ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

冷水

2020-10-08 22:06:19 | 日記

                         冷水


                   テレビをつけっぱなしして
                   うたた寝をしてしまった

                   テレビの声が消え
                   世界が消えてしまった
                   熱がこもる
                   体中でこもる
                     
                   わたしがこもる
                   たましいはこもらない
                   こまらない
                   こまることはない
                   自由にものを思い
                   自由に空を飛び
                   はっそうする
                   台風の端っこの雲に乗って

                   何も聞きたくもない
                   何も見たくない
                   こんなにどろどろと
                   曖昧模糊とした日本語が
                   ますます泥にまみれて
                   言葉が汚れているようだ

                   あのさ
                   「そうごうてきふかんてきってさ なん?
                    おおざっぱに 上からみると
                    百面相の目と鳥の目でみて田畑を喰い散らかすこと なん?!」
                    もうさあ
                    日本語の意味がわからない
                    建前から
                    汲み取らないといけなくなり
                    もはや
                    妄想の世界で
                    コトバなんかいらないので
                     
                    猫のことばを
                    想像する

                    みやーみやーを解釈する
                    「なに?おなかすいた?おそとにでたい?」
                     
                    消えたテレビの声を
                    想像すると
                    気分がわるくなりそうで
                    うろうろと
                    こもった熱をさました

                    冷水をあびて