ひろポンの“わたしにも作れますぅ” 

60’sオヤジのブログへようこそ。模型、モータースポーツ、イラストなどクルマと乗り物を中心に気ままに書いていきます。

目は大切に

2024-03-05 | Illustration
目を使う仕事を何十年も続けてきたので以前から月に一回、近くの眼科クリニックで定期的に検査をしています。
そのクリニックはこの地域では評判が良いので遠方からくる患者も多く、いつも非常に混んでいるため午前中に午後からの診察予約を取りに行きます。

ご多分に漏れず加齢による白内障が入ってきて、最近少し見にくくなってきたような気もするので先生に相談したら、様子を見て日常生活や仕事に支障が出て来たら手術しましょ、と言われた。

私の友人デザイナーが2年前に手術した話をしてくれて、調子良いですよ、手術も日帰りであっという間に終わるしと言っていました。
ご存じかもしれませんが〝超音波白内障手術〟は濁った水晶体を吸引して取り除き、その中にレンズを入れるんだけど、選べるレンズも数種あります。

健康保険適用の単焦点レンズだと焦点を遠・中・近のどれかで選び、遠・中両方合う多焦点レンズだと一部が保険適用。
んでもって遠から近まで広範囲でピントが合う多焦点レンズは自由診療、つまり自己負担になるんだそうな。
これだと眼鏡が全くいらなくなる訳じゃなくて、暗いところやチッコイ字を見るとかだと眼鏡をかけたほうが良いバヤイもあるとのことですが、やはり眼鏡の煩わしさとおさらばできるのが一番の利点。

金額的な事もあるけど調べたら、デザイナーとか精密な見え方が必要な仕事の人などは多焦点レンズは見え方が合わないこともあるらしい。
友人もその点を踏まえて仕事メインで考えて単焦点レンズを選んだと言っていた。
多くの人は多焦点を選ぶらしいけど、ちなみに単焦点なら両眼で10万程とか。
私の知人は、と仁鶴とにかく今一番いいやつを!(笑)とのことで、200?くらいかけて多焦点レンズ入れましたが...........。(@_@;)

ま、模型店で離れたところから積んであるプラモの山の中に、目ざとくお宝を発見するにはいいかもしれんけど(笑)私も仕事中心なので単焦点でいいやと考えているところです。
運転するときは今まで通り眼鏡かければいいんだしね。

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ハイ!ほいでもってここからいきなり仕事の話です。

15年ほど前に3年間、市ヶ谷のほうの某医学書専門出版社の仕事で目の手術関係の書籍にイラストを描いていました。
白内障手術、緑内障手術、角膜や糖尿病関係など眼科医のための手術手技を紹介している本で、全12冊で合計で200数十点!なかなか大変でした。

私は医学に関しては素人なので、描く為の資料画像や手術動画などいろいろ提供してもらって作画したのですが、ボリュームもさることながらこれは非常に勉強になりました。
手術をどうやって進めていくのかの手順を著名なその道の先生が監修し、別の方が描いた線画のイラストと共に紹介していく内容です。

この本の第1刊で描いた内容がなんと〝超音波白内障手術〟というわけで(笑)。

興味あるかないかは別として、ごく簡単に手順をご紹介しときますね。
皆さんもいずれジジババになるので(笑)頭の片隅に入れておくといいかもですよん!

● 目薬で眼の表面に麻酔をかけ眼の周りを消毒して...........黒目(角膜)と白目(結膜)の境目あたり(右下のところ)にメスを入れて、ここからゼリーみたいな薬剤を入れて角膜ドームの空間を維持しておいて、先が曲がった切開用の針で水晶体の表面にあるラップみたいな薄い膜をペロリンチョと丸く切り取り作業用の窓を開けます。



●水晶体は〝玉ようかん〟みたいに膜で覆われた無色透明なレンズですが、これが濁って少し硬くなった核となるのでストローで簡単に吸うような訳にはいきません。
まず外側を覆う薄い膜と水晶体の間に水を注入して剥がしやすくします。
そして超音波と言っても音波を当てて粉砕するのではなく、モーターツールみたいに水晶体の濁りの中心部を少しづつ砕いては吸い込んでいきます。これにはいくつかの方法があります。



●濁りを取り除いたらその周囲に残ってる皮質を綺麗に吸い取ってレンズを入れていきます。



●2本の足が出たレンズを丸めて筒状のインジェクターに入れ、眼の中に挿入します。
水晶体の中で足が開いて中で固定されるというわけです。
下手くそが入れると斜めってしまったりするんかな?(笑)
まあそんなやつはいないだろうけど。






最後に眼の中を手術水で洗浄して終わりです。
最初にメスで開けた切り口は、縫わなくても通常は眼圧が上がるときれいに塞がるので放っておいてかまいません。
友人曰く、片目5〜6分、手術終えてちょっと安静にして、3〜40分ではい終わり、帰っていいですよとのこと。

