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備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

傾斜を階段へ

2006-07-11 21:47:07 | 窯作り・窖窯について

傾斜を階段状にする。各段が それぞれ棚を組む場所となる。


窖窯でも古いスタイルのテイストを求める作家さんは、階段状にしないで 傾斜のままのことが多い。

もっとも備前焼の場合は、そのタイプの作家さんは、大甕(おおがめ)を焼くことが多いので、もともとの棚組みが少ない。

そこで、棚組みは 窯詰めの度にツルハシで削って水平を出す。

甕も そのまま傾斜に置くと転がってしまうので、傾斜と作品の間に楔状のものを打ち込む。【馬のつめ】と呼ばれる道具。ちょうどスイカの一片のような形をしている。



窖窯は一時、備前焼の歴史上から消えたので、現在は、窖窯(あながま)のオーナーの数だけノウハウがあると言っても過言ではない。

小生の場合、森陶岳先生の下で大窯(50m)を学ばれた作家の方々の最初の弟子世代であり、伊部の窖窯とも考え方が違っている。

弟子の後の経験で、またノウハウが変わってきていて、同じ時期に学んだ弟子仲間ともやっぱり 違ってきているという状況。

当然、窯の構造も焚き方も異なってくる。


だからこそ、『 窖窯(あながま)のオーナーの数だけノウハウがあると言っても過言ではない 』という次第。


久々のツルハシとスコップ。疲れた~

 

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レンガの割り振り

2006-07-09 22:15:49 | 窯作り・窖窯について

斜面に 窯のあたりをつけていく。

設計図を元に地面に直接 ラインをひいていく。
設計図の距離は水平方向での距離なので斜面を直接測ってはいけない。梁から水糸を下げて あたりをとる。

要所要所にピンを打ち込み、それらを結んで窯の形を決めていく。

その書かれたラインを基に地面を掘っていくわけであるが、レンガの割り振りを考えて、大きめに掘る部分、深く掘る部分を場所を決めていく。

間違って削ってしまうと、せっかくの堅い地盤を柔らかくしてしまうので 慎重に注意して掘る。

常に2、3手 先読みして行動する必要がある。

空間のイメージが 得意な人と不得意な人とでは窯を作るスピードに大きく差がつくところ。きっと将棋指しの人なんかは得意分野なんでしょう。

小生?スタートと途中経過はバッチシで、出来上がり直前になって、別のアイデアが出てきて、それまでの事がご破算になるというパターンが多い。

今回の築窯では レンガのサイズがバラバラの上、中古レンガは膨張したり 歪みがあったりで結構ややこしい。

レンガの割り振りを考えているときに台風の影響か 石垣蝶(イシガケチョウ)が飛んできた。

あの模様ほどは、ややこしくは ないな~

でも……、岡山で 石垣蝶!? \(◎o◎)/!

 

 

 

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煙突雑感

2006-07-07 22:08:18 | 窯作り・窖窯について

雨続きの間隙をぬって、側溝の工事。

前に工事した排水パイプが、最後の最後で 細くて、大雨では役に立っていませんでした。

そこで今日は 久々の晴れ間なので、バイパスの排水パイプをつける。

排出するという意味では、水も煙(気体)も同じ事。太くて流量を確保するか、細くてもスピードをつけて流すかのいづれかである。

今回の場合、もともとが細かったので、別に太いパイプをつけて総流量をアップする作戦。

窯の方は、これから煙突を作るが、心して総流量をイメージしなければいけない。


窯業地の中で備前焼の場合は 相対的にやたらと立派にすぎる煙突が多い。
窯業としてのレンガ工場の築炉師さんがイメージするとこうなるのであろうか。

煙突を見ると手間がかなりかかっている。内側が耐火煉瓦で 外側が赤レンガ。断熱を考えて、隙間を作って二重巻き などなど

こんな立派な煙突は作らない予定。


もし作った煙突の引きが悪いときはどうするか……煙突を伸ばせばいいのです。これも先達からの知恵。

パイプの工事をしながら 煙突を思う……。

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石ころが語る土地の履歴

2006-06-12 21:44:33 | 窯作り・窖窯について

あいも変わらず、窯場の周りの作業。
なかなか本題に入れない状態がつづく。


湿気の問題が肝心なので、今が大事と思って、拙速にしないほうが無難か。レンガを積み始めてから挽回しよう。

窯そのものはアーチ構造なので、相当無茶なことをしない限り壊れることはない。
というか 壊れた話そのものをあまり聞かない。
しかも半地下式である窯の場合は、地面で力を支えるので結構平気。

