ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

雨にさされて

2018-07-05 22:26:03 | 日記

                     雨にさされて



                ぺらぺら
                風に揺れている


                へらへら
                薄ら笑い



                薄っぺらの
                唇から
                美しく着飾った
                言葉たちが
                踊り



                建前の
                絵に描いた餅やら
                砂の上のビル
                なので
                見るだけの
                崩れゆくもの
                だから



                もろい
                石の上に3年も5年も
                座り続けると
                うそもまことにすりかえられ
                


                腹に据えかねず
                はらわた煮えくり返り
                断腸の思い


            
                はらはらと
                涙落ちるも
                ゆがんだ顔が
                ぐちゃっと
                ゆがみちぎりおれ



                    ふるさとの
                    今にも崩れそうな古い家
                    まちやぐぁー
                    その前で
                    5歳のおかっぱ頭が
                    わらった
                    おばさん おかしちょーだい
                    50年前もそのままだったよね
                    おんなじところにある
                    道がきれいになって
                    でも
                    垣根のお花のにおいがしない
                    おかあさんにそっくりだね
                    うん、声も似てきたといわれる

                    でも、おかあさんのなまえをいっても
                    誰?っていわれるよ
                    ふるさとは遠くへ
                    ふるさとは遠くにありて想うもの
                    母さんに会いたいときには
                    写真を見るか 鏡を見るといい


                    あんたのお母さんは罪作りだって言われた
                    あんたは自立していないから



               ぐっちゃっと
               折れなくてもいい
               ひとのいうことは無責任であるよ



               薄っぺらの心臓が
               ひらひらと風に舞い
               ひりひりと
               雨に
               さされている