備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

最近のお魚事情

2016-07-06 20:20:51 | 料理・食材


いつも出掛けた際に寄っていた魚屋さんが無くなった。困ったぞ~~~~。
困っているので出掛けると普段以上に魚屋さんに目が行く。しかし、う~~ん、難しいなぁ。

さて、時は半夏生。

夏椿も咲き、射すような太陽。福助も陰を求めてウロウロ。
田んぼの稲も田植えから数日経って、株別れした小さな新芽も見える。根も張るのだろう……。

「根が張る……半夏生……、あぁ、タコの日か」

まったく学習とは恐ろしいもので、この数年で『半夏生のタコ』の文字を見る機会が多くなり、いとも容易く連想が出来てしまう。
ご幼少のみぎりは、明石に程近いところに住んでいたが知らんぞ。(過去記事:20152008
商魂のなせる技なのか。バレンタインデーのチョコ、土用のウナギ、節分のまるかぶり(恵方巻)……。いや、良いんですよ別に。

という事で、出掛けた折にタコを入手。真ダコ(メス・下津井出身、享年たぶん1歳)である。

メニューは、『真ダコのアヒージョ』に。

たっぷりのオリーブオイルでニンニク、唐辛子を煮て、タコとキノコを投入。最後に塩を入れつつ味見。バジルをトッピングしたら出来上がり。
キノコを入れたのは、旨味成分追加という大義を家族の手前なので掲げているが、真の目的は増量であるのはナイショだ。
そして、小生の本命は残ったオイルにある。香りと出汁が溶け込んだオイルを翌昼のパスタに使うのである。これぞ、ドミノ倒しメニューである。
しかしながら、昼間は子供達は学校なので、必然的に美味しいパスタは小生が独り占めしてしまうなぁ……。あぁ、残念だなぁ。 Ψ(`∀´)Ψ 

諸々、美味しゅう御座いました。


その数日後の夜。到来物の『ちりめんジャコ』をお届け頂きました。遠方から真っ暗な山道を……誠に恐縮です。
「すぐに食べて欲しい」というリクエストにお応えして、まずは夜食に少し。この為に、ご飯も炊いちゃう。折角のご厚意を無碍には出来ない。

『白ごはんにチリメンジャコ (あおさのり少々)』

箸で掬うと、ほわっと持ち上がり、口の中でふんわり~~。
炊きたてご飯の香りと優しい味のさざ波に「日本に生まれて良かったぁ~」としみじみする逸品で、家族で顔を見合わせハフハフ……。
子供達が黙っている。これは危ない……。気に入った時のサインだ。「これは早目に頂くに限るな」と決意。『仁義なき戦い(ちりめんじゃこ親子争奪編)』のスタートである。

しみじみ、美味しゅう御座いました。


近所のスーパーに行った日。刺身の特売日だったようです。こういう時は習慣として反射的にアラを探す。コンディションの良いアラが選び放題なので。
愛媛の『みかん鯛』というブランド魚(養殖)が店長イチオシであった。お名前はかねがね……。エサ由来の柑橘系の香りがするらしい。

ならば、メニューは……『真鯛の酒蒸し』。

香りを楽しむには、シンプルな料理がベスト。養殖特有のアレはアレだけど、ナニがナニなので、ソレはソレとして語らずとも。

ちゃんと、美味しゅう御座いました。


ちょいっと遠出した日。目に付いた店を覗くと金目鯛がデデ~~ンと。やや小振りであるが、遠出した高揚感もあり連れて帰る事にする。
ちょっと特別感あるかな?

頭については……『金目鯛の兜煮』に。

盛り付けが反省点。でも味は良かった。毎回、煮魚のあしらいにゴボウを入れるべきが迷うが、今回は無し。
淡い脂を纏う白身をひと箸摘んで、日本酒を……。
盃を重ねる程に、吟醸香と相まって淡白なのに馥郁とした味わいに、身がたゆたう想い。( ← ただの酔っ払い)

やはり、美味しゅう御座いました。


結果としては、魚屋さんがどうであれ、現状で楽しみを見つけるしかないのである。
家庭料理のお魚事情としては、まぁまぁか。

『魚』と言いつつも、求めているのは『肴』であるのは否めないな。

あぁ、そろそろ、鱧が……。


まぁ、呑もう。