そんなに簡単にできるなんて有難いですねえ。
仕事で目を使って息抜きの模型作りでまた目を使ってと、酷使しまくっているので気をつけなくちゃと思っています。
皆様も定期的に目の検査はしたほうがよろしいかと思います、おわり。

アナログ時代の問題作が...........。

2023-09-21 | Illustration

ここ20年くらいはイラストの仕事はほとんどデジタル制作になったので、アナログ時代のように紙に描いた原稿というものがありません。
描き上がったイラストのデータはストレージ・サービスにアップロードして、それを都度ダウンロードしてもらうだけ。
パソコンやクラウドに保存してあるのでお手軽と言えばお手軽。

その少し前はDVD-RやCD-Rで、そのまた前は光磁気ディスクのMO(今や懐かしい響き!)に焼いて宅急便で送っていました。
保存したデータが手元に何枚か残っていますが、MOは流石にドライブも無いので捨てるしか無いのですが記念に?取ってあります。
CD-Rなども保存環境によって簡単にダメになるので、デジタルデータの保存は本当に頭が痛い。
以前CD-Rに焼いたものでも表面のカラーラベル部分のコーティングがヒビ割れて、ベトベトしてるのとかあります。
もうそうなったらダメで燃えるゴミに出すしか無いです。

バックアップのバックアップのバックアップなんて冗談はヤメれ!と(笑)
数年おきに何度もバックアップを更新してれば良いんでしょうが、んなことマメにやってる人はいるんでせうか?
私が面倒くさがりなだけかもしれませんが(模型作ってる時間があったらやれよ?おっしゃるとおりです………..)

一応プリントもファイルに保存していますが、正直デジタルで描いた作品については残すことはあまり考えないようにしています。
なんだかんだと言ってやはり紙原稿、あるいはキャンバスのようにアナログものが一番安心。
とはいえ今後20~30年も残すものはないし、どうでもいいかと考えるようになりました。

というのもここ数日過去のアナログ時代の原稿を整理しているのですが、結構大変。
数年に一度は少しづつ整理をしているのですが、なかなか思うように進まない。

私の場合、築地のプロダクションを辞めて最初の頃は広告関係の仕事がメインでしたが、後に出版関係が主となりました。
出版の仕事は描いた原稿はほとんど返却されましたが、その前の広告の時代は印刷物はもらえても原稿はほとんど戻っていません。
デザイン事務所とか、今思うとはっきり言って〝調子が良い分だけ無責任〟なところが結構多かった(笑)。
まあバブルの前だったし皆どこもメチャクチャ忙しい時代だったので、こちらもいちいち戻してね、とも言わなかったせいもありますが。

そんな訳でクライアント別に原稿を分けていたのですが、この時代に描いていたクレセントのイラストボードってのが大量にまとめるとクソ重たい。
一番良く使った310番と110番のイラストボードですが、どうでも良いカットやあまり見せたくない(笑)作品はボードの表面を1/3くらいに薄く剥がしてまとめてしまいました。
これだけでだいぶ軽くなるし燃えるゴミにも出しやすい(笑)

しかし世の中の絵描きさんは一体どうやって保管管理しているんでしょうね?
私の師匠はキャンバスに描いているのでそれだけで3部屋分くらいありそうな。
いわゆる〝画家〟の方は空調管理されたコンテナルーム借りるとか聞きますが、ホント大変っす。

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とまあ長々どうでも良い話をしましたが、ここからが本題………..。

アナログ原稿の中に開けてなかった広告時代の原稿が偶然何点か残っていました。
その中にあったのがこれ………..。







今や渦中の人となったあの事務所の新社長。
この方が昔デビューした時の〇〇隊の、おそらくプロモーションビデオ用に描いた気がする?リアルイラストです。

カリフォルニアのナンバープレートを3人のネームに置き換えて、B4サイズのボードにエアブラシで描いたもの。
いつ頃かは不明ですが右上に86と書いてあるのでおそらくその当時なのかな。
ちなみに紅白に初出場したのがこの年だそうです、知らんけど。

クライアントは良く覚えていませんがおそらく〝某エージェンシー〟だったような。
ギャラはかなり良かったと思います。

まあ残しておきたくも無いし、捨てようかと思ったけれど思い直して某所に出したら安かったけど売れましたワン(笑)
よ〜し、これでチャリのヘルメット買おう!\(^O^)/




自動車アート7人展と...........ルート66

2023-09-05 | Illustration
日本を代表する自動車アーチストの7名の方々による展示会、自動車アート7人展。
2009年より開催されてきた展示会ですが、コロナの影響でしばらく開催中止でしたが今年3年ぶりに開催が決定しました。

今月24日から30日まで。
いつもの東京有楽町にある交通会館1Fギャラリー・パールルームにて開催されます。
時間は11:30〜19:00 (初日 12:00〜 最終日 〜18:00)
電話 03 3212ー3772

