ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

手袋と靴

2022-01-27 22:24:18 | 日記

                        手袋と靴


                   手袋は
                   毛糸で編まれ
                   ふわふわ
                   暖かい
                   でも、沖縄じゃ
                   暑苦しいので
                   箪笥の奥底
                   にある

                   草を刈るときには
                   軍手
                   おそれなく
                   草を引っこ抜く
                   時にはつぼみをつけた小さな草花が
                   巻き添えになり
                   引きちぎられる
                   地面に横たえ
                   無残に
                   つぶされている
           
                   軍手
                   土まみれ
                   泥にまみれて
                   外に放り投げられ
                   雨に打たれて
                   くたくた

                   足元のぬかるみは
                   長靴じゃ
                   滑って転ぶので
                   怪我をしないように
                   鉄の入った
                   重い靴
                   
                   けったら
                   凶器にもなる
                   石ころを踏んで
                   つぶして見せて
                   脅しをかける

                   赤とんぼを追いかけた道を
                   そんな靴を履いた
                   普通のはずの
                   人たちが
                   行進し
                   
                   軍靴の音