本日は、友の遠方より来る亦楽しからずやの日。
おおむね窯が完成した頃合いに旧知の友が陣中見舞い。
昼から ずーーーとしゃべりっ放し。こういう日もあっていいよ。昼に港町で落ち合い、やおら拙宅へ。
窯の前で、牡蠣やタコ、タイ……。お土産に持参いただいたお酒『龍力 大吟醸 米のささやき』を頂きました。
貝の旨みをやわらかく包み込むふんわりとした味わいの酒。盃が進む。ほのぼのとしたいい感じ……。
夕まずめ、日のかげる頃。一同帰路へ。そして、皆が去った後、暗くなった帳の中、ひとり酔いに任せて音楽を聴く。『ベートーヴェンの交響曲第9番合唱付き』
酔ったせいもある。泣ける……。CDは、1976年録音のカラヤン・ベルリンフィル。
『苦悩を突き抜け歓喜に到る』 ベートーヴェンの交響曲は、5番に代表して そのイメージが強い。しかし9番の『歓喜』は個人でなく全人類に向かう。小生はドイツ語は皆目わからない。音楽的に耳に聴くだけ。しかし、そこにあるドラマをヒシヒシと感じる。詩的なシンフォニー
4楽章のダブルフーガは最もお気に入りの部分。かつて、コンサートの後、コートの襟を立てて無言で歩いたことを思い出す。感動のあまり、何かしゃべると感動が薄められるような気がして連れがいても無言で歩いたものだった。寒気には第9番が似合う。雪を踏み窓の明かりを見ながら歩を進めていくイメージ。ラストのマーチはまさに。
山の中の一軒家。最大ボリュームで 全身にベートヴェンを受ける。快感。
宵の頃、温度が下がっている。明朝は寒波とか。
霜柱が立たねば良いが……。窯が心配。
ちょっと お遊び。
窯を少しでも乾かしたいという思いで、窯の中で焚き火をした。炎が天井に触れない程度の火ではあるけれど、それなりに気温が上昇する。邪魔になっていた竹カゴの竹を燃やす。竹は火持ちは悪いものの火力が強い。あれほどあった竹も燃やせば数時間で無くなった。
ウロウロしている時に 夏に窯床を作った際に採っておいた粘土を発見。そこで、バケツの中で砕いて、水を入れて練ってみる。可塑性がある、指先で石を取り除き、小さな碗形にする。少々、砂っぽいが、それなりに雰囲気のある土。
火から30cm離して向きを変えながら強制的に乾燥。この時点で、窯を乾燥させるという目的は、2次的なものに降格。やる気満々で事に当たる。全体が白く乾いたら、徐々に火に近づけていく。この時点で1時間経過。昼食後、いよいよ本気モード。まずは、火の際へ。そして、熾きの上。ヒビが無いか観察しながら……。あとは、上から竹をかぶせたり、空気を入れたりする事1時間。全体が真っ赤になったところで、引き出してモミ殻の上へ。炭素を吸着させる。もうひとつは熾き(おき)に埋めてしまう。で、火がなくなるまで放置。
結果は、奥の『黒』が炭化させたもの、手前の『赤』が熾きに埋めておいたもの。
荒っぽい作りをしたけれど、傷も無く 無事に成功(?)。めでたしめでたし。
子供たちも自分で焼いた。
大喜び! もちろん、『焼きイモ』の方ですケド。