メンバーはこのブログでも時々紹介させていただいてる自動車構造画の大内 誠氏、GMやオペルのデザイナーで海外で活躍したデザイナーの草分け的存在の児玉 英雄氏、同じくオペルやホンダのデザインを歴任された青戸 務氏、タミヤニュースでもお馴染みのイラストレーター Telly 佐原こと佐原 輝夫氏、カー&ドライバーの表紙でもお馴染みの岡本 三紀夫氏、アメリカ車を中心としたモデルカー・フィニッシャーとして雑誌でもお馴染みの畔蒜 幸雄氏、ペーパーイラストともいうべき切り絵の稲垣 利治氏の7名。
〝自称アーチスト〟の溢れたこの時代、プロの自動車アーチストの凄さを実感できる展示会です。
お近くの方は是非足を運んで見てください。




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そしてもうひとつ、このメンバーの佐原 輝夫氏の画集のご紹介です。
昨年発売になったのを全く知らずに先日入手したばかりの本。
ROUTE66 ART BOOK  〜あこがれのマザーロード~
(ヤエスメディアムック759)

ROUTE66 ART BOOK 〜あこがれのマザーロード~(ヤエスメディアムック759) | 佐原輝夫 |本 | 通販 | Amazon

ルート66と言えば知らない人はいない、古き良きアメリカのシンボルとも言える道。

佐原氏とほぼ同世代の私も子供の頃にテレビでアメリカのいろいろなドラマを観ていました。
ライフルマンにローンレンジャー、コンバット、三ばか大将、馬もしゃべったミスター・エド、奥様は魔女、0011ナポレオンソロ………..。
ルート66も絶対観たはずなのですが、その後の再放送も含めて何故か記憶に残っていない………..。

それはともかく幼い頃にTVを観て憧れた佐原氏が、2018年にシカゴからLAまでアメリカ在住の友人らと3人で3800kmを辿って、呼び起こした記憶と重ね合わせて描いた作品を一冊にまとめたのがこの画集です。

観光絵葉書にあるようないかにもアメリカ、なテーマはほとんどありません。毎日ひたすら西へ西へと走り続けた沿道の普通の日常風景。
どの作品からもおそらく元にした膨大な数の撮影した写真そのものより、はるかにアメリカの空気を感じます。
ルート66に対する想いと実際に観て感じたもの以外の余計な情報を、一切消し去った画面から伝わって来るもの。
デジタル(Corel PainterとアドビのFresco)で描かれていますが、スコーンと突き抜けたような素朴で乾いたタッチはひたすら気持ちよく、各作品に添えられた佐原氏とLA在住のSam Okamoto氏の解説も面白いです。








アリゾナ 州ウィンズロウ。
イーグルスの〝Take it Easy〝の歌詞にも出てくるこの街は66の途中にある小さな町ですが、ここには歌詞通りの演出が街中にあって〝フラットベッドフォード〝もしっかり置いてあったり。(下の作品)
ついでにジャクソン・ブラウンとグレン・フライの銅像まで立っているとかで、恥ずかしながら私は知らなかった……..。

そんな訳で行ったことのある人もない人も楽しめる本だと思います。
是非書店で手に取って見てください、お薦め!★★★






水戸岡鋭治 デザイン&イラスト図鑑

2023-04-24 | Illustration



本のご紹介です。
JR九州始め、数々の鉄道車両をデザインしている工業デザイナー・イラストレーターとしてお馴染みの水戸岡鋭治さん。

車両のデザインはもちろん緻密なイラストレーションが非常に素晴らしく、乗り物のほか建物パース、環境、風景、動植物などなど広告やプロダクトデザインの数々がすべて見られる一冊が発売になりました。
早速アマゾンでポチって今日届きました。

すでに画集や多くの書物が出ていますが今回250Pを超えるボリュームで、巻頭の文章以外はすべて3000点以上のイラスト図版ぎっしりです。
版がB5サイズなので大きくは無いのですが、初期の作品から最近のものまでたっぷり見て楽しめる画集です。

水戸岡鋭治 デザイン&イラスト図鑑 | 水戸岡 鋭治 |本 | 通販 | Amazon

私が最初に目にした作品はおそらく70年代の終わりの頃、ナショナルか日立か忘れたけど雑誌広告に出ていた住まいの情景イラストでした。
建物を断面で切り取って各階の人々と内部の様子がロットリング?のラインに着色されたカラフルな作品でした。
長い間スクラップブックに貼ってあったのですがどこかに紛失してしまって見当たりません。

当時勤めていた会社で真似て描いたイラストがありますが、着色はパントーンカラーなのかエアブラシなのか判らなかったので、とりあえずエアブラシ吹いて描きました。
その後発売になった氏の本に「エアブラシの展開ーイラストレーションパース」という名前の本があったので、やっぱりマスクして色を吹き付けていたことが判りましたが、いまでこそPhotoshopで範囲選択・着色・テクスチャ貼り込み一発OKですがあの凄く細かい線画にマスクして吹くってどんだけ時間かかっているんだろう!と驚いたものです。

現在どうやって描いていらっしゃるのかは知りませんが、いずれにしても一つの作品が完成するまでに膨大な時間を掛けていることが良く判ります。
大きな誌面で見られる本は他にもありますが水戸岡鋭治氏の集大成ともいえるこの本、たっぷり楽しめると思いますので興味のある方はまず書店で手に取って見てはいかがでしょうか?