それも強いしっかりとした地盤があってこその話ではあるが……



備前焼の地は、霊峰熊山の火山性の岩盤と堆積(たいせき)岩が隆起した平野から成り立っている。
備前焼の粘土は、熊山山系の流紋岩が風化、分解し、流されて堆積したもの。
だから大抵、現在は平地の田んぼの地下から採取される。


小生の築窯地は山の途中のなだらかな場所にある。
岩石は堆積岩の質であり、土の中の石ころはみな一様に丸い。
つまり しばし水の中(海中?)にあったと思われる場所柄。
 
やはり、このあたりも隆起した土地であり、しかも、石が丸いことから 水際であったことが予想される。  ( しかし、化石が出た話は聞いたことがない。 )


ウチの奥の高い地点には金鉱脈の発掘孔跡があって、コウモリやら、何やら、魑魅魍魎の皆さんがいらっしゃる。



今は、海抜60mほどらしいが、遠い遠い将来はどうなるのだろうか、

温暖化のことが頭をかすめる……。



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雨対策、側溝を掘る

2006-05-16 23:28:00 | 窯作り・窖窯について

明日から、しばらく雨。

窯場の後ろが、造成の際に削った部分で、雨が降ると 山肌を伝って水があつまる。

今回の雨は長引きそうだったので、ちょっと側溝を掘りなおし。



焼物に 『緋色』を発色させる為には、窖窯(あながま)は連房式登り窯に比べて、
地面の湿気が必要です。

その為、盛土ではなく 山を削って斜面を作った次第。側溝は、地面を掘っただけで、セメントなし。


ただ、湿気が多すぎると駄目なので、その頃合いがムズカシイ。

湿気を抜く為には、透水管を通したりと色々ありますが、窯を作ってからでは、間に合わない方法もあり、何をどの程度する必要があるのか。見極めがムズカシイ。



造成後、半年ほど様子を見ていましたが、現在の感じでは、やや湿気が多いか?

「手持ちの原土との相性でいえば、大丈夫かな?」という感じがしないでもない。

窯は、一度作ると動かせないので 一種の賭けになります。
原土を買うのも賭け。築窯も賭け。

日常がギャンブルだと、わざわざパチンコも競馬も行く必要がない生活。


あまり、雨が降らない事を祈るばかりです。

 

 

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築窯地

2006-05-01 00:10:52 | 窯作り・窖窯について

備前焼をする為に必要な設備は、個人レベルの『焼物屋』の中では、結構大きくなります。

窯の大きさも さることながら、原土、割木……と、置き場所だけでも かなり面積が必要です。
最低、300坪といわれます。

しかも、煙を出すともなれば、新参者は必然的に山の中でする事になります。
(まぁ、山のほうが土地代が安いということもありますが……)
そうなると造成に結構かかります。

準備期間も結構な歳月が流れます。
窯を作る専門業者さんもいますし、頼めば、『早い ●い うまい』の3拍子でできますが、小生のように自分で作るタイプの人は、なかなか はかどりません。

窯作りの経験もありますし、要領はわかっていますが、自分がオーナーの窯は、初めてです。どうなりますやら。(すごく丁寧か、すんげーテキトーか?)

さて、これから、この場所に窖窯(あながま)を作ります。
完成するまでには。まだまだ歳月も資本もかかりますが、『とにかく、がんばっていこう』と思っています。

今日の写真は、現在の築窯地の現場。過去の写真も そのうちにUPしたいとおもいます。『陶芸開拓団』と名付けたい苦闘?の履歴です。


「 窖窯(あながま)って何? 」という方は、
小生のホームページへどうぞ。



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