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備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

眼福の週末

2014-06-15 21:16:32 | Weblog


さてさて、この週末はご縁を頂きましてお茶会『あやめ会』のお手伝いに行って参りました。
場所は、国指定重要文化財『永富家住宅』です。
そして、お茶会の名前のとおり、毎年あやめの咲く時期に開催されています。

噂に高い会で、美術館クラスの名品がしっかりと使われます。かつ、毎年代わられる席主の趣向が大いに反映される会で、全国からお客様がお越しになられます。
ひと月ほど前にお話を頂いて、即決で参加表明していました。
「今年は日本を代表する華道家ですよ」とお伺いしていたので、本当にワクワク。『ふたつ返事のなべちゃん』久しぶりのGJです。


で、真面目にお仕事。

そして、本日は最後の席に通して頂き、その名品を堪能致しました。


お昼は時間を見計らって、お客さんと同じくアヤメを愛でつつ点心も頂きました。


素麺はお土地柄。松花堂は、鱸の昆布締め、鯛味噌漬け、焚き合わせ(穴子、海老、根菜、粟麩)、うすい飯(豆ご飯)。
椀物は鱧。梅雨ですなぁ。
どれも美味しく頂きましたが、粟麩が印象的でした。(これお酒があったら最高です。小さい一合瓶が付かないかしら……)


そして、本命の濃茶席。噂に違わぬ鼻血モノのオンパレード。
「時代の変わり目を意識」したというチョイスで、激動期(室町~江戸)のお道具があり、茶碗の刷毛目もスピード感がありました。

掛け花入が『馬』繋がりで面白い趣向でした。
太閤秀吉・細川合作の竹花入『ハヤウマ』(『有馬』から早馬で竹を送った謂れに因む)に活けられた『ウマノスズクサ』。……と、三つ馬が掛かっています。
これに茶碗が『対馬』でトドメ。
床の間の軸は狩野派の花鳥図しばり。


今回の趣向で特筆するなら、建物の中に花席が設けてあった事です。
ここでは古式な活け方もさりながら、使われている道具が日本は天平、大陸は元代のものから各時代をずらりと並べてあります。
首の飛んだ猿投、古銅の花入、時代ものの竹籠……。
夕方の人が少ないタイミングでしたので、ほぼ独占状態で堪能しました。
逆光の釣り舟の松葉が印象的。「花は人の手が入ることで『花』として再び生きる」と。……ふむ。

薄茶席に近い場所が担当でしたから、お茶碗の紹介がチラホラと聞こえてきます。
川喜田半泥子、北大路魯山人、荒川豊蔵、楽、青磁、古瀬戸、古染付、絵唐津……。
河井寛次郎が気になったなぁ……、小生は田村耕一作で一服。のんこうもあったなぁ……。


朝の開始前に、活けるのにくっついてお手伝い(掃除と片付け)したのも、かなりのご褒美でした。



さて、溜め息の出る空間を出て長屋門の外に「これは何ぞ?」というオブジェ発見。


雑草を戴いた猫足の筒。う~~ん。
以前からあるらしいけれど、塀の角にあるって事は、『いけず石』の代わりなのかなぁ……。
趣向の散りばめられた空間に身を晒すと、ついつい見るもの全てに意味を考えてしまうなぁ。
謎は謎にしておくのが良いかも、と思いつつ帰路につきました。


しかし、今日は寝れるかしら……。名品のパワーがまだ脳裏に残っています。


あぁ!
そういえば、明日の夕方まで窯焚きお手伝いに行くから、どのみち寝れないんだったわ。





______

このブログのポリシーとして、ご存命中の方々の御芳名は出さない事にしております。
私ごときの考えが及ばないところで差し障りがあるといけないからです。
ですので、今回も本当に多く方々にお世話になりましたが、上記の理由で伏せております。
関係者の方々には厚く御礼申し上げます。有難う御座居ました。 m(_ _)m








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イタリアンな日

2014-06-02 20:07:28 | Weblog


天気が良いのも今日まで。明日から雨模様の予報です。
午前中に外仕事をせっせとやって、昼からはお出かけ。本日は倉敷へGO。

初めてお伺いするギャラリーでしたが、もともとは呉服屋さんだったらしい。
倉敷を代表する旧家らしく、飾ってある写真や絵は「おぉ!」というものも。
蔵を改造したギャラリーは、板倉作りの重厚な一室。一枚板の分厚さは、なかなか豪勢なもの。