それはともかく、私は水戸岡氏のデザインした車両にはいまだ一つも乗ったことが無い!という事に一覧を見て気がつきました。
これは非常にマズい!と愕然としているところです。
















〝恐竜図鑑展〟開催

2023-02-07 | Illustration


まだもうちょっと先の話なんですが、5月の末から東京上野の森美術館で〝恐竜図鑑展〟が開かれます。
近年、博物館での恐竜博に代表されるように全国で沢山の恐竜イベントが開催されて、恐竜や古生物のファンにとっては楽しみなんですが、その大部分というかメインは復元標本や骨格、化石が中心です。

今回の図鑑展は恐竜という生き物が世の中の人々に知られるようになる以前の幻の生物だった頃から現在までの、パレオアート(古生物美術)の代表的絵画作品が150点あまり展示されます。
19世紀の復元図から私達が子供の頃に本で見た有名な恐竜画作品が見られるので今からもの凄く楽しみです!





古生物はそれこそ毎月のように新しい研究発見によってその姿を変えてきましたが、最新の研究で知る恐竜の姿はもちろん興味深いのですが、それ以上に19世紀、20世紀の初めの頃の恐竜画は凄く面白い。

私が初めて恐竜というものを知ったのはうろ覚えですが、だいぶ大きくなった頃、小6の時に読んだ科学雑誌の冒険読み物に出てきたアローソーラス(アロサウルス)とトリセラトプスの名前でした。
その二色刷の挿絵でみた恐竜の姿にかなり驚いた記憶があります。

中学に入ってからも恐竜好きな級友とノートに恐竜の絵を描いて見せ合ったりしましたが、その後はすっかり忘れていました。
社会人になってこの仕事を始めた時に昔の興味が目を覚まし、いろいろな海外の古生物画家の作品を知って今に至るのですが、特に今回パレオアートの2大巨匠と言われるチャールズ・R・ナイトとズデニェック ・ブリアンの作品を実際に見られるのでマジで興奮しています(笑)

大好きなチャールズ・ナイトの代表作 1897年作  ドリプトサウルス





最初に恐竜が発見された19世紀の古生物学者は、すでに今と同じように恐竜は鳥類と同様に身軽に飛び跳ねると考えていたらしい。
実際に存在したわけでは無く想像上ですが、とても躍動感とリアリティのある絵で好きな作品のひとつです。
古生物興味のある方には是非観ていただきたい展示会です。

特別展 恐竜図鑑 | 失われた世界の想像/創造

特別展 恐竜図鑑 | 失われた世界の想像/創造

恐竜を描いた絵画を集めた異色の展覧会。チャールズ・R・ナイト、ズデニェク・ブリアンら巨匠の作品が世界各国から集結する。

特別展 恐竜図鑑 | 失われた世界の想像/創造

 


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話は関連しますがこちらは今月発行になった学研の〝かがくえほん〟の見本誌です。
昨年の秋に描いた作品で、幼稚園に恐竜がやってきたという設定で実際に東京の幼稚園の画像とコラージュした30cm四方の大判見開きページものです。
一般書店では発売されず幼稚園で一括購入される本なので、一般に手に取られる本ではありませんがとても面白い仕事でした。









もうひとつ、こちらも昨年チャイルド本社から出た同じ形態の本〝恐竜のかたち〟。
代表的な恐竜の形についてこども達に判りやすく説明した絵本です。






以上恐竜ネタあれこれのご紹介でした。

本のご紹介と...........。

2022-12-01 | Illustration
今年は後半あっというまに過ぎてしまって、あとひと月で今年も終わるという気が全くしないのですがどうしたらいいんでしょ?(笑)
免許の更新に行かなくちゃいけないし年賀状も作らんといかんし、やらなきゃいけない事は山ほどは無いけどそこそこあるし、年々物事をこなすスピードがどんどん落ちてきているのはモデリングの結果をみれば明らか。

今年はT・Bのクラブロッガーしか作っていないじゃないか!と改めて驚いたところ。
(それもまだ手すりが残っているし………..)
こんなことは初めてかも?と振り返ってみたら何のことはない、昨年はイマイのロータス49だけ。
一昨年はフジミのGT40MK2だけ、その前はAIRFIXのトライデントだけというように年にたった1つ完成させただけでした。

こりゃもうブログのタイトルを変えるか別のブログ立ち上げるかしないとダメだなあと真剣に考えているところです(笑)
一応あれこれ手を付けていることはいるのですが、ここにアップするほどの内容のものは無いので、もうちょっと先で。

