備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

今回の……

2010-04-09 12:08:12 | 陶芸
満を持して、『今回の……』。

恒例の窯出しご紹介を、忘れていたわけじゃありません。(←言い訳)
「忙しかった」という表向きの理由です。
チョットづつご紹介していきます。

思い起こせば『やきもん屋』のブログですから、ヤキモノの話も……。(だから…忘れていたわけじゃぁ…。)


まずは、ハンドボールぐらいの大きさの花入から。

備前焼では、昔から野菜の名前が付く事があります。
蕪、辣韮、芋、阿古陀(瓜)、茄子……。

これは蕪の形に、ランダムな面取りをしています。
ちょうど皮剥きの途中のよう……、なので、名前は『備前面取蕪花入』。まんまやなぁ。


個人的には、このランダムな面取を『はつり』と呼び習わしています。
石切り場などで石を『はつった』ノミ跡のような雰囲気を持っているので……。
または、ランダムな面取を縮めて『ラン面』とも。まんまやなぁ。

自分だけに判る隠語です。スケッチブックなどの覚書きに書いてあります。

他には、フニフニ、杉綾、かぶせ、南蛮鎬、絞り、⑤、⑥、⑦、ティルジャガとかありますが、他人には「なんのこっちゃ?」ですし、技法は訊かれると恥ずかしいので言えません。(書いてるけど……)

『備前面取蕪花入』の場合には『風土・ラン面・首ラインあり』とあります。(意味は訊かないで下さい)


さて、今回の……。
特徴は、コントラストのハッキリとした発色。
向きによってかなり景色が違うので、花がある時、無い時で、使い分けが出来るかと思います。

個展でお買い上げいただき、「可愛がってもらえよ~~」って、送り出しました。

写真だけが手元に残っています。


さて、次のご紹介は何にしようかな?

(おぉ~、陶芸ブログみたいになってきたぞ~~。 ←いまさら)