そこで、イタリア在住の日本人陶芸家によるマジョリカ焼を拝見。作家さんの在廊日に合わせて訪問しました。
曰く、「土見せがあるのは、かの国好みではない」とか、「釉薬が流れ出す高めの温度も、かの国好みではない」とか。
「マジョリカ焼」らしからぬ事をされているとかで、「備前焼に見えない」が褒め言葉に感じる小生には非常に好印象。
というか、マジョリカ焼を詳しく存じ上げないので、初見での好みでしかありませんが。否、2回目でしたね。
つらつらと拝見して、1回目で気になっていたものを頂きました。湯呑とありましたが酒呑にします。
イタリア陶芸事情もお伺いして楽しく歓談。



その後、隣接の別室ギャラリーで噂の陶芸家さんと遂に邂逅。
「身の回り100m以内の材料で作る」と言われる方。知り合いの先生筋に当たりお噂はかねがね……。
土、釉薬、燃料、窯、道具のほぼ全てが自作。「ほとんど何も買いません」と言われ脱帽。もう裸足で逃げ帰ろうかと。
優しい語り口に意思が通っていて、知識と経験で目前の問題に対処するという姿勢は、まさに『プロ』でした。
窖窯で釉薬を勧められました。プライベートでやってみようかしら……。


片や国際性、片や地域性。
2人のタイプの異なる陶芸家に奇しくも接して、なかなか考えさせられました。
素晴らしいなぁ、どっちも。

……と、それぞれの語られた言葉を反芻しつつの帰り道。

若干ハラヘリ……イタリアに触発されたし……。

元来の性分。『花より団子!』『団子より酒!』が頭をもたげる。


で、イタリア人のパン屋さんへ寄り道。


『花よりパン』です。
チーズ、サラミ、ハムなどのトッピングものがオーラを放っていて、片っ端から頂きました。チーズのパンも種類は色々。
クロワッサン・フリークとしては見逃せず、クロワッサンも確保。大きめなのは「サンドしてね」という事か? 
厨房のお兄さんとアイコンタクト。何故かよく判らないけどお互いに……(*^ー')b

(ん~~、イタリア人が日本で作るカレーパンという興味惹く一品もありましたが、これは次回のお楽しみに)


さて、パンを買ってしまった手前、本日は日本酒とはいかないので『酒呑』デヴューは明日へ持ち越しです。
しかし、明日に備えて仕込みはしておく。魚屋さんにも寄ったからね。


魚は、寿司ネタで一番好きなもの。この時期のものが最高~~~~!! ……の大出世した……ネコマタギですが。

冷蔵庫にて、「おいしくなぁ~~れ」中。


本日は、サラダとパスタなんぞ作りますか。



















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展覧会シーズン終了

2014-04-30 12:05:32 | Weblog


昨日の搬出をもって、2ヶ月で4つの催事が終わりました。
『ふたつ返事のなべちゃん』の悪い癖でアレコレと引き受けて、途中「おおぅ……( ̄□ ̄;)!!」と少々テンパり気味でしたが無事(?)終了。

個展、二人展、グループ展と様々な形での展覧会でした。
御高覧頂きました皆様、経済活動へ御参加頂いた方々には深く御礼申し上げます。
皆様のお声を参考にまた製作に励みたいと思います。

m(_ _)m


まだ冬枯れの景色から始まった展覧会シーズンは、菜の花、桜、躑躅と季節が移ろい、街の人々の服装も日に日に明るく華やかな色に変化していく様を拝見するのはなかなか良いものでした。
時には街に出ると色々とありますね。路上観察にも収穫がありましたし。


朝、番犬福助くんに挨拶をして家の周りを見渡すと、すっかり『山、大爆笑~~』となっておりました。
当然、敷地まわりは草ぼうぼうであります。

本日より引きこもり生活がスタートします。
お天気を見計らって環境整備、製作に勤しまねば……。


と、その前に片付けか……。




ん~~、桐箱のオーダーして、事務的なアレヤコレヤも……か。

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ヤマザクラ

2014-04-15 10:03:07 | Weblog


朝、コーヒーを飲みつつメールをチェック。ふと窓を見遣るとヤマザクラが窓枠で額装されている。
柔らかな朝日が桜に差しかかっていて、なんとも軽やかな印象。
普段、重くて堅い素材を相手にしていると、「あぁ、いいなぁ」と素直に思う。