そんな訳でたまには仕事もしているというネタです、すいません。

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TVで芦田愛菜ちゃんがCMしている小学館の図鑑NEO、先日発売になった〝乗りもの〟です。
見本誌が届いたのでご紹介。

この中の鉄道で初版は2003年でアナログで描いた絵が2019年の改訂版まで使われていました。
今年新版になってその中の線路のしくみ2点と地下鉄の駅がデジタル制作になりました。









デジタルと言っても私はCGはやらないので、未だ限りなくアナログに近い描き方です(笑)
線路はともかく地下鉄の駅は結構大変で、仕上がりはA4の半分程度の大きさですが初版の絵の構図をあまり変えずにイラストレーターでベースを起こすのに3日かかっています。
(ちなみに駅は神保町あたりを参考に都営新宿線、三田線、半蔵門線の順に重ねた架空の構図です)

そのあとフォトショに書きだして仕上げにまた4日程度。
まあCGならもっと早く出来るんでしょうけどね。
車両も他の自動車や飛行機などもずべて最新の情報で載っていますので、乗りもの大好きな方は是非書店でご覧になってください。

でもってこちらは仕事じゃありませんが少し前にシンコーミュージックから出た本。
〝ヒプノシス ロック名盤デザイン秘話〟です。

今更言うまでも無いデザイン・アートの巨人イギリスのクリエイター集団ヒプノシス。
数多くの作品がありますが、そのうちの代表作のいくつかについて300ページ以上にわたる制作やエピソードが語られた本です。
作品集ではなく読み物ですが、例えばピンクフロイドの狂気のような超有名作品のスケッチやアイデア出しなどとても興味深い内容ですよ。
お値段がちょいと高めではありますが………..その方面の好きな人にはお勧めですよん。



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※Fleetwood Macのクリスティン・マクビーが亡くなりましたね。

79歳ってそんな歳だったとは思わなかったけど、チキン・シャック時代から数えたら確かにそれなりの歳だなと。
キルンハウスのアルバムジャケットは彼女が描いていましたね。

個人的には〝You Make Loving Fun〟や〝Songbird〟はもちろんですがモータウンの雰囲気さえ感じる"Spare Me a Little of Your Love"や〝Come a little bit closer〟とかも実に良い。
ボブ・ウェルチは10年前に、ダニー・カーワンも4年前に死去。
マクヴィーとの3人の組み合わせが一番好きでした。

ここ40年くらいMacは聴いていないので何とも言えませんが、4年ほど前に大好き!(笑)PARAMOREのヘイリー・ウィリアムズ姉ちゃんが Macの〝Everywhere〟をカバーしていて、いかにもクリスティンの作りそうな曲だなあと思いましたね...........。

Everywhere (Fleetwood Mac cover) - Paramore - London 19/6/17


あと全く知らなかったのですがRumours of Fleetwood Mac"というMac公認のトリビュートバンドがあるみたいで、このバンドの動画が幾つもネットに出ていて初めて見たのですが...........。
これがなかなか素晴らしくてダミ声ニックスそっくりのボーカリストといい、笑ってしまいました。
Macのファンの方は必見かも。

"Seven Wonders" Fleetwood Mac performed by Rumours of Fleetwood Mac



アルヴィス

2022-07-18 | Illustration
久々の三連休もお天気イマイチ、おまけにコロナの激増でうかうか遊びにも出られずに終わってしまいました。

毎年この時期になると依頼を頂いているクルマのお仕事。
今年はいつもより3ヶ月も早く依頼が来てラフもすぐにOKが出たのでのんびり構えていたら、先月は雑用でドタバタしているうちにお尻に火が点いてしまった。
おまけにベースで作るイラレのデータで、ワイヤースポークのハブとリムの繋がる位置がずれているのに気がついて(汗)作り直しになってしまったと言う訳で…2日間徹夜になってしまいました。
若くはないので堪えますなあ。  

たまには仕事のネタもということで今回描いたものはまだ出せませんが、昨年まで描いた4回分のイラストをちょっとだけご紹介。

英国の高級車、知ってる人は知ってるけど知らない人は全く知らない…ALVIS。
オートモービル・カウンシルなどでは実車が展示されているので実際にご覧になった方も多いと思いますが、何を隠そう私もこの仕事をいただくまでほとんど知らないメーカーでした。

1919年から67年まで乗用車を生産していたメーカーで、日本へは1950年代から63年まで輸入されていたらしい。
それから55年、当時の会社の関連商社が4年前に再導入することになりました。
そのきっかけとなったのが2017年にALVISが昔の図面を元にカリカリの新車として特別注文生産を始めた事によります。

オリジナルのデザイン通りに、また排出規制にも適合していて昔のエンジンやシャーシー番号などをそのまま引き継いでいるため、その名の通り‘’Continyuation Series‘’というシリーズ名がつけられました。
オリジナルのヘリテージモデルも完璧なレストアをされて販売されますが、このコンティニュエーションモデルはすべてがオリジナルというわけではなく、ブレーキは4輪ディスク、6MT、キャブではなくインジェクションというように現代の環境に合った内容になっています。
雑誌でも結構取り上げられていました。

ヘリテージモデルはお値段????ですが、この出来たてコンティニュエーションシリーズなら5000万円〜7000万円と、今の都内のマンションと同じくらいのお手軽なお値段で買えますよん!
連日マクラーレンだ、アストンだベンツだ(メルセデスと言わないところが味噌)と、芸能人の(クルマ買ったど!)自慢ニュースに’’ケッ!(笑)’’と思ってるそこのオトーさん!

