備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

ありゃりゃ……やはり

2013-02-21 14:47:31 | 陶芸


窯焚きの温度が低いときに、窯の中で不吉な破裂音がしました。
ドキッっとして手が止まる。
しばらく温度を上げないで様子見。その間にも再度。

「棚が崩れる音はしなかった」
「思い当たる節といえば、コロガシ(一番火に近い場所)のモノだな」
「乾燥が不完全だったか?」
「5点入っているので5回爆発音がすると全滅の可能性大……」と、めまぐるしい速さで色々なパターンを推測する。

「モノが爆発するって何年ぶりのミスかなぁ……」 一気にブルーな気持ちに。


そのうちまた破裂音。ドキドキする。
しかし回数は5回を遥かに超えた。
「大きな破片がまた破裂したのかも知れない」などと悪い方向に推測する。


しかしながら、薪の燃え方を見ていると木の先端も小さな爆発をしている。
「丸太のまま置いていた樫の木の抜けきらなかった水分が水蒸気爆発しているのでは?」
「薪の小さな爆発が熾きを弾き飛ばして、炉壁に当たっているのかな?」とポジティブに再考。


破裂音も想定の5回をとっくに超えて腹も括れた(諦めた)ので、ゆっくり温度を上昇させてみる。
途中からは爆発音はしなくなった。

最悪の想定はしつつも辞めるわけにはいかないので、そのまま最後までGO。

炭入れの時に窯の中を覗いても見える範囲は無事。巻き添えで壊れている様子もない。

「まぁ、良し」


さて、本日。
まだ温もりが残る窯の焚口から手を差し込んで、モノを引っ張り出してみる。
近い場所のモノしか引っ張り出せないし、炉壁側はさほど焼色が良いわけではない。……という事が判りつつも、やきもん屋の性ですな。
いつもの事。


と!

何だかジャリジャリとしたものがあって掴む。焚口から引き抜いて手を開くと、手のひらに破片が一握り。
「ありゃりゃ……」
やはりモノが爆発していましたね。

しかしながら、想定していた場所と違う煙突の近くでした。う~~ん。
「まぁ、煙突側なら360度全方位に破片が散ったとしても被害は半分になるか」と。

(既に諦めがついていると動じませんなぁ)


さてさて、如何なりますか。火前側は無事なのか?


明日を待とう。