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備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

コピーの流儀

2015-02-19 19:32:37 | 陶芸


製作のキーワードを訊かれる事がある。その場合、大体は「現代性です」と答える。今の生活に使うモノという趣旨で。
そして「何かを参考にする場合、そのものズバリは作らず、そのエッセンスを表現します」とも。
つまり「シリアの古代ガラスの形を作りたい」と思っても、形そのものではなくてエッセンスを組み合わせて雰囲気を作るという意味。
エッセンスの抽出は記号化とも言えるかな。このエッセンスのジャンル別で複数のシリーズが出来ている。現在継続中は5系統ぐらいか。


今の生活で使っていてお気に入りのグラスがある。持たない取っ手の付いたグラス自体は、ままあるけれど、これは自分にはない緩やかなラインのモノ。
作家さんにお伺いすると「もともとは、キャンドルホルダーとして作った」との事。
しかし、ブランデーを呑むのに丁度良くて、手で包み込むようにして持つと葡萄の芳香がほんのりと立つ。葡萄を手のひらで受けているみたいな感覚。

この形状で「自分なりのカップを作りたいなぁ」と思って試作した。現在は使い勝手を検証中。
エッセンスとしては、取っ手の在り様であるな。


さてさて、これはコピーか? 
素材が違うとはいえ、現段階ではコピーの色合いが濃い。このままでは『何処かで見た形』であるな。

『何処かで見た形≒コピー』に対する考え方は、人それぞれだろう。

小生の場合、モノの製作では判りにくいので、音楽(作曲)に置き換えて考えている。
つまり作曲においては、ひとつの音から次の音への進み方とその長さは『順列組み合わせ』の問題であるので、現代では既に何小節かは作曲され尽くしていると判断できる。
それが4小節なのか、6小節なのかという長さは年数を重ねる程増して行くので、同じフレーズは必ず存在するし、似たものなら尚更の事である。
これが美術工芸においては、順列組み合わせの選択肢が格段に多いけれど、似たモノが同時に存在していても不思議ではない。
つまり、本人の意図に関わらず似たモノは確率的に存在する。なので、作家は『何処かで見た形≒コピー』を回避する事に思索を巡らしても仕方がないのである。

仕方はないが「自信を持って自身の作である(≒コピーではない)」と証を立てる為には、どうするべきか?
それは自分に対する裏付け=『モノの説得力』を持つ事である。順列組み合わせで同じものがあったとしても「オリジナル」と認知され次々と『新作』が出てくるのはそのあたりに起因するはずだ。
その意味で拙作の各シリーズのバリエーション展開の手法は説得性の要素になっている。逆に『脈絡なく突然出てくるモノは説得力が弱い』とも取れるので、新しいシリーズを作る場合は慎重になる。
そういう脈絡の無いヒラメキは突然来るけれど、作る事と発表方法は要検討である。


今後、このカップを自作の形としていくには説得力を加味していく事になる。
まず簡単に思いつくのは、自分のシリーズに落とし込むとすると『アフリカン』か『紀元前』あたりで、器種としてはカフェ・オ・レ・ボウルか。エッセンスとしては瓢の民芸品とか耳盃かな。


こういう発想や参考参照の方法論については、ビジネス書のタイトルに喧伝されている。いわゆる自己啓発系など。
それは会社の企画書だけでなく、我々モノ作りにも通じる内容でもあるのだろう。(読んだ事ないけど)


ところで、いつも思うんだけど、この手の本って『なぜ、〇〇は□□なのか?』という『なぜ、のか?』パターンが多いのだろう。
本のタイトル自体が既に『何処かで見た形』なんだけどねぇ。作家さんが表現したい動機から本になっているはずなので、きっと中身に説得力があるんだろうなぁ。

あと、就職活動の服装、髪型、化粧も疑問。
悪目立ちを避けたいのは判るが、面接は自己表現の場である。なのに「なぜ、就活生は非個性化を目指すのか?」と。 (あっ、使っちゃったわ)


コピー、写し、スタイル、伝統……言い方は多いけれど、オリジナルと認められるには最後は説得力である。モノも本も面接も。
コピーから始まっても最後にはオリジナルを目指す。それが流儀。


(あ~~、粘土さわりてぇ~~~。 ←事務作業中)