家の中の暖かさと程よい暗さ、外の肌寒さと明るさとの対比。
陽が昇るにつれて変化していく光を眺めていたいけれど、時折そよぐ風に「しずこころなく花の散るらん」様子を見ると「さて仕事しよ」と思わされる。
現実逃避したい先に現実を思わされる桜のマジック。

春は爽やかに、かつ足早に駆け抜けるようで、せわしくなってきた周りの状況にも対応せねば。
鬼が嗤うだろうけれど、来年の事も視野に入ってきたし。
そのもののプレッシャーはまだないけれど、そこに辿りつくまでの過程がむしろプレッシャー。


今と未来。
逃避と現実。
光と影。

春は幻。




さて本日、岡山は休廊日、坂出は開催してます。
予定は……


●かまどホール(坂出)
~4/29(火)まで。【在廊日:4/20、29】

●アンクル岩根のギャラリー(岡山市)
~4/28(月)まで。【在廊日:土日在廊(20日を除く)、平日は時々】

となっております。

是非、御高覧頂けますと幸いです。m(_ _)m



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展覧会の花材

2014-04-14 20:09:08 | Weblog


ヤキモノの展覧会では何かと花が付き物でもあります。
駆け出しの頃(今も!)には、齧ったほどもやらなかったお花の稽古での先生のお言葉を思い出しつつ、おっかなびっくり活けていました。

その後、馴れに開き直りも随分加味されて、恥ずかしげはタップリありますが自前で活けます。
しかし、所謂『お花』として見られると辛いものがあるので、誤魔化し方を編み出しました。

最大のポイントは売っている花材は使わない事です。
花の珍しさで造形的不備から目を逸らす作戦。裏山から採ってきたり、野菜や果物を使ったり……。
今回は知らない花も使っています。まぁ、それも話のキッカケでもありますし。

華道の方から見ると全くダメですが、無理矢理「合っている」と思い込むことで世間からの冷たい視線に耐えています。

要は、変化球な形に変化球の花材。そして開き直りと思い込みですな。(キッパリ)


『モノを知らぬ』とは、げに恐ろしき。(恥……)

展覧会というオフィシャルな場面だからそう思うのであって、自宅で使うのには気兼ねなんて要りません。
好き勝手上等!!
格好良かったり、可愛かったりすれば良いのよ。きっと。
なので、お客様の場合はお手元で自由に素敵なヒラメキでお楽しみ下さるのが一番嬉しい事です。はい。(*^ー')b


しかし、アケビもちょっと時期がずれたしなぁ。





さぁ、今週の水曜日はラジオの収録もあって在廊しますが、何を持って行くかなぁ。

草刈する前に良く見とかないと。










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今朝の点景

2014-03-04 09:50:03 | Weblog


久しぶりにキンッと冷えた朝。空が高く気持ちよい。一筋の飛行機雲が西へと伸びている。
見上げるすぐ横には藪椿の大木。


今が花の盛りか。藪はいいねぇ、花が小さくて。
近づくとメジロの一群が一斉に飛び立つ。きっと顔に花粉のお弁当を付けてるだろうな。

植えた方の椿もボチボチ最後の見納めに近いか……。


いや、まだまだ。椿はいいねぇ、花が色々あって。


しかし、ボチボチ春の気配も。サンシュユも脹らんできた。


「これも植えっぱなしだけど、それなりに大きくなったなぁ」と、しばし見上げる。

(あぁ、今年もマンサクを植え損ねた) ┐(-。ー;)┌


ふと、冷気を鋭く切るような小鳥の鳴き声。見渡すとヤマガラとシジュウカラの混成チーム。


チラッとしか見えなかったけれど。野鳥はいいねぇ、可愛くって。


小鳥の動きが活発になってきた。……ということは虫も出てきたか。

おぉ、そういえば毎日ジョウビタキにアタックされている窓は……と見ると、


しっかりと痕跡が。結構な仕事量ですな。なるほど、こういう風に景色が写ってるのね。ふむふむ。


さてさて、気持ちよく朝の一巡りをしたので、今日も元気に引きこもりましょう!
ひょっとしたら、本日の歩行数はこれで終了しかねないなぁ。


家に入る時に、番犬福助くんが背後から何か言ってましたが華麗にスルーしてやりました。

夕方にまたお会いしましょう~~~~。 ( ̄ε ̄)~♪


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ロクロのお供

2014-02-22 18:45:20 | Weblog


時折、仕事場の窓からコンコンと謎の音がする。
バードストライクにしては被害者の姿は無く、甲虫にしては季節が違う。暫く「?」だった。

最近やっと原因が判った。ジョウビタキのオスである。
割と気が強い鳥で、窓に映った自分を見て攻撃もする程。
太陽の位置によって反射する角度が変わるらしく、攻撃する窓が時間によって違うのが愛嬌。


