先日、焼いた物を窯出し。
白く残っているのがワラ。
ヒダスキが出ている。
破損率 0パーセント。
おおむね、思っていた雰囲気の色。
「焼けた?」 「焼けた!」
備前焼屋が よく言う言い回しのひとつが、
「焼けた」というもの。
「焼いた」と 自分主体で言わないところが、
人の手の出せない窯の中での出来事という
認識からか……。
他のヤキモノと違い、釉薬なし、絵付けなしなので、
自然が描き出す作用が多いのは確か。
ヒダスキは窯詰め段階で、ワラを巻いたりするので、
多少なりとも意思を表現すると言えなくもないが、
それとて、ハッキリとしたものではない。
この曖昧さは 「偶然の産物」と呼ばれるが、
当のやきもん屋は、経験と知識によって、
ある程度 推測がつく。
なので、やきもん屋が言う「偶然の産物」とは、
必然のすぐ隣にある もっと大きなモノ。
偶然に対する捕らえ方の温度差が人それぞれ。
器の部分を指す場合もあるし、
窯の部分を指す場合もあるし
窯焚きそのものを指す場合もある。
偶然と必然。 焼けたと焼いた。