Glamour on F1 1960s








こちらはモノクロですが初めて見るシーンも多いです。
モナコで大怪我をするスコット(ブライアン・ベドフォード)が顔に傷のメイクをしているシーンもあって面白いです。

The Making of "Grand Prix" Feature Film Behind the Scenes James Garner F1 RACING