そのうちロクロ座横が定位置になった。何気なく置いた籠。


しかし気が強いにも程がある。すぐ真横に人間が居るのに。
ガラスがあって手が出せないと知っているのだろうか?
鏡像認知は出来なくてもガラスは判るということか……いや、やはり単に気が強いだけか。

定位置があると糞が自然と集まる場所になる。観察すると実などが多いけれど虫の痕跡もある。割と雑食らしい。
それにしても、ペアで居ることが多いのにいつも相手がいない。男ヤモメ?
いつも一羽で縄張りを主張。



庇も定位置になってるみたい。


独りロクロをする時間にちょっとした楽しみが出来た。
ロクロのお供にヤモメのヒタキ。

しかし、この止まり木になっている籠が使えないのが難点であるなぁ。
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犬は喜び……

2014-02-08 13:34:16 | Weblog


予報通りに雪の朝を迎えた。静かな朝。窓から入る反射光で家の中がいつもより明るい。
ちょっとワクワクして布団から抜け出して雪景色を眺めつつの珈琲タイムとする。
年間に1、2回程しか積雪がない地域なのでこういう日は独特な感覚。暖かいところから見る風景がいいねぇ。
木々の枝が大きくしなっている。結構積もったなぁ。早朝の新聞配達の人が通った痕跡もすっかり消されている。

福助の家の上にも雪帽子。

積雪量は11cm。

さぞかし雪の中で「福助を眠らせ、福助の屋根に雪降り積む」という慎ましくも美しい光景かと思いきや!


凛々しくも番犬業務中でした。(ご苦労さまっす!)


時折、雪の重みで割れる竹や枝の音が気になるらしい。
加えて降ってくる雪も珍しいらしい……



右に行った! ……と思ったら、


左にも行く!


落ち着け!


ワクワクするよなぁ。人間も同じく、ウチの子も朝から外に行ったっきり帰ってこないし。


で、福助くん。最終的にオシャレに変身させられてた。

しかも嫌がる素振りもない。気に入ってるのか?


そんな様子を眺めつつお仕事。


エイリアンの卵っぽいものが生まれております。

いや、花の蕾といえば美しかったか……。

さてさて、お仕事、お仕事。
落ち着いた気分で淡々と。時折、雪景色を見つつ深呼吸。雪のおかげでリフレッシュした気がする。


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柊鰯、ふたたび。

2014-02-04 18:53:25 | Weblog


立春。
暦の上ではディセン……じゃなくて2月ですね。でも春です。
「日中は日差しも穏やかで、番犬福助くんは大の字で昼寝。福助のすぐ近くまでジョウビタキが来ていました」というのを家の中から見てました。
実際、外は寒いので、絶賛引きこもり中です。


さて、昨日は節分。


多分に漏れず、恵方巻き丸かぶりの日。
あっ、時々『丸かじり』という表記を見ますが、恵方巻き発祥の地の関西人としては『丸かぶり』として頂きたい。(これ豆知識)


で、丸かぶりしながら、昨年の展覧会での事を思い出していました。
3月に恒例開催の備前陶心会展ですが、非売の展覧会で販売を考えずにチャレンジ・発表できる場でもありますし、他の作家の創意工夫を楽しみにもしています。

毎年、この展覧会はテーマが変わるのも特徴で、昨年は『角』でした。
「角はツノ、カク、カド、スミ……と読み替えても良い」というルールの元、各自がそれぞれ工夫を凝らして製作しました。
その中で小生は『柊鰯(ひいらぎいわし)』を出品。「鬼(ツノを持つ者)を追い払う」という役目からの連想です。否、こじつけと言うべきか。


で、その柊鰯……を思い出して。

学生の頃に「伝統的な物作りの現場を見よう」と日本各地をブラブラしている時期がありました。
冬に伊勢から海沿いを南下して、いくつものリアス式海岸の集落を通り抜けて、どれほど行ったか判らない所で辿りついた小さな漁村。
人っ子ひとり居ない寂れた港で休憩していて、行けども行けども似通った景色に選択したルートを後悔し始めていた頃だったなぁ。店もないし。お腹も減った。
ネコの親子が居たか居なかったか……海を見ながらボーっとしていた。疲れていた。
港は山を背負っていて、家々はその間に肩を寄せるように密集。鄙びた雰囲気。磯の匂い。
特にすることもないので周辺を歩く。見通しの効かない路地ばかりで車も入らない狭さ。多分、日照時間が短い路地だろう……足裏が冷たい。相変わらず人影は見えないし。