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『目の眼』 備前特集

2014-10-01 17:53:21 | 陶芸


歴史ある雑誌(骨董系)に掲載されました。11月号ですが備前特集となっております。
その中の座談会に出席させて頂く稀有な体験を致しましたので、御報告方々の御案内とさせて頂きます。



座談会のタイトルは『温故知新、変革期の備前焼に新しい波をおこすには』です。
座談会のメンバーは、編集長(白州次郎氏のお孫さん)、評論家(元・県博物館副館長)、業界の大先輩(人間国宝の御子息二名、県重文の御息女)、備前で最も長い歴史をもつ窯元の18代目プリンスに加えて、馬の骨代表の小生。
う~~ん、場違いでは……。
お話を頂いた時に「そんな場に小生が居てはイカン」と思いましたが、「当日は鱧かなぁ」の一言で出席決定。完全に釣られました。
まぁ、変な事してる人の自覚はあるからイロモノ扱いも必要かな。


さて、取材時は残暑に一雨きた夕刻。アスファルトから湯気が立つのを見ながら緊張感を覚えつつ会場の料理屋さんへ。
腹を括って恐る恐る襖を開けますと、所狭しとライティングの傘が乱立。その本格さに緊張がヒートアップします。
お姉さんに席へ案内されるや「お好みでどうぞ」と籠に盛られた酒呑が登場する。
御挨拶もそこそこに、目利きや先輩方の衆人環視のもと酒器を選ぶというミッション発生。内心「これってセンスの査定か?」とアラートが……ドキドキするじゃん。

「これは、このメンバーに関係するあの方のだな」と狙いを定め、やんわり、はんなりした緋襷のモノをチョイスする。
「GJ、俺」と密かに安堵する。


座談会は評論ベースのアカデミックな内容で始まり、「おぉ~~」と居住まいを正す。(酒に酔えぬ雰囲気)
そのうちに先輩方の父上世代の武勇伝から座が和やかになり(たぶん)、各自お酒も進み(たぶん)、小生もついつい生意気な質問を……。


酔ってしまった。


まぁ、言った事は仕方ない。(編集でうまく纏めて頂き感謝)

という事で、是非、御清覧頂けると幸いですが、さらに御購入頂けるともっと幸いに存じます、です。ハイ。(^。^ゞ


なお、販売期間中に東京ミッドタウン『THE COVER NIPPON』の一画に御座います『目の眼サロン』にて拙作を展示させて頂いております。11/30迄となっておりますので、是非、御高覧頂けると幸いです。さらに御購入頂けると…ごにょごにょ。


以上、よろしくお願い致します。m(_ _)m



それにしても髪型が60年代風になってしまって……。これは予定外だった。



__________

【追記】

目の眼サロンでの展示が延長になりました。12/15あたり迄です。
引き続き、よろしくお願い致します。

ごにょごにょ。











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割り木屋さん見学

2014-08-21 11:52:45 | 陶芸


今、企画中の展覧会の資料作りの為に、割り木屋さんへお伺いしました。
始めてみる現場で、大人の社会見学というか……ほぼ遠足です。

話には聞いていましたが、凄腕マシーンも見ました。
ひとつの機械で『丸太を寸法に切る、割る、カゴへ積み込む』までを一連の工程で行います。見ているとなかなか興奮します。
構造的には、チェーンソー・油圧式薪割り機・ベルトコンベアーがひとつになった簡単なものです。
動力はトラクターからシャフトで直結するパターンです。外国映画の農場のシーンにありがちな、あれ。

しかし、フィンランド製でもあり価格はちょっとした外国産高級車が買えるレベル。
かの国には、かなり普及している機械だそうですが、はるばる輸入すると大変ですね。

で、その凄腕マシーンを見た後でしたが、一番興味をそそられたのがこの歯車の物体。



玄関脇に置いてあったので、「機械好きオヤジが部品を大事に取っているのかな」と思っていました。
油にまみれた黒い鉄の塊。何かわからんけど……オブジェ?

