備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

築地レポ

2011-09-12 19:43:03 | Weblog
岡山に帰ってきました。上京した折の『隠れテーマ』をちょっと。ずばり今回は『築地市場』です。移転が決まっている為、うかうかすると今の現状を見ぬままになる可能性もあるので「この際、見ておこう」と。当然、朝から通います。

その為、銀座のギャラリーへの通勤路線上に築地が来るように宿泊地をセレクト。今回のベストは日比谷線でした。そして、ウィークリーマンション初体験も同時に。
「ホテルと比べてどうかな?」と思ったけれど、結論から言うと楽。そして楽しい。カジュアルで広いし。こまごました道具のレンタル(有料・無料)があったりするので、イロイロと融通が利く。アイロンとかは便利だったな。これに炊飯器・鍋があれば普通に生活できる。電子レンジはあるし。

で、毎朝、築地に出かけて朝御飯を頂く事にして市場通いをする。

以下、この度の築地レポ。まずは観察。
流通の現場なので人の行き来が激しい。ましてや日本の台所を支える場所でもあるし。

築地で一番目を惹くのは『ターレ』という運搬車。



小回りの利く立ち乗りのイナセな車で、ナンバー付きで公道OK。これが朝からビュンビュン走っています。基本『ターレ最優先・歩行者二の次・観光客は三の次』ぐらいの感じ。
よく見るとエンジン付きがあったり電動があったり。出合った割合でいうと電動が多かったかな。排ガスも出ないし今の時代向き。微妙にイロイロとカスタマイズされてたり、専用の修理工場みたいなところもあったりして大活躍です。場内・場外はターレがほとんどで、それより外はトラックでした。○○水産、○○寿司とかペイント。


運搬車の人力部門では、大八車や自転車とかが活躍。質実剛健で塗装にも些かも甘いところはありません。カッコイイ!




でも一番気に入ったのはコレ。極近い距離を運ぶ台車。



メッチャ可愛い。シンプルながらキュート、そして頑丈。鉄のハンドルのシンプルさが実に良いし、全体の色も良い。これ、欲しいなぁ。
植木とか薪を載せたら良いと思うよ。


運搬系だけでも見所が有り過ぎなんだけど、専門店のマニアックな商材も凄かった。ワサビ専門、ノリ専門、キムチ専門、鮭専門、履物専門……。
ハカリ専門店はアナログからデジタルまで対応のラインナップ。店番の方は随分アナログ世代だったけれど、色々な古ぼけた分銅の横にピカピカのパソコンに取り込むインターフェースのものとか。
そして店の裏は廃棄されるであろう古いハカリがゴロゴロ。でも無造作に積み上げられた道具の『まっとうな生涯』に敬意を表したい程の佇まいだったなぁ。




市場の道具はどれも生きていて、現役の逞しさとプロの本質を見ました。
そして役目が終わったら後進に道を譲る潔さも。

道具って凄いなと感心。


肝心の朝御飯は、働く現場の人が「旨い!」というところへ行きましたよ。(続く……)


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~21日(水)まで『備前 渡邊琢磨 作陶展』会期続いております。

是非、ご高覧くださいますれば幸いに存じます。