是非これ買ってSNSで自慢してはいかがでせうか???

ということで4年連続で描いたアルヴィスを2枚にまとめてみました。
そのうちカードにでもするかな。









※引き続きクラブロッガーも投稿しておこう……。


25年前の落書き...........

2022-03-03 | Illustration


3月………..ようやく寒さも緩んで一息つけると思いきや、コロナストレスに加えてプー珍のおかげで一層不安な今日この頃。
ホンマに勘弁してくれよという感じです。

まだ確定申告も手を付けていないし、今週末納期の仕事は尻に火が付いていまして模型は全然弄れてません。
この調子じゃ静岡も間に合うか微妙なところですがなんとかせねば(^^ゞ

で、先日2年ぶりに徹夜した時に資料探しをしていてちょいと古い印刷物が出て来たので、今回はそれネタで埋めておきます。
と言ってもあまり人目に晒したくない(笑)ものではありますが。
95年の暮れに初めてMacを買って最初に描いたイラストです。

80年代中頃に仙台の友人宅で見たMacintosh。
いずれこうゆうのでデザインやイラストの仕事をする時代になるっちゃ!とか何とか忘れたけど(笑)仙台弁で話してくれた友人に勧められ、パフォーマ5220っつーのをソフマップに買いに行った。
お値段179800円なり。
ついでにプリンターのApple Color Style Writerが39800円。

Macにバンドルされていたお絵かきソフト、キッドピクスだったと思うけどそれでマウスをグリグリさせて四苦八苦して(笑)描いたものです。

この頃鈴鹿のNASCARサンダースペシャルを見に行って間近で見たコダックカラーのシボレー・モンテカルロとドイツGP。
想像で描いた絵ですが今の目で見ると子供の落書き、ただの塗り絵ですね(Q_Q)↓

他にアートスクール・ダブラー2ってのも入っていたような気がします。
すでにPhotoshopはあったけれど、んなもんは高くて買えなかった。最初に買ったフォトショは5か6だったかな。
Mac OSが漢字Talkの時代ですね。

紙も絵の具も使わずにパソコンで絵が描けるという事自体に感動はしたけれど、正直こんな不自由なツールで絵が描けるかよ!と呆れたものですがあれから25年。
そのパソコンでいまだに絵を描き続けているというのも我ながらよくやるよ、と。

ということで以上、お粗末。仕事に戻ります〜〜〜♪




Atmosphere And Light: The Automotive Paintings Of Barry Row

2021-05-07 | Illustration



今日は最近のお買い物からひとつご紹介。

イギリス人自動車画家の巨匠、Barry Rowe の画集
Atmosphere And Light: The Automotive Paintings Of Barry Rowです。

以前から欲しかったのですが、なかなか良い値段だったの延び延びになっていたんですが
先日ヤフオクに出ていたのを見つけ格安!で落札できました。
表紙は名勝負として余りに有名な1957年ドイツGPのファンジオとホーソン。
1500冊限定、サイン入りで青山にあった某洋書店の27000円の値札がついていましたが(笑)





本のタイトルの通り〝光と影の織りなす印象的な画風と空気感。
ビンテージカーからルマン、タルガフロリオなどのクラシックレースまでいろいろなテーマで描かれた
多くの作品がありますが、私が最初に知ったのはあのペブルビーチ・コンクール・デレガンスの
公式ポスターでした。

ペブルのポスターは昨年亡くなった巨匠William A Motta 氏など昔からいろいろな自動車画家が手がけています。
これはミネルヴァとラゴンダが描かれた1998年のポスター。





こちらは1938年のミレミリアでアルファ8C2900を駆る名ドライバー2人。
クレメンテ・ビオンデッティとカルロ・マリア・ピンタクーダ です。
こうゆうテーマはボトル1本空けられるくらい大好きです、いいですねえwwwwwwww







そして同じ38年、こちらはモナコGPのスクーデリア・フェラーリのピット。

腹が立つほど上手いのでコメントのしようがないのですが、ペブルビーチに行かれた友人のある方の話では、彼のペブルの作品のギャラは1点500万!だとか。

巨匠ならでは、ですが公式ポスターもebayなどでは2〜5万がざらなので、欲しいのは沢山あるのですが
気軽に手が出ません。
それでもチビチビ飲みながらこの画集をめくるのが、最近の寝る前のお楽しみとなっています。

