そらからふるあめ
一粒
酸素が水素と窒素と炭素と
結託して
バリバリと
骨を溶かし
壊していく
雨粒
ぽたり
一粒
一粒
だけどね
この体もね
一粒が集まっていてね
でもね
どうして
札束に
ほくそえんでいたり
砂糖と油と防腐剤が
たんまりの
くいものに
くいついて
つられるんだろうかね
と
最近
つい
空を見上げて
空って
空気
空虚
そら
空車
空屋
そら
空き時間
ぜろ
穴の開いたまる
そら
あおいこころ
まだ、まだ捨てたもんじゃないと
空っぽの
空き缶に
土を入れ
花を育てる
あきになれば
はなひらくだろうか
空恐ろしい
世界に目を背けたくなる
壊れないように
一粒の
空色の涙
暗闇の大空に浮かぶ
いとしい生命の球