しかし、さにあらず。
これがひとつの工作機械なのでした。


うはっ、カッコイイ!! (`∀´)/


これは、針金を輪っかにする機械。
薪を束にする時に使う針金を手作りされていました。
規定寸法に切った針金の両端を曲げてお互いに噛ませてセット。ペダルを踏むと歯車が、ガチャン~~グルン~~と回転してお互いを捻って結束する。



実演して頂きましたが、よく出来た機械です。
しかし、需要が極端にないので絶滅危惧種です。

で、他所の産地向けの輪っかの現状、昔の方法なども詳細にお伺い。
唐津では割った竹で縛ってそれをリサイクルするとか……。「ほほぅ、さぞ、積みにくいでしょうなぁ~」
昔の田舎暮らしなら、生活において何かを束にする必要性がチラホラあったのでしょうが、世の中が随分と変わってしまいましたね。
今なら、束を纏めてからPPバンドを熱圧着したり、シールする方法が簡単なのかな。

話をしながら、ずっと眺めていました。

ちなみに、これは廃業する割り木屋さんがオークションに出していたのを競り落としたものだそうです。
他に無いので仕方ありませんが、割と高価格です。
最新式も絶滅危惧種も、異なる理由ながらも価格的には致し方ないですなぁ。



シルエットもエエわぁ。


オブジェに欲しいなぁ。
いや~~、踏み込んだと時の音がエエんですよねぇ。




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アウトレット梱包材

2014-08-19 15:25:54 | 陶芸


世の中に、カプセルトイ(ガチャ・ガチャガチャ)なるものがある。

小生ご幼少のみぎりは、スーパーカーブームど真ん中世代なので、消しゴム目当てでよくやっていた。
昨年は家族がキノコ、山菜、パンのシリーズに嵌って頻繁にトライ。
逆に、小生は『アート・イン・ガチャ』という企画をしていた側なんだけどねぇ……。


さておき、先日のお盆休み前の事。
普段、梱包材などはネット通販で仕入れることが多い。
エアキャップを仕入れるべくメーカー直販サイトを物色していた。すると、アウトレット品を発見。

アウトレットといえば製品のバラツキやキズなどのB品が相場であるが、ちょっと様子が違う。
読むと、異なる種類のエアキャップを同じ機械で続けて作る時に、製品の繋ぎ目でイレギュラーな色や硬さの異なるものが出来るらしい。
要は、異なる銘柄が交じり合うという感じ。

これは、我々が土練機で異なる土を連続して練る場合に、機械の中に残った土と次の土が混ざって練込状態の土が出てくる事と同じ現象である。
ふむふむ。わかる、わかるぞ~~。

練込のエアキャップか……。お洒落かも。


販売条件としては色・硬さ指定不可。しかし安い。
購入者の声を見てみると、結構、透明、ブルーが多いらしい。中にはグラデーションもある。
透明~カラーへのグラデーションはオシャレ~~。
ついつい、ほほぅ~~と見入る。

しかし、とことんギャンブルに弱い性格なので、判らない物を買う場合かなり勇気が必要。または自分に対して言い訳があるか。

「ちょうどポイントが溜まっていて、現金持ち出しも少ない」
「気分転換」
「小さなコダワリを捨てるチャンス」
「まぁ、エエか」

……と、自分と会話してポチッと。


「何が来るかな~~」と、それなりのワクワク感もある。


これって、ガチャガチャやん!! ( ̄□ ̄;)!!


さて、お盆明けて、本日配達されました。

ほぼピンク!! 
ラブリーです。
「ひょっとしたら、このエアキャップ自体が売れるんじゃないかな」とも。


ご興味ある業界関係者は是非。


オ・ト・ナのガチャガチャですぞ。






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西粟倉村へ

2014-07-22 19:55:24 | 陶芸


本日は、足を伸ばして県北の西粟倉村まで。鳥取まであと一息の場所です。
そこで、これからの林業の様子を見てきました。
今日お会いした方はエネルギーの観点から林業を見ている方。なかなか勉強になりました。

取材&展覧会の資料撮影も兼ねて。遠かった……。




西粟倉村は人工樹林85パーセントの村。
しかし、間伐も枝打ちもしていない林、切ったものの山に転がされて腐るのを待つだけの木、立ち枯れも多く見受けられました。
しかし、沢山あるのは間違いない。
あれらがきちんと使える仕組みが出来ていれば、厄介もの扱いにならないのになぁ。
木材の需要と供給のインフラを構築すれば、山の多い日本は豊かな国になる予感がしています。
見方を変えれば宝の山です。



村の木は平均50年経過した木とかで、これから先50年かけて育てる『100年の森林(もり)』構想も出来ていました。
そのためにはこれから間伐材も出てくるでしょう。
それらを家具や工芸品として使う取り組みや展示ギャラリーなども出来ていました。
モノ作りの方々の移住も増えているようです。

