ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

空が落ちる

2021-02-04 23:33:27 | 日記
                    空が落ちる

                 防空壕を作らなくては
                 荒れた世界
                 首をつられ
                 囚われ
                 獄のなか
                 空から攻撃されて
                 地球に穴が空いて
                 向こう側がみえる
                 あー空が落ちる
                 空が落ちて
                 粉々に
                 割れて
                 落ちてくる
               
                 急いで隠れなくちゃー
                 隠れなくっちゃー

                 食っちゃー

                 喰っちゃーねー
                 喰っちゃーねー
                 している間に
                 お腹は風船
                 空に飛んで
                 あー破裂する
                 破裂して
                 地球の向こうに
                 飛んで
                 落ちる

                 ちぎれて
                 粉々にちぎれて

                 しろい
                 しろい
                 雪になり

                 溶けていった

令和のマッチ売り

2021-02-03 22:59:25 | 日記
                        令和のマッチ売り


                   もや
                   白のベールに包まれた
                   景色は
                   白だと思っていたら
                   灰色
                   かすんでいる

                   伝わってこないのだ
                   こころに響き渡る声が聞こえてこない
                   景色も
                   目に入ってこない

                   あるのは
                   ざらざらと
                   毛糸に引っかかる
                   とげの
                   板で囲われた
                   世界

                   みずみずしい
                   緑の
                   木々の
                   風にそよ吹く葉の
                   音もない

                      疑いの目でしか世界を
                      見ることが
                      できなくなってしまったから
                      あれやこれや
                      不安と恐怖ばかりで
                      盗んだり奪ったり
                      騙したり
                      嘘っぱち
                      を
                      繰り広げている
                      世界に
                      もう
                      さじを
                      投げてしまいたくなるから

                   少し夢をくださいな
                   このマッチの火がついている
                   間は

                   3分咲きの桜が揺れている間は