そこでふと気がついたのが、家ごとに玄関先にあるイワシ。ほとんどは釘に刺してある。新巻鮭のように吊ってあるのも。
そのどれもが鰯自体が極度に乾燥していて彫刻のような趣き。そして口には柊が一枝。

関西の習慣として節分に柊鰯を玄関先に飾る事があるけれど、『柊の枝に焼いた鰯の頭』を刺す飾り方で柊がメインである。
この集落の飾り方は、鰯一尾に柊を咥えさせてありイワシがメインになっている。丁度、メザシの柊付きのような感じだけど、焼いてあるかどうかは見かけでは既に判らない。
道すがら行き会った不審者発見の顔つきの元お姉さんがいらっしゃったので伺うと「一年中ぶら下げておく」との事でした。

その光景をすっかり忘れていたけれど、『角』というテーマに決定した瞬間に思い出した。「あれだっ!」
連想は「角 → ツノ → 鬼 → 節分 → 柊鰯」なんだろう。
自分の記憶にストックしてあった一地方の風習。

無言で丸かぶりしつつ思い返していると、あの旅は結局「腹が減った……」という思い出だったなぁ。
食べながら、腹減ったとは……これ如何に。ん~~、そもそも恵方を向いて願い事せんと~~。


さてさて、その後、柊鰯を作って展示しました。


購入希望の方々がいらっしゃって後日完売しました。ありがたや~~。
で、『2匹目のドジョウ』ならぬ『数匹目のイワシ』として、最近また製作。
魔除けの柊鰯ですぞ~~~。

しっかり焼いた焼イワシ。なのに腐らず長持ち、無味無臭。一年通じて玄関先で邪気払い、365日24時間家内安全。ご家庭に是非一尾どうぞ~~。


しかし、節分は過ぎているというこのタイミング。……商売下手やなぁ。┐(-。ー;)┌

ひとまず、自分の家の玄関に吊るすとします……。


さて、今年の備前陶心会展のテーマは『空間』です。
会期は、3/11(火)~16(日)です。今頃、作っているヤキモノ屋さんも多いかと。


今年もテーマが決まった瞬間に思い浮かびましたが、まだ、ヒ・ミ・ツ。
どうなりますやら。





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越冬パッションフルーツ

2014-01-25 18:58:24 | Weblog


夏にグリーンカーテンにするべく仕事場の南側にネットで茂らせていたパッションフルーツ。
エキセントリックな花と実の収穫を楽しみにして栽培したものの、何故か蕾すらつかず単なるグリーンカーテンになってしまっていた。
本来の目的は果したものの残念な結果。シーズンが終了してから原因をあれこれ調べてみた。

どうも暑すぎたのが原因らしい。
肥料が多すぎたのが原因らしい。
植えたのが遅いのが原因らしい。

「らしい、らしい」と推測の域を出ない事ばかりなので来年も挑戦することに。
調べていると、まぁ、当然というか、南方系なので気温さえ落とさなければ越冬する事がわかり家の中へ。
茄子みたいなものか。木化するんだろうな。たぶん。

あまり良くわからないまま……というか情報が多すぎて迷ったものの、「短く切っても大丈夫」という事を信じてカット。
それでもちょっと用心して、葉っぱが10枚ぐらいで一枝の長さを30cmぐらい残す。株を大きく掘ってプランターへ引越し。
プランターより一回り大きい衣装ケースを用意して入れ子にした。これで水遣りも大丈夫なはず。
あとは越冬環境。15℃を下回らなければ良いとか。10℃でも大丈夫という意見もあったけど……。
ガラス越しに陽が当たる場所に置く。

年末頃に4本あるうちの2本の葉が黄色くなって「ありゃ~~、移植失敗か」と思っていたら新芽が出てきて一安心。
今のところ、朝も15℃は下回っていないし。



結局、色々と調べても「らしい、らしい」の連発なので、まぁ、やってみないと判らん!
「農業が仕事でなくて良かったよ」と思ったものの、すぐに「ヤキモノも同じ事か……」と思い至る。
見守るのも疲れるけど。


なんだか蔓も延びてきている今日この頃。
春が待ち遠しいぞ。



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