ヤキモノ屋としては燃やすぐらいしか使う事が無いのですが、間伐材の行き先のひとつとしては有効でしょう。
現状の放置されている山には建築に適しない木はいくらでもあるようです。

里山サイクルを断絶させてしまった昭和のエネルギー改革から、我々は緩やかにマツを失って来ました。
これから将来、マツを巡る状況はますます厳しくなるでしょう。
「備前焼は、備前産の粘土を赤松で……」という古来から続いてきた手法に、危機が来るかもしれません。また来ないかもしれません。
しかし、その対策とノウハウは実際に使うか使わないかは別として必要でしょう。
ひょっとすると新しい表現に繋がるかもしれませんし。


全国に植えてしまった杉・檜も見方を変えれば宝。




放送は25日(金)16:50~19:00のOHK『スーパーニュース』で。
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木材にまつわるメモ

2014-07-09 18:47:45 | 陶芸



こぴっと真面目に考えを纏める必要があるので、頭の整理としてメモ。
ひとまず整理してから、不足分は追々調べようか。
主には、里山、アカマツとか。ちょっこし思い出してみよう。

一応、最初の断りとしては、山陽地方の事なので他の地域と異なる点ありです。
あと、錯誤があるかも……。あと、今、窯焚き中。


●植生の遷移(山陽地方限定)

山陽地方の極相林は、シイ、カシなどの照葉樹である。

その山を、人が生活する為に木を伐採したり、山火事などがあった場合、植生は如何に復活するか。

まずは日の当たった地面を草本がマルチする。一年生、二年生草本も生えるが、やがて多年生草本が主流になる。
そこに潅木が生え、やがて日当たりを好む木(アカマツ、コナラ、クヌギなど)が勢いを増して陽樹林を作る。
が、同時に自分の樹冠の繁茂によって地面の日差しを遮る事になり、下草、ササ、樹間の密度が高まると陽樹林の種子は発芽、成長出来なくなる。
やがて、日差しが悪くても成長可能な木(カシ、シイなど)が勢いを増し、陽樹の寿命と共に遷移して陰樹林の極相林となる。

草木 → 陽樹林 → 陰樹林 の流れ


●アカマツ林の発生

極相林を切り開いた二次林の場合、目立って遷移するのは陽樹である。
そのうち我々ヤキモノ屋にとって重要なのは燃料のアカマツ。

上記の通り、アカマツ林の成立には極相林に対して何らかの環境変化が必要である。
変化は人の手で切り開かれるか、山火事や倒木でギャップ(日の当たるスポット)が出来るかなどが考えられるが、主には人の生活の結果として松林は発生する。
その維持には、陰樹は生えないように定期的な管理が必要である。

また、極相林が陰樹といっても土壌の養分、水分が必要であり、瀬戸内の岩肌が露呈しているような土地が貧しい環境では陽樹が極相とも成り得る。ただし、個体は盆栽のような矮小な形態になる。(例:王子が岳の松など)



●里山の価値

里山は人が手を加えた二次林である。そこは、薪・炭・肥料の供給地である。
燃料として柴刈りや立木伐採、肥料として落ち葉や腐葉土の採取、牛馬の為の下草刈りがされてきた。
勿論、食料としての山の恵みもあった。

クヌギは毎年、伐採地をずらして採取され、ヒコバエによる再生を待って永続的な燃料確保のサイクルを作っていた。
結果として、日当たり良く維持される事で、陽樹林を維持してきたのである。
里山とは、意図的な遷移の中断である。

生活に必要なものを生み出す『人工の自然』であった。(矛盾ある言葉だけど今はスルー)

ウチの窯の裏。煙突周りの木を伐採して10年経過。
陽樹、ヒコバエ、陰樹の階層が出来ている。


●高度経済成長期の燃料転換がもたらしたもの

昭和30年代以降、薪・炭に代わって、石炭・石油・ガス・電気へと燃料転換が図られた。
薪・炭の供給地としての里山は、燃料転換によって経済的価値を急速に失った。

肥料もたい肥から化学肥料になり、下草刈りや落ち葉、腐葉土も採取されなくなる。
意図的な自然への介入が無くなると、植生遷移が再開され、照葉樹の極相林へと遷移していく。