STP PAXTON TURBINECAR

2021-03-09 | Illustration
 


1967年のインディ500で優勝を目前にしてリタイヤしたグラナテリのタービンカー。
数々の自動車透視画を描かれている日本を代表するテクニカルイラストレーター、大内誠さんの最新作が完成しました。

昨年は中止になってしまいましたが、毎年9月に有楽町交通会館のギャラリーで開かれる自動車アート7人展の今年の課題である〝オープンホイール〟に出展のための作品です。

私も個人的に非常に思い入れのあるマシンで、このブログでもバンダイの1/12をお宝もののカテゴリーで紹介しましたが、大内さんが5年ほど前にこれを描き始めるとおっしゃった時に、あの完成品をご自宅まで持参して参考に見ていただきました。

それからすっかり忘れかけていましたが、昨年の7月にベースとなるモノクロの線画イラストができました!との事で見せていただいてから半年あまり。

いつもながらですが気の遠くなるような精密イラストは圧巻のひとことです。
〝子持ちししゃも〟のように、片側に積んだプラット&ホイットニーの航空機用ガスタービンエンジンからは、前後にシャフトが延びて4輪を駆動しますが、このファーガソンシステムの詳細がなかなか判らずに苦労されたとのこと。
たまたま昔のRoad&Track誌を見ていて見つかったそうです。

展示会をご覧になった方はご存じですが、イラストの下絵はすべてアナログで起こしています。
着色はデジタルですが、なんとタブレットペンでは無くマウスで色を塗っているんです!

その方がやりやすいからなんだそうですが、思えば大昔Mac買った頃はタブレットペンなど無かったので、キッドピクスでマウスでイラストを描いて何て不自由なものだと感じたものです。
この緻密極まりない構造画にそうやって色を付けているとはちょっと信じられません。
こんな絵を見るとあの完成品を作り直したくなりますが、キットも入手は難しいし老眼で厳しいので無理かな。
出来たらリヤのエアブレーキくらい再現したかった気がします。

ことしの七人展が無事開催されることを願って、是非会場に足を運んで見てください。








もうすぐクリスマス.................という雰囲気では無いですが。

2020-12-22 | Illustration


コロナは減るどころか益々まずいことになりつつあり、クリスマスどころではない年の暮れに。
まあすっかり緊張感無くしてフラフラ出歩く庶民も国の無策を批判できた立場じゃ無いと思うのですが..........(^^ゞ
どうなることやら。

この1年、感染が怖くてどこにも遊びにも行かずひたすら自粛してきたので
せめてそのご褒美というわけではありませんが一足早いクリスマスプレゼント。

と言ったって4Cやジュリアを誰かがくれるわけでも無いので(笑)誠にささやかではありますが
仕事道具を買いました。
Wacomの液晶タブレットCintiq 16です。

液晶も安くなって手に届きやすくなりましたね。
最初の頃、液晶の大きなのは30万超えでしたしねえ。
売れっ子アニメーターとかじゃないけりゃ手が出ませんでした。

デジタルで制作を始めてから20年以上ずっと板タブでしたが、最初からこの手元と描画の場所が異なるという違和感にアナログおやじは馴染めず。
ツルツル滑るタブレットに、こんなんで絵描けるかよ!という感じで仕方なくトレぺを貼って
ペン先に抵抗をもたせたり色々やりましたが、最初からデジタルで入る今の人は抵抗ないんだろうなあ。

で、今まで使っていたワイヤレスのワコムIntuosもいろんな機能があるけど
左手で操作するタッチホイールのズームやスクロールも無意識に触れて画面が動くため
どうにも使い勝手が悪いので設定を全部オフにしてました。
高度な絵を描いている訳でも無し、アナログ人間には余計なお世話機能はいりません。

なんだかんだで7年ほど使いましたが、いい加減くたびれてきたので
これを機に液晶に買い換えることにしました。
といっても上位モデルなんて機能使いこなせないし、大金かけるくらいならMac買い換えたいので
エントリーモデルで充分ということでCintiq 16に決定。

これで作品のレベルがまた一段とアップすれば言うこと無しですが、それはどうかな?というのが正直なところで(笑)




今年も

2020-11-22 | Illustration



1年ぶりのイラストネタです。

今年も残すところひと月余り。
1年の総括にはチト早いかも知れませんが皆様にとっても今年は大変な年だったと思います。
かく言う私もこの30年でおそらく最低調の1年でした。

例年より3割以上も仕事は減ったしまだまだ先行き全く判らない世の中ですが
それでもいくつか良い仕事を残せたことは良かったと思っています。

お盆前に依頼された学研の図鑑LIVE〝地球と宇宙の探検〟が発売になりました。
宇宙航空を中心にクストー、ナンセン、ピカール、リンドバーグなど10点ほどイラストを担当させていただきました。
今回はPainterでアナログ風に描いています。
機会があったら書店で是非手にとってご覧下さい。

地球・宇宙探検 (学研の図鑑LIVEスペシャル) | 吉川真 |本 | 通販 | Amazon





今年は年頭に大分県宇佐市の役所併設ギャラリーに展示される情景イラストを描かせていただき
幸先の良いスタートだったのですがコロナのおかげでその後大失速(笑)







