ところで少し前にebayでスティーブ・マックイーンのF1映画についての記事が載っているイギリスのMotorsport Magazineを見つけたので入手してみました。
知ってる人は知ってる、知らない人は全然知らない(笑)スティーブ・マックイーンの F1映画〝Day of the Champion〟
この作品のフィルムが2年前にSkyのドキュメンタリーとして編集され公開されて、ちょっと話題になったのでご存じの方もいるかもしれません。
〝Day of the Champion〟の頓挫したフィルムがどこにあるのかは長年不明でした。
2021年にイギリス人のアーキビスト(いろいろな組織が活動する上で作成した文書を保管、保存し、後世に伝えていく仕事)のリチャード・ワイズマンが、元FIA会長のマックス・モズレーに関するSkyのF1ドキュメンタリー番組にとり組んでいた時、アメリカの図書館から送られてきたニュルブルクリンクの映像を発見。
〝Day of the Champion〟の撮影開始は1965年5月。
この時のモナコGPには両方の撮影クルーがバッタリ顔を合わせていたようです。
イギリスのアランマン・レーシングを訪れてカメラカーのローラT70など撮影のための諸々を依頼。
ニュルブルクリンクでスターリング・モスがカメラを積んだブラバムで、ジョン・ウィットモアもローラT70で走り始めました。
話題を呼んでサーキットには数万人の観客が集まったと言われています。
当時マックイーンはあの〝砲艦サンパブロ〟(原題 Sand Pebbles)に主演していて、製作が大幅に遅れていました。
撮影の遅れとストレスで体調不良になり、台湾での撮影は6週間の予定が7ヶ月にも及ぶ始末。
マックイーン不在のままDay of the Champion〟の撮影は進み、オウルトンパークでの素晴らしい映像も彼の代役が勤めています。
思うように進まない製作、そのうちMGMが66年夏に〝Grand Prix〟の劇場公開を発表!
もうMGMには勝てないしスタジオの売却も予定していたワーナーのボス、ジャック・ワーナーからついに〝Day of the Champion〟の製作を止めろという電話が………..。
結局〝Grand Prix〟がこの〝レース〟に勝って、翌年砲艦サンパブロ〟と同じ週にアメリカで劇場公開されるという皮肉な結果になりました。
〝Day of the Champion〟で主演ヒーロー、マイケル・ ピアースを演じる予定だったマックイーンの心境やいかに?です。
”To do something well is so worthwhile that to die trying
to do it better cannot be foolhardy. It would be a waste
of life to do nothing with ones ability, for I feel life
is measured in achievement, not in years alone"