里山は、いわゆる『藪』という荒れた状態(極相林へ向かう途中)になり、ますます人が入らなくなっていく

商品作物の果樹が、次第に藪に飲み込まれいく。


●高度経済成長期の植林

極相林に向かわない場合もあった。
経済的価値の下がった里山は、単なる郊外の土地として開発対象となった。
高度経済成長の名のもとに、大規模ニュータウンやゴルフ場はこの頃に増えた。『平成狸合戦ぽんぽこ』の様相である。
これにより圧倒的に里山自体が消滅する。

残った里山の樹種では建材としての価値を持たないので、第二次世界大戦後・高度経済成長期の住宅供給に対応するべく生育の早い針葉樹(スギ・ヒノキ)の拡大造林がされた。ますます雑木林は減少する。
しかしながら、国産材は安価な輸入外材との価格競争に太刀打ち出来ず、多くのスギ・ヒノキ林が放置されている。
本来なら、シイ、カシの陰樹林になるべきところ、スギ・ヒノキの人工的な陰樹林が形成された。

余談ながら、スギ・ヒノキの単一の林では生物多様性は減り、土地は痩せる。保水性に劣る為、治山治水、水源涵養に問題がある。
また、自然と隣接する地域では、餌を求める野性動物との緩衝地帯としての里山が無い為、シカ、イノシシ、クマとの遭遇が増えることになった。


スギ林の下は日が差さない為、土地が痩せている。雨が降ると斜面を山水が走る。


●アカマツに関する現況

アカマツは人が自然に対して手を入れる事によってその植生を維持してきた。
燃料として優秀な材でありながらも、里山との関わりが絶たれた今、定期的な伐採は減り植生維持が困難になっている。
更には、『松くい虫(マツノザイセンチュウによる病害)』が減少に拍車を掛けた。
松くい虫以外では、林業従事者の高齢化、後継者不足、震災の影響などに起因して、燃料としての供給が困難になってきている。

(震災の影響とは、放射性物質の集合・拡散の懸念から、東日本産の木を忌避する業者が増え、西日本産を使う為に需要と供給のバランスが取れない状況になっています)



「燃料インフラを再構成……さて、どうしよう」のあたりが今後の考察か。


ひとまず、メモ、おしまい。





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窯焚きお手伝い中

2014-07-05 11:08:48 | 陶芸


(タブレットからの初投稿=使い勝手の検証)

窯焚きお手伝い中。

初めて関わる窯です。
こういう機会は自分との考え方の違いの確認(=自分の考え方の再確認)出来る場面です。
窯の全体構造もさりながら、直接タッチする焚き口はオーナーの考え方が如実に現れます。
考え方の裏付けには過去の経験の積み重ねがあるので、その背景も汲み取るとなかなか味わい深いものがあります。
構造だけでも大いに見所はありますが、加えて焚き方を伺うとその考え方の組み合わせは無限大。
それを把握した上で作品を拝見すれば、更により良く判ります。


特に窖窯(あながま)のように一旦歴史上から消えた技術に関しては、その伝承がありません。
見た人も居ません。
なので、窖窯は今も試行錯誤の連続で、考え方は三者三様、十人十色、千差万別、多種多様。
これに見てきたかのような思い込みも混じって、窖窯使いは百家争鳴状態です。
そこに市場原理が働くと「みんなちがって、みんないい」という事にはならないのが楽しむべき点ですな。

(話を戻して……)

自然科学において高温下の実証実験は、直接触れられないし見られないので測定には困難が付きまといます。測定機器自体の耐久性、信頼性の問題もあります。
ましてや我々ヤキモノ屋の持つ機器は、せいぜい温度計ぐらい。色見とゼーゲルコーンがその補助か。
あとは、ひたすら観察。科学の基本である観察。
そして、考察、仮説、再現、実証の繰り返し。


こういうところを嬉しがったりするのは、完全にオタクですな。

いや、マッドサイエンスティストかも。

……泥んこだけに……ね。(言いたいだけかっ!)