例年夏になると全国で開催される恐竜関係のイベントも今年はどうなることやらでしたが、いつも御世話になっている出版社から幼児向け本に恐竜のイラストを。
フタロンコサウルスの見開きは結構大変でした。







どれも面白い仕事で楽しんで描くことが出来ました。
仕事も趣味も自分が楽しめなくてはつまらないですからね。
来年も(ちょっと早いけれど)楽しい仕事ができるといいなあ。



クラークとリント

2019-11-14 | Illustration



2年前に描いたクラークとリントのイラストを額装してみました。

デジタルで描くようになってから、仕事で描いたものは印刷物になるけれど
そのほかの作品はMacの中に貯め込む一方で、なかなか出力する機会が無かったので
印刷関係の知人の好意でプリントしてもらいました。

A3サイズですが、あまりデカくすると粗が目立つので(笑)このくらいでいいかな。

キャンバスに描いたマトラやその他レースシーンのアナログの絵は、ほとんど描いたままの状態なので
そのうちプリント出来ればと思っています。

まあ私は画家でもましてやアーチストなんて意識は欠片もないので、描いたものは
そういったプリントなどしてこなかったのですが、先行きも段々短くなってきたので(笑)
データが消える前に少しづつ整理し、模型を作る時間を少しでも作品作りに割り当てなくてはと
思い始めた今日この頃.................。










Christian Papazoglakis氏の絵本

2018-09-03 | Illustration
先日SNSでフランスの方が紹介していた絵本がとても素敵だったので入手してみました。

ベルギーのイラストレーター:Christian Papazoglakis氏が描いたモータースポーツのコミック絵本です。
A4よりちょっと大きめ24×32cm、どれも50Pほどの厚さです。
フランスの出版社 Glénat グレナから発売されています。




1970セブリング12時間、1951~57ルマン、1964~67ルマンの3冊です。
どれも魅力的なタッチで当時のストーリーが描かれています。
レースヒストリーに詳しい方ならすぐ判る話ですが、なにしろフランス語がわからないので
そこはGoogle 翻訳カメラ機能を使って地道に訳しましょう(笑)

ジャガーのルマン参戦、フォードとフェラーリが作り上げた神話的な時代、そして
架空のチームがコルベットで参戦するセブリング………..。









スピード感のある線画にデジタル着色のイラストがなかなか素晴らしく、これ判らなくてもページをめくっているだけでも面白いです。

他にもこの方の描いた作品はいくつもあって、脚本家は異なりますがルマンは68~69と72~72も、ロドリゲス兄弟、セナ、ニュルブルクリンク、チャップマンとロータス3部作などがあります。
Papazoglakis氏のサイトでも見られますよ。

http://www.papazoglakis.net/







どこか日本版でも出版してくれませんかねえ。

大塚康生16歳の車の画帖―終戦直後の日本の路上にて

2018-07-21 | Illustration


最近手に入れたクルマ関係の本をご紹介。

日本のアニメーション創世記から活躍し、ルパン三世や未来少年コナンはじめ数々の作品を手がけてきた大塚 康生氏が少年時代を過ごした山口の街中でスケッチした、進駐軍のトラックやジープなどの作品集『大塚康生16歳の車の画帖―終戦直後の日本の路上にて』

先日の航空祭の記事でコメントしてくださった、ブックマークでリンクしているPAPAYOYOさんに紹介していただいた本です。
これは現在『ジープが町にやってきた―終戦時14歳の画帖から』というタイトルで改題、改訂された文庫本が発売されています。
オリジナルは1987年に発売されすでに絶版になっていて入手は困難と思いましたが、とあるネットショップで幸運にもビックリ価格で売ってるのを発見して購入しました。



大戦が終わって進駐軍が日本各地にやってきた昭和20年。これまで日本人が見たこともない自動車の大軍が、中国地方の小さな街にもどっと押し寄せ、大塚少年は毎日片っ端からスケッチをして描き続けました。

あまりに細部まで正確に描写したため、怪しまれて進駐軍にスケッチブックを没収されたことも。
鉛筆でスケッチしたあとで万年筆で作画し、薄めたインクや色鉛筆で仕上げていますが、今更ながらに14歳〜16歳の大塚氏の画力の凄さに圧倒されます。










写真を撮ってそれを見て描いているわけではなく、土埃舞う山口市内のあちこちに止まっている軍用車両をひたすらスケッチし、帰宅後に1点1点記憶を呼び起こしながら描いていたのを想像すると、この観察力、記憶力、表現力の素晴らしさに感動します。

文庫本も先日見ましたが、やはりオリジナルは20cm×21cmの大きさなので全然違います。
もし見つけられたら是非おすすめです!

大塚氏に関する書籍はいろいろ発売されていますが、この本はその中でも天才のルーツの一コマを知ることが出来るかなり貴重な一冊です。