結論:物理キーボード+マウスが格段に使いやすい事を再認識。(以上)



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実験の共同窯

2014-07-04 23:28:14 | 陶芸


グループで窯を焚きます。いわゆる共同窯です。
古くは桃山時代から共同窯というスタイルがありましたが、現在の個人作家が主流な環境においては珍しいことでしょう。

今回の窯焚きはひとつの実験であります。
備前焼が直面している問題。それは燃料問題です。
特に赤松に関しては、林業の後継者不足、松食い虫、震災の影響などがあり市場への供給がかなり難しくなっています。

実際、小生の場合、昨年の夏に注文した松割り木でしたが、
秋の納品予定が……入らない。
年内にはなんとか……入らない。
年明けになっても……入らない。

という困った状況でした。

それに対して、今後継続的に割り木を入手する解決策のひとつとして、他の木材を視野に入れるのもひとつの方法でしょう。
なにせ『無い袖は振れぬ』のですから。


もともと、個人的には景色の事を想定して雑木(カシ、クヌギ、サクラ、イチョウ、ヤナギ、スモモ、スギ……)を使ってきました。
また、グループでの経験としてはモミ100%もあります。

それらを勘案して、消極的に代替燃料として松と置き換えた雑木ではなく、積極的採用としての雑木焼成をする事にしました。
更に判りやすく結果を見る為には、それを100%使用した振り切った実験が今後の為になるでしょう。
それから個人にフィードバックして今後を考えるという方法。


で、今回は『杉・檜100%焼成』の窯焚きをします。

一番の目的は経験する事。
その過程で発生した原因と結果を見る事が重要です。


本日で窯詰めは終了。

明日はいよいよ火入れです。


何が違って、何が変わらないのか……。見極めたいと思います。


(しっかし、まぁ、よく詰まってますわ……)






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窯焚き手伝い中

2014-05-16 12:18:43 | 陶芸


展覧会も終わり、事務的な事も少々残ってはおりますが、友人の窯焚き手伝いが始まりました。
ここの窯のお手伝いは最初から最後までフル参加です。
日常生活の時間帯からいきなり夜間勤務シフトに変えます。(受け持ちパートが深夜から明け方です)


窯焚きが始まって、いつも美しく思う雰囲気があります。それは概ね明け方に出会います。
日の出そのものだったり、鳥の声、気温、雲……その現象は様々です。

「フダンハ、ナゼ、ネテルンダロウ」と思うほどの美しさ。


今回は、窯の周りの色でした。
ブルーシートに囲まれた窯場の青く傾いたホワイトバランス。
その隙間から差す朝日。
火の色。

自然が作り出したトリコロール・カラーです。
ほんの数分でしたが。


さてさて、窯焚きがこの後もしばらく続きます。
横焚き手伝いが2件。フルの窯焚きが1件。

自分の窯はその後か……その頃は、暑いぞ~~~~。きっと。


┐('~`;)┌

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個展終了

2014-03-31 12:21:37 | 陶芸


倉敷での個展が終了致しました。多くの方にお越し頂き、誠に有難う御座居ました。
会期中に色々と感じたことを実現すべく今後やっていきたいと思います。

m(_ _)m

展覧会では自分のアレコレを艱難辛苦の上に絞り出して僅かなエッセンスを提示します。
会場では、それはもう、居合いの如くシリアスな立会いの現場となり、わずかでも気を抜いたら一刀のもとに斬られてしまうのです。
お互いに視線の先を察し、一言一句を吟味し、その触り方から深い考察を読みとり……

「ムムムッ!!」

とはいかず、まぁ、大抵はオモシロ話にゲラゲラと笑ってました。
なかなか皆さんネタをお持ちで。美味しい情報の提供も多くあり有難う御座居ました。m(_ _)m


さて、昨日はギャラリーを辞しての帰宅直前に雨が降ってきて大慌てで撤収。
ひとまず、仕事場に荷物を積み上げて終了しました。


で、今朝になって家の周りを落ち着いて眺めますと、春爛漫です。


シデコブシに潜り込むマルハナバチ。
地味なアメリカフウノキの花。
原種に近いスイセン。
先日頂いた肥後スミレ。

番犬福助くんの近くには、ルリタテハが。



個展が始まった頃は薄いコートを羽織っていましたが、もう不要でしょう。
その代わりに春霞……いや、黄砂か?

山にも桜がチラホラと目立つようになってきました。
ウグイスが啼き、キジバト夫妻が連れ立って歩き、ミツバチが飛び回り、忙しげな山の息吹です。


という事で、小生も次に向かって行動開始のタイミングです。


まずは、この荷物を片付けねば……。




(´・_・`)


あっ、来年もよろしくお願い致します。
急ぎ御礼まで。